婚礼用の衣裳
● 中東でかつて広く行なわれていた一つの興味深い風習を考えると,マタイ伝 22章11-13節のイエスのことばを理解する助けとなる。その句の中でイエスは,婚礼の招待客に礼服が与えられたことを述べている。西洋の影響を受けて,ある種の風習が変えられる以前に聖書の土地を旅行した人々の報告によれば,婚礼の祝宴に出席した人々には婚礼用の礼服が与えられた。その礼服は,各自の衣服の上にかける,ゆったりした袖のついた長い外衣であった。
生粋のあるシリア人は,高価ではないが,はなやかな色彩のそうした衣裳を花婿の父親が準備した,と報じている。それはふさわしい装いをしていない貧しい人がやって来る場合に備えて用意されていた。もし招待客のだれかがその衣裳をつけていないなら,祝宴の主催者はその人をとがめることができた。