若い人々も真理を求めている
犯罪の増加,若い人々の間の不安,不幸な家庭など,私たちの周囲の状況を見れば,私たちを幸福にする良いたよりを人々が必要としていることは明らかです。おとなだけでなく,年若い人々の中にも真理を求めている人がいます。三人の娘を持つある母親は,自分の娘の通う学校で起きた出来事からそのことを認めるようになりました。その母親は次のように述べています。
「私の三人の娘は今エホバの証人の伝道者として,毎週土曜日の午後,若い人たちのために取り決められた野外奉仕の時間に従って定期的に良いたよりを他の人に伝えています。エホバ神は小さな子供でも心から他の人に良いたよりを伝えたいと願っているなら,あらゆる機会に用いてくださるという事を子供を通して知る事ができました。
「今小学校4年生の娘が昨年3年生になった時,先生から学級文庫を作るので家にある本で提供できる本があれば持ってくるように言われました。早速,数冊の本を用意しましたが,その中に『偉大な教え手に聞き従う』という本を入れて行きました。そして貸し出しが始まると意外な事に最初の回から『教え手』の本が男の子にも女の子にも次々と読まれて本柵に残っていない位で娘も驚いていました。そのうちに『教え手』の本を読んだ一人が,『もっとゆっくり読みたいけど,どこであの本は買えるのかしら』と聞かれ,娘は,『私の家で新しい本を150円で求めることができます』と話したそうです。するとその日すぐ,妹さんを連れて二人とも150円ずつ持って求めに来られました。そこで娘は,「金曜日の午後,この本でお勉強していますから,一緒に読みませんか』と誘いました。そしてすぐその週から一緒に学び始めました。それから次々とお友達が増えて,今は5年生の娘の司会で,5,6人いつも集まって『教え手』から学んでいます。
「こんな小さな学級文庫という機会でしたけど,愛あるエホバは子供でも良い機会に目ざとくしているなら,真理を他の人に伝える業に用いてくださるという事に確信を持て,心から喜び感謝しています。
「その子供たちの一人は,お母さんの反対でクリスチャン・ギリシャ語聖書を求めたいけどお金をもらえないので,自分のお小遣いがたまったら是非買いたいと言いました。少しずつお小遣いをため,300円になるのを待って自分の聖書を手にされた時の喜びは,私たちまでその熱意に励まされましたし,子供も霊的な事柄を求めていると知ることができました。お母さんも学ぶようになった人もいます。また学校で起きる給食の鯨肉の問題や生徒会の委員を選出する時はどうするか,お友達からお誕生日の招待があった時どうするかなど,いつも話し合ってお互いに励まし合っているようです。これからも学校,その他の場所で人と接する時にはいつもよい機会を捕えて真理について話し,従順な人たちが一人でも多く霊的パラダイスでエホバを賛美できるよう努力したいと子供たちと励まし合っています」。
ある場合には,年若いエホバの証人が示すりっぱな行状により,周囲の人々が聖書の真理に関心を示すようになります。現在,エホバの証人となっている一人の人は,どのようにして真理を知るようになったかを次のように述べています。
「私はクラスメートのあるエホバの証人と学校で席が隣りになり,半年間ほど証言を受けました。しかし私は共産主義的な考えを持っていましたので,宗教的な内容を受け入れがたく思いましたが,そのエホバの証人の落ち着いた態度,話し方,明るい性格に引かれました。それが聖書を勉強するにつれて身につくならと研究を始めました。例えばクラスメートのうわさ,先生の悪口は彼女の口から聞かれませんし,人の欠点に目をとめるよりむしろ長所を引き出して話してくれますのでさわやかなものを感じました。また『ありがとう』という言葉が,彼女の口から良く聞かれました。ほんの小さな事柄に対し感謝を示し,謙虚な彼女の姿に驚いていました。そうした良い行状は,話された事柄を一層受け入れやすくしてくれました。
「私は今の学校が希望したところではなかったために,学校を休みがちでした。そんな時,絶えず彼女が『どうしたの』と下宿にやって来てくれたものでした。また彼女が暇な日は,夕方おそくまで下宿でいろいろな話をして過ごしましたが,下宿生活の私を良く励まし,私の話に耳を最後まで傾けてくれました。いつしか彼女のことをなんでも話すことができるすばらしい友と思うようになっていました。
「私の最初の研究司会者も柔和な方でした。二人のエホバの証人は共に以前接したことのないタイプの人々で,一緒にいるといつの間にか心温まり,顔がほころんできます。また集会に出席して驚きは倍になりました。そこに集っていた人々の温かい歓迎や,きちんとした身なり,やさしい話し方,明るいふん囲気など,クラスメートの証人が言っていた事は真理であり,いつかここに集っている人々の仲間に入りたいものだと思いました。こうした事は話された事をまじめに考えるよう動かしました。半年間辛抱強く話し続けてくれたクラスメートと,そしてエホバ神に感謝したいと思います」。