エグライム
(Eglaim)
モアブの領地の端にあった地区の一つと思われます。イザヤ 15章1,8節によると,モアブは国が奪略されて「泣きわめく」ことになっていました。その古代における正確な位置は定かではありません。しかし,エグライムとそれに類似した地名アガッリム ― エウセビオスはラバト・モアブの南約12㌔の所にあると述べている(「オノマスティコン」,36,19-21)― は,その地域にあるルジム・エル・ジリメか,さらに7㌔南の,ナバテア・ローマ時代にさかのぼる場所,キルベト・ジェルジュルに名残をとどめているのかもしれません。ヨハナン・アハロニは,リサーン半島の北東にあるマズラというオアシスと同定できるのではないかとしています。