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競い合う王たちの終わりが近づくダニエルの預言に注意を払いなさい
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最後の軍事行動
20 み使いは北の王の最後の軍事行動をどのように描写していますか。
20 軍事,経済,その他の手段によって北の王と南の王が対立する関係は,終わりに近づいています。エホバのみ使いは次のように述べて,これから生じる抗争の詳細を啓示しています。「彼[北の王]をかき乱す知らせがあって,日の出る方から,また北から来る。そのため彼は非常な激怒を抱き,滅ぼし尽くすため,多くの者を滅びのためにささげようとして出て行く。
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競い合う王たちの終わりが近づくダニエルの預言に注意を払いなさい
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21 北の王に関するどんな点は,これから理解することになりますか。
21 1991年12月にソビエト連邦が解体したことに伴い,北の王は大きく後退しました。ダニエル 11章44節と45節が成就する時,だれがこの王となっているのでしょうか。旧ソビエト連邦を構成していた国の一つがそうなるのでしょうか。それとも,これまでに何度かあったように,完全に実体が変わるのでしょうか。新たに幾つかの国でなされた核兵器の開発は,今後また軍備競争を生じさせ,北の王の実体に何らかのかかわりを持つようになるのでしょうか。これらの質問に対する答えを得るには,時を待たなければなりません。憶測を避けるのは賢明なことです。北の王が最後の軍事行動を開始する時,聖書に基づいた洞察力を持つ人は皆,預言が成就していることを明確に理解するでしょう。―284ページの「ダニエル 11章に出てくる王たち」をご覧ください。
22 北の王による最後の攻撃について,どんな質問が生じますか。
22 とはいえ,北の王が間もなくどんな行動を取るかは分かっています。北の王は,「日の出る方から,また北から来る」知らせに促されて,『多くの者を滅ぼし尽くすための』軍事行動を起こします。だれを標的とした軍事行動でしょうか。どんな「知らせ」がこのような攻撃の引き金となるのでしょうか。
かき乱す知らせによって動揺させられる
23 (イ)ハルマゲドンの前に,どんな際立ったことが生じなければなりませんか。(ロ)「日の昇る方角から来る王たち」とはだれのことですか。
23 偽りの宗教の世界帝国である大いなるバビロンの終わりについて,「啓示」の書が述べている事柄を考慮してください。「全能者なる神の大いなる日の戦争」,つまりハルマゲドンの前に,真の崇拝のこの大敵対者は「火で焼き尽くされ」ます。(啓示 16:14,16; 18:2-8)その滅びは,神の憤りの第六の鉢が象徴的なユーフラテス川に注ぎ出されることによって予示されています。「日の昇る方角から来る王たちのために道が備えられる」ようにするため,川の水はかれてしまいます。(啓示 16:12)この王たちとはだれのことですか。エホバ神とイエス・キリストにほかなりません。―イザヤ 41:2; 46:10,11と比較してください。
24 エホバのどんな行動が北の王をかき乱すと考えられますか。
24 大いなるバビロンの滅びについては「啓示」の書に真に迫った描写があり,こう記されています。「あなたの見た十本の角[終わりの時に支配する王たち],また野獣[国際連合],これらは娼婦を憎み,荒れ廃れさせて裸にし,その肉を食いつくし,彼女を火で焼き尽くすであろう」。(啓示 17:16)支配する者たちが大いなるバビロンを滅ぼすのはなぜでしょうか。それは,『神がご自分の考えを遂行することを彼らの心の中に入れる』からです。(啓示 17:17)それら支配する者たちの中には北の王が含まれています。「日の出る方から」北の王の耳に入ってくることとは,エホバが,宗教上の大娼婦を滅ぼし尽くすことを人間の指導者たちの心に入れる時の,エホバのその行動のことを言っているのかもしれません。
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競い合う王たちの終わりが近づくダニエルの預言に注意を払いなさい
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26 エゼキエルの預言に示されているとおり,「北から来る」ニュースはどこから発せられると考えられますか。
26 ダニエルと同じ時代に生きていたエゼキエルも,「末の日に」神の民に加えられる攻撃について預言しました。マゴグのゴグ,つまり悪魔サタンが,まず戦闘をしかける,とエゼキエルは述べました。(エゼキエル 38:14,16)ゴグは象徴的にどの方角から来るのでしょうか。「北の最果てから」と,エホバはエゼキエルを通して言われました。(エゼキエル 38:15)その襲撃がどれほど悪意に満ちたものであっても,エホバの民が滅ぼされることはありません。この劇的な会戦は,ゴグの勢力を全滅させようとするエホバの側の戦略的措置によって行なわれるのです。そのため,エホバはサタンに対してこう言われます。「わたしは必ず……あなたのあごに鉤を掛け,あなたを……連れ出す」。「わたしは……あなたを導いて,北の最果てから上って来させ,イスラエルの山々の上に連れて来る」。(エゼキエル 38:4; 39:2)ですから,北の王を激怒させる「北から来る」ニュースは,エホバに源を発しているに違いありません。しかし,「日の出る方から,また北から来る」知らせに結局どんなことが含まれるかは,神だけが決定する事柄であり,それを理解するには時を待たなければなりません。
27 (イ)ゴグが,北の王を含む諸国民をけしかけて,エホバの民を攻撃させるのはなぜですか。(ロ)ゴグの攻撃はどんな結末を迎えますか。
27 ゴグについて言えば,「神のイスラエル」の繁栄ゆえに,全面的な襲撃を組織します。神のイスラエルは「ほかの羊」の「大群衆」共々,もはやサタンの世のものではありません。(ガラテア 6:16。啓示 7:9。ヨハネ 10:16; 17:15,16。ヨハネ第一 5:19)ゴグは,「諸国民の中から集められた民,すなわち[霊的な]富や財産をためている民」を不信の念を抱いて見ます。(エゼキエル 38:12)ゴグは,クリスチャンの霊的地所を,奪い取る機の熟した「無防備の田園の地」とみなし,人類に対する全面的な支配を妨げるこの障害を除き去るため,あらん限りの手を尽くします。それでも成功しません。(エゼキエル 38:11,18; 39:4)北の王を含む地の王たちはエホバの民を攻撃する時,『必ず自分たちの終わりに至り』ます。
『王は自分の終わりに至る』
28 北の王と南の王の将来について,どんなことが分かりますか。
28 北の王の最後の軍事行動は,南の王に向けられるのではありません。ですから,北の王は,大いなるライバルの手にかかって終わりに至るのではありません。同様に,南の王も,北の王によって滅ぼされるのではありません。南の王は「人手によらずして」,神の王国によって滅ぼされます。a (ダニエル 8:25)それどころか地の王たちすべてはハルマゲドンの戦闘で,神の王国により除き去られることになっており,これが北の王が迎える結末だと言えるでしょう。(ダニエル 2:44)ダニエル 11章44節と45節には,その最後の戦闘までの事態の進展が描かれています。北の王が終わりを迎える時,「これを助ける者(が)いない」のは,ごく当然のことなのです。
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