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様々な治療法目ざめよ! 1980 | 5月8日
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と題する本の中に繰り返し登場します。前ページの表を見れば,説明は無用でしょう。
摂取量 消費量 結果
食物 2,000 エネルギー 2,000 体重は変わらず。
(エネルギー)カロリー カロリー
食物 2,000 エネルギー 2,500 不足している500カロリーを
(エネルギー)カロリー カロリー 埋め合わせるために
体が蓄えた脂肪を
利用するので体重は減る。
食物 2,000 エネルギー 1,500 余った500カロリーを
(エネルギー)カロリー カロリー 体が脂肪の形にして
蓄えるために
体重が増える。
ごくわずかな例外を除けば,太りすぎは食物の摂取量を減らすことにより解消できます。減量を志す人は食事の量を減らすか,甘い物などの高カロリーの食べ物を避けるかして,カロリーの摂取量を減らさなければなりません。体重のことで医師の忠告を求めるなら,自分のエネルギー消費量に見合ったカロリーを摂取できるようにする食餌療法を勧められることでしょう。しかし,自分の身長や年齢,体格などと釣り合った範囲にまで体重を下げるには,当初,比較的に厳しい食餌療法をしなければならないかもしれません。その数値は食餌療法の本や雑誌からすぐに得られます。
食餌療法にも実に様々な種類があります。(自宅で果物や野菜を栽培しているのでないかぎり)菜食による食餌療法が比較的高くつくのは明らかですし,高たんぱく食も高くつきます。また,特別な“美容食”は普通,比較的に費用がかさむ上,一時的に腹を満たしておくのに役立つことを除けば,その価値はまゆつばものである,ということにも留意しておきましょう。“短期間でやせる食餌療法”計画には,どんなものであれ用心しなければなりません。そのような方法は非常に危険なものになりかねず,潰瘍のようなゆゆしい健康上の問題を引き起こすことがあります。
幾つかの実際的な提案
食べ物によるエネルギーの摂取を制限する一つの方法は,間食を含めて毎日自分の食べる物すべてを記録することです。自分の食べたり飲んだりした物に含まれるカロリーの総量を調べます。食品の栄養価を理解するよう自らを訓練し,それから,毎日どのようにして減食するかをきちんと計画します。この方法には一つの危険が伴います。それを行なうことに夢中になりすぎないよう用心する必要があります。さもなくば,他の大切な事柄を行なうための時間が取られてしまうでしょう。
多くの人はカロリー計算が余りにも大変でうんざりしてしまい,やがて関心を失ってしまいます。もっと簡単な減量法は,普通どおりの食事を取り,おいしい物を食べても,食べる量を減らすことです。パンを三枚食べる代わりに二枚にしておくのです。主食として食べるジャガイモを一つ控えます。紅茶やコーヒーに砂糖を茶さじ二杯入れるところを,一杯だけにするのです。もし一日にそうした飲み物を五杯飲むとすると,これで一週間に約1,000カロリーを減らせることになります。これは決してわずかな量ではありません。晩に摂取するカロリーの量を減らすよう特に心掛けるとよいでしょう。普通,晩には肉体の活動が限られてくるものだからです。この方法では目ざましい成果を期待してはなりません。しかし,時たつうちに,少しずつ減量してゆくことでしょう。そして,それが最善のやせ方なのです。
問題に対するそのような取り組み方は,『歓びのうちに食べ,また飲みなさい』,と述べる一方で「食べ過ぎや飲み過ぎ」を避けるよう戒める聖書の助言と調和しています。そのような暴飲暴食は,身体面だけでなく,人生における霊的に重要な事柄に対する反応にも悪影響があるので,聖書はそれを戒めています。―伝道 9:7,新。ルカ 21:34。
ここで,ある場合に有益であることが実証された幾つかの提案を考慮してみると役に立つかもしれません。空腹でない時には食べない。時折り,食事をたっぷり取る代わりに軽食ですませたとしても害はない。テレビを見たり,本を読んだり,ただ友人と話したりしながら“物を食べる”のをやめる。食事の30分ほど前に何か飲めば,食欲を鈍らせることになる。また,食事中に少し水分を取ればわずかな量の食物でも満腹感を味わえる。物をよくかめば食べることからより大きな満足を得,そうすることによって食べる量も減ることになる。食事を楽しむ時間を取る。ゆっくり食べることは余分の脂肪を取り除くのに役立つ。肥満の問題の専門家,セオドア・バン・イタリエ博士は,「今日の心理学」誌に掲載されたインタビューの中で次のように語っています。「食べる速さも一要素と言えるかもしれない。中には,食物を非常に速くのみ込んでしまう人もいる。ある研究者たちによれば,食べ物をかき込むと,最終的に食べるのをやめるよう指示を与える満腹信号の働く間がなくなってしまう」。
減量に向かって歩を進めるには決意と自制がどうしても必要とされます。その問題に関する書物を読んだり,医師に相談したりしたところで,個人的に払う努力の代わりにはならないのです。
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行くところのないアジアの“漂流難民”目ざめよ! 1980 | 5月8日
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行くところのないアジアの“漂流難民”
香港<ホンコン>の「目ざめよ!」通信員
水平線上に最初に見えるのは,小さな黒い点に過ぎません。しかし水上警察が近づくにつれ,予期していたものであることが判然としてきます。水上警察はこうした悲惨な情景を幾百回となく繰り返し見てきました。香港<ホンコン>に近づいて行くと幅が狭く,全長約18㍍の,申し訳程度の船が見えて来ます。その船は風雨にさらされ,老朽化していますが,その中には,食糧にも事欠き,2週間から1か月以上も漂流していたと思われる,行くところのない180人の人々がひしめき合っています。彼らは座る余地もないような状態で,ベトナムから約1,000㌔も,南シナ海を航行してきたのです。
こわれそうなその船は,慎重な上にも慎重に検疫停泊所へと引いてゆかれます。そこには係官が待ち受けており,政庁の造船所に接岸できるよう取り計らってくれます。“漂流難民<ボートピープル>”は確かに最悪の体験から脱出できることを知り,解放の吐息を漏らします。しかし,理想からは程遠い状態でこれから何か月も待たなければ,故郷と呼べる場所
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