惜おしみなく与あたえる人ひとは幸こう福ふく

 1. エホバが惜おしみなく与あたえる方かたであると言いえるのはなぜですか。

エホバが創そう造ぞうを行おこなう前まえ，ほかにはだれもいませんでした。でも，神かみはご自じ分ぶんのことだけを考かんがえておられたわけではありません。天てん使しや人にん間げんを造つくり，命いのちという贈おくり物ものをお与あたえになりました。「幸こう福ふくな神かみ」エホバは，良よいものを与あたえることに喜よろこびをお感かんじになります。（テモ一いち 1:11。ヤコ 1:17）わたしたちにも幸こう福ふくになってほしいと思おもっているので，惜おしみなく与あたえるよう教おしえておられます。（ロマ 1:20）

2，3. （イ）与あたえると幸こう福ふくになれるのはなぜですか。（ロ）この記き事じではどんなことを学まなびますか。

² 人にん間げんは神かみに似にた者ものとして造つくられたので，神かみの特とく質しつを表あらわすことができます。（創そう 1:27）エホバの手て本ほんに従したがって，他たの人ひとを気き遣づかい，惜おしみなく与あたえるなら，幸こう福ふくや満まん足ぞく感かんを得えられます。（フィリ 2:3，4。ヤコ 1:5）わたしたちは不ふ完かん全ぜんですが，神かみに倣ならって惜おしみなく与あたえることは可か能のうです。

³ 聖せい書しょは惜おしみなく与あたえるよう勧すすめています。この記き事じでは次つぎの点てんを取とり上あげます。惜おしみなく与あたえるなら神かみの祝しゅく福ふくを得えられる，と言いえるのはなぜですか。惜おしみなく与あたえることは，神かみから与あたえられた務つとめを果はたすうえでどのように役やく立だちますか。わたしたちの幸こう福ふくとどんな関かん係けいがあるでしょうか。惜おしみなく与あたえ続つづける必ひつ要ようがあるのはなぜですか。

4，5. エホバとイエスは惜おしみなく与あたえる点てんでどんな手て本ほんを示しめされましたか。

⁴ エホバは，人にん間げんがご自じ分ぶんに倣ならうことを望のぞんでおられます。ですから，わたしたちが惜おしみなく与あたえるなら，エホバは喜よろこんでくださいます。（エフェ 5:1）人にん間げんの造つくりについて考かんがえ，美うつくしい自し然ぜんを見みると，神かみが人にん間げんの幸こう福ふくを願ねがっておられることがはっきり分わかります。（詩し 104:24; 139:13-16）わたしたちが他たの人ひとを幸しあわせにしようと努ど力りょくするなら，エホバに誉ほまれをもたらすことができます。

⁵ 真しんのクリスチャンはキリストに倣ならいます。キリストは，惜おしみなく与あたえる点てんで完かん全ぜんな手て本ほんを示しめしました。こう述のべています。「人ひとの子こ[は]，仕つかえてもらうためではなく，むしろ仕つかえ，自じ分ぶんの魂たましいを，多おおくの人ひとと引ひき換かえる贖あがないとして与あたえるために来き[まし]た」。（マタ 20:28）パウロはこう勧すすめました。「キリスト･イエスにあったこの精せい神しん態たい度どをあなた方がたのうちにも保たもちなさい。[イエスは]自じ分ぶんを無むにして奴ど隷れいの形かたちを取とり……ました」。（フィリ 2:5，7）こう自じ問もんしましょう。「イエスの手て本ほんに今いまよりもしっかり従したがえるだろうか」。（ペテロ第だい一いち 2:21を読よむ。）

 6. イエスは親しん切せつなサマリア人じんのたとえ話ばなしで，どんなことを教おしえましたか。（冒ぼう頭とうの挿さし絵えを参さん照しょう。）

⁶ エホバとイエスの手て本ほんに倣ならうなら，神かみの祝しゅく福ふくを得えられます。人ひと々びとの幸こう福ふくを願ねがい，どうしたら助たすけになれるかを考かんがえましょう。イエスは親しん切せつなサマリア人じんのたとえ話ばなしの中なかで，どんなことを教おしえましたか。自じ分ぶんとは異ことなる背はい景けいの人ひとでも，進すすんで助たすけるべきだということです。（ルカ 10:29-37を読よむ。）イエスがこのたとえ話ばなしを話はなしたのは，あるユダヤ人じんに「わたしの隣りん人じんとはいったいだれでしょうか」と尋たずねられたからです。イエスの答こたえから，神かみの祝しゅく福ふくを得えるには，サマリア人じんのように惜おしみなく与あたえなければならないことが分わかります。

 7. 惜おしみなく与あたえることは，サタンが主しゅ張ちょうした事こと柄がらと関かん係けいがあります。なぜそう言いえますか。

⁷ 惜おしみなく与あたえるべき別べつの理り由ゆうは，サタンがエデンの園そので主しゅ張ちょうした事こと柄がらと関かん係けいがあります。どんな主しゅ張ちょうでしょうか。アダムとエバや他たの人にん間げんすべては，神かみへの従じゅう順じゅんよりも自じ分ぶんの利り益えきを優ゆう先せんしたほうが幸しあわせになれる，という主しゅ張ちょうです。エバは神かみのようになろうとして利り己こ的てきに行こう動どうしました。アダムはエバを喜よろこばせたいという利り己こ的てきな願ねがいを表あらわしました。（創そう 3:4-6）その結けっ果か，人じん類るいは大おおきな苦くるしみを味あじわっています。利り己こ心しんは幸こう福ふくではなく不ふ幸こうにつながります。わたしたちは惜おしみなく与あたえることによって，神かみに従したがうのが最さい善ぜんであるという確かく信しんを表あらわせます。

 8. アダムとエバは他たの人ひとの幸こう福ふくについて考かんがえたはずです。なぜそう言いえますか。

⁸ 神かみはエデンの園そのでアダムとエバを祝しゅく福ふくし，ある命めい令れいを与あたえました。子こどもを生うんで，地ち上じょう全ぜん体たいに広ひろがり，地ち球きゅうを管かん理りするようにという命めい令れいです。（創そう 1:28）その命めい令れいを聞きいた2人ふたりは，他たの人ひとの幸こう福ふくについて考かんがえたはずです。創そう造ぞう者しゃが創そう造ぞう物ぶつの幸こう福ふくを願ねがっていたように，アダムとエバもこれから生うまれる子こどもたちの幸こう福ふくを願ねがっていたことでしょう。パラダイスは地ち上じょう全ぜん体たいに広ひろがり，アダムの子し孫そんには幸こう福ふくに生いきる見み込こみがありました。次つぎ々つぎに増ふえていく家か族ぞくの協きょう力りょくが求もとめられる一いち大だいプロジェクトだったのです。

 9. パラダイスを広ひろげることが人にん間げんの幸こう福ふくにつながるはずだったのはなぜですか。

⁹ 完かん全ぜんな人ひと々びとがパラダイスを広ひろげ，エホバのご意い志しを成なし遂とげるには，エホバと密みっ接せつに協きょう力りょくする必ひつ要ようがありました。その後ご，神かみの休やすみに入はいるのです。（ヘブ 4:11）やりがいのあるわくわくするようなプロジェクトです。他たの人ひとの幸こう福ふくのために自じ分ぶんを与あたえれば，豊ゆたかな祝しゅく福ふくと素す晴ばらしい満まん足ぞく感かんを得えられたことでしょう。

10，11. 良よい知しらせを伝つたえて人ひと々びとを弟で子しとする務つとめをどのように果はたせますか。

¹⁰ わたしたちは，良よい知しらせを伝つたえて人ひと々びとを弟で子しとするという務つとめを神かみから与あたえられています。人ひと々びとの幸こう福ふくを心こころから願ねがっていなければ，この務つとめは果はたせません。困こん難なんがあってもこの仕し事ごとを続つづけるには正ただしい動どう機き，つまり神かみと隣りん人じんへの愛あいが必ひつ要ようです。

¹¹ 西せい暦れき1世せい紀き，パウロは自じ分ぶんと仲なか間またちを「神かみと共ともに働はたらく者もの」と呼よびました。王おう国こくの真しん理りという種たねを植うえて，水みずを注そそぐ役やく割わりを果はたしていたからです。（コリ一いち 3:6，9）わたしたちも，良よい知しらせを伝つたえるために時じ間かんやお金かねやエネルギーを惜おしみなく与あたえるなら，「神かみと共ともに働はたらく者もの」になれます。本ほん当とうに素す晴ばらしい務つとめです。

12，13. 人ひと々びとを弟で子しとする務つとめについて，あなたはどう感かんじていますか。

¹² 宣せん教きょうのために時じ間かんとエネルギーを惜おしみなく与あたえるなら，大おおきな喜よろこびを味あじわえます。研けん究きゅう生せいがよく進しん歩ぽした経けい験けんを持もつ兄きょう弟だい姉し妹まいに尋たずねれば，宣せん教きょうがどれほどやりがいのある仕し事ごとかを話はなしてくれるでしょう。誠せい実じつな人ひとが真しん理りを理り解かいして顔かおを輝かがやかせ，信しん仰こうを強つよめ，生いき方かたを変かえ，他たの人ひとに真しん理りを伝つたえ始はじめるのを見みると，本ほん当とうにうれしくなります。イエスも，伝でん道どうに遣つかわした70人にんが成せい果かを上あげて「喜よろこびながら帰かえって来き[た]」時とき，とても幸しあわせに感かんじました。（ルカ 10:17-21）

¹³ 世せ界かい中じゅうの兄きょう弟だい姉し妹まいは，良よい知しらせが人ひと々びとの生いき方かたを変かえるのを見みて喜よろこんでいます。アンナという若わかい独どく身しんの姉し妹まいの例れいを考かんがえましょう。a アンナは東ひがしヨーロッパの必ひつ要ようの大おおきな所ところに移い動どうし，奉ほう仕ししています。こう述のべています。「研けん究きゅうがたくさん見みつかります。とても楽たのしいです。家いえに帰かえってからも，自じ分ぶんのことより，研けん究きゅう生せいの抱かかえている問もん題だいや悩なやみについて考かんがえます。どうしたら励はげませるか，助たすけになれるかを考かんがえます。『受うけるより与あたえるほうが幸こう福ふく』という言こと葉ばは本ほん当とうだと思おもいます」。（使し徒と 20:35）

14. 良よい知しらせに耳みみを傾かたむける人ひとが少すくないとしても，どうすれば宣せん教きょうで喜よろこびを得えられますか。

¹⁴ 人ひと々びとが耳みみを傾かたむけないとしても，良よい知しらせに応おうじる機き会かいを差さし伸のべることから喜よろこびを得えられます。わたしたちは，預よ言げん者しゃエゼキエルと同おなじような務つとめを果はたしています。エゼキエルはエホバからこう命めいじられました。「彼かれらが聞きこうが聞きくまいが，あなたはわたしの言こと葉ばを彼かれらに話はなさなければならない」。（エゼ 2:7。イザ 43:10）良よい知しらせに耳みみを傾かたむけない人ひとがいても，エホバはわたしたちの努ど力りょくを喜よろこんでくださいます。（ヘブライ 6:10を読よむ。）ある奉ほう仕し者しゃは宣せん教きょうについて正ただしい見み方かたを示しめし，こう述のべています。「わたしたちは植うえ，水みずを注そそぎます。あとはエホバが人ひと々びとの関かん心しんを育そだててくださるよう祈いのります」。（コリ一いち 3:6）

15. 感かん謝しゃしない人ひとがいるとしても，惜おしみなく与あたえ続つづけるべきなのはなぜですか。

¹⁵ イエスは，わたしたちが惜おしみなく与あたえて幸こう福ふくになることを願ねがっています。惜おしみなく与あたえるなら，多おおくの人ひとは良よい反はん応のうを示しめします。イエスはこう述のべています。「いつも与あたえなさい。そうすれば，人ひと々びとはあなた方がたに与あたえてくれるでしょう。彼かれらは押おし入いれ，揺ゆすり入いれ，あふれるほどに量はかりをよくして，あなた方がたのひざに注そそぎ込こんでくれるでしょう。あなた方がたが量はかり出だしているその量はかりで，今こん度どは人ひと々びとがあなた方がたに量はかり出だしてくれるのです」。（ルカ 6:38）もちろん，すべての人ひとが感かん謝しゃするわけではありません。でも，中なかには感かん謝しゃを示しめし，自じ分ぶんも与あたえたいと思おもう人ひともいます。ですから，感かん謝しゃしてくれないように思おもえても，惜おしみなく与あたえ続つづけましょう。1つの良よい行おこないが，思おもいがけない結けっ果かにつながることもあるのです。

16. どんな動どう機きで与あたえるべきですか。

¹⁶ 惜おしみなく与あたえる人ひとは，見み返かえりを求もとめません。イエスもこう述のべました。「ごちそうを設もうけるときには，貧まずしい人ひと，体からだの不ふ自じ由ゆうな人ひと，足あしなえの人ひと，盲もう目もくの人ひとなどを招まねきなさい。そうすればあなたは幸さいわいです。彼かれらにはあなたに報むくいるものが何なにもないからです」。（ルカ 14:13，14）聖せい書しょには，「情なさけ深ぶかい目めを持もつ[または，気き前まえがいい]者ものは祝しゅく福ふくされる」とあります。「立たち場ばの低ひくい者ものに対たいして思おもいやりをもって行こう動どうする人ひとは幸さいわいです」とも述のべられています。（箴しん 22:9。詩し 41:1）他たの人ひとを助たすけるなら，大おおきな喜よろこびを味あじわえます。

17. どんなものを与あたえるなら幸こう福ふくになれますか。

¹⁷ 「受うけるより与あたえるほうが幸こう福ふくである」というイエスの言こと葉ばを引いん用ようしたパウロは，お金かねや物ものだけではなく，励はげましやアドバイスや助たすけを与あたえることについても述のべていました。（使し徒と 20:31-35）パウロは自じ分ぶんの時じ間かんやエネルギーを与あたえ，愛あいや気き遣づかいを示しめしました。自じ分ぶんを与あたえることの大たい切せつさを，言こと葉ばと行おこないによって教おしえたのです。

18. 多おおくの研けん究きゅう者しゃによると，他たの人ひとに与あたえるならどんな結けっ果かになりますか。

¹⁸ 社しゃ会かい学がくの研けん究きゅう者しゃたちも，人ひとは与あたえると幸こう福ふくになるということに気きづいています。ある記き事じには，「人ひとに親しん切せつにすると，とても幸しあわせな気き持もちになる」と述のべられています。研けん究きゅう者しゃたちによると，他たの人ひとを助たすけることによって，人じん生せいの「目もく的てきや意い味みを実じっ感かん」できます。「人にん間げんが必ひつ要ようとしている基き本ほん的てきな欲よっ求きゅうが満みたされる」からです。それで専せん門もん家かたちは，自じ分ぶんの健けん康こうや幸こう福ふくのためにもボランティア活かつ動どうを行おこなうことを勧すすめています。こうした研けん究きゅう者しゃたちの言こと葉ばは，驚おどろくには当あたりません。愛あい情じょう深ぶかい創そう造ぞう者しゃエホバが，与あたえるなら幸こう福ふくになると教おしえておられるからです。（テモ二に 3:16，17）

19，20. あなたは惜おしみなく与あたえたいと思おもいますか。なぜですか。

¹⁹ 他たの人ひとより自じ分ぶんを優ゆう先せんする人ひとたちに囲かこまれている中なかで，惜おしみなく与あたえ続つづけることは簡かん単たんではありません。でもイエスによれば，最もっとも大たい切せつなおきては，心こころと魂たましいと思おもいと力ちからをこめてエホバを愛あいすることと，隣りん人じんを自じ分ぶん自じ身しんのように愛あいすることです。（マル 12:28-31）この記き事じで考かんがえたとおり，エホバを愛あいする人ひとはエホバに倣ならいます。エホバもイエスも惜おしみなく与あたえる方かたです。わたしたちにもそうするよう勧すすめておられます。わたしたちの幸こう福ふくを願ねがっておられるからです。神かみと隣りん人じんに惜おしみなく与あたえるよう努ど力りょくするなら，エホバを敬うやまい，自じ分ぶんと他たの人ひとを幸こう福ふくにすることができます。

²⁰ あなたは他たの人ひと，特とくに兄きょう弟だい姉し妹まいに自じ分ぶんを与あたえるよう努ど力りょくしていることでしょう。（ガラ 6:10）そうし続つづけるなら，他たの人ひとから愛あいされ，感かん謝しゃされます。自じ分ぶんも幸こう福ふくになります。箴しん言げん 11章しょう25節せつには，こう述のべられています。「寛かん大だいな魂たましいは自じ分ぶんも肥こえ，他たの者ものに惜おしみなく水みずを注そそぐ者ものは，自じ分ぶんもまた惜おしみなく水みずを注そそがれる」。クリスチャンの生せい活かつや奉ほう仕しの中なかで，惜おしみなく与あたえ，親しん切せつを示しめす方ほう法ほうはたくさんあります。次つぎの記き事じではその方ほう法ほうを幾いくつか取とり上あげます。