さまざまな人が真理に答え応じる
エホバ神は,さまざまな背景を持つ人が真理の正確な知識を得るよう,ご自分の民を用いておられます。長い間大学で医学を学んだ前橋市の一人の人は,自分がどのようにエホバについて知るようになったかを次のように語っています。
「私は,大学の理工学部で4年間学び,卒業後医学部に入学して6年間医学を勉強しました。その後大学院に進み,病理解剖学を専攻して研究を続けました。自然科学や人体の仕組み,病気などを深く追求することによって,何か得るものがあり,完全なものを求めることができると考えていたからです。しかし,医学の研究にしても,最初に抱いていた理想とは全く掛け離れた方向に進んでいることに気付くようになり,人間の利己的な欲望だけで研究が行なわれていることを知ったとき,失望するようになりました。やがて私は,自分の求めているものがそこにはないと考えるようになりました。
「そのような状態の時に,真理を知り献身した妻は,毎日のように聖句を示して私を励ましてくれました。この世の知識を沢山学んだ私のために,聖書が難しいものだと知れば学ぶかもしれないと考えた妻は,英文の聖書や書籍をそろえました。そして私は,それがきっかけで聖書を学ぶようになりました。特に,伝道の書 2章22,23節の『夫人はその日の下に労して為ところの諸の動作とその心労によりて何の得ところ有るや……是また空なり』という聖句に感動し,もっと聖書を学んでみたいと思うようになりました。
「昨年の8月の地域大会に一日だけ出席した私は,会場に入るや否や,食事の支度を懸命に行なっているエホバの証人の姿を見て,とても感心しました。また,講演を聞き,それまでに経験したことのない満足感を味わって帰りました。その後間もなく,家庭聖書研究を司会してもらうよう取決めがなされました。
「神の知恵とこの世の知恵との間の大きな隔たりに気付き,聖書は神の言葉であるという確信を持つようになりました。研究の司会をお願いする以前から集会にはしばしば出席していましたので,エホバの証人のりっぱな行ないやすばらしい霊の実に接するにつれて,これこそ真理であるとの確信がなお一層深まりました。
「聖書を学ぶにつれて,王国を第一にしたいと願うようになり,病理解剖学の研究をやめようと考えました。その時いろいろな思い煩いが挑戦となりました。やめる際の人への恐れ,やめてからの生活の不安,などが生じました。しかし,エホバに祈り,思い煩いをゆだねて行動をとりました。確かにエホバは祈りを聞き,助けてくださいました。現在,週二日のパートタイムの医者としての仕事をしています。これらのことを通して,エホバへの一層の愛と感謝が深まりました」。
このようにして真理を学んだこの人は,神への献身を公に表わすバプテスマを受けました。そして,さらに多くの時間を用いてこの「良いたより」を他の人に宣べ伝えることを願っています。
エホバの民はあらゆる機会をとらえて真理の言葉を人々に伝えており,それはしばしばすばらしい結果をもたらします。次の経験はそれをよく示しています。
「私が初めてエホバの証人の訪問を受けたのは今から5,6年前のことです。以前から聖書に関心があったので学びたいと思っていましたが,小さな子供二人と病気の母の世話があったので,できませんでした。その後3年ほどして,母と別々に住むようになり子供も少し大きくなったので,聖書を学びたいと思いました。そして教会へ何度か行きました。キリスト教はどこの教会に行っても同じだと考えていたからです。しかし,死者の霊について恐れを抱いていた私は,『死者の霊を呼ぶ……』という文字を教会の中で見た時,この点でキリスト教も仏教も変わらないと考え,がっかりしてしまいました。そのために,その後何度もエホバの証人が私の家を訪問してくださいましたが,その度に断わっていました。
「子供が小学校の3年生になった時,受け持ちの先生がエホバの証人でした。この先生は道徳や他の時間に『偉大な教え手』の本を読んでくださいました。それで子供は学校から帰ってくるといつもそのことを喜んで熱心に私に話しました。私は,先生が与えてくださった教えや訓練にとても感心し,感謝しました。そして私も子供と共に聖書の良い教えを学びたいと願いました。私は本屋さんに行ってイエス・キリストの伝記の本を求めてくるとそれをすぐに全部読み,子供にも読んでやりました。
「先生は一年勤めただけで辞められることになりました。クリスチャンとしての奉仕の業を拡大するためでした。送別会の時先生は,お母さんたちに出席してもらい,聖書から証言をされました。私はこの時,聖書に関心があることを先生に話しました。その後しばらくして先生は私を訪問してくださいました。『真理』の本と聖書から,一時間ほど話してくださり,家庭聖書研究をするよう婦人の奉仕者を紹介してくださいました。
「真理を学ぶように心を動かされたのは,エホバの証人の先生が学校で子供たちに与えてくださった正しいしつけと教育のためでした。本当に聖書の教えはすばらしいと思います」。
北海道に住むこの婦人は,いろいろな反対に面しながらも,真の崇拝を実践することを喜んでいます。