韓国における神権的な進歩
人口 2200万
伝道者の最高数 1949年: 16名 1955年: 1407名
韓国にいるヱホバの証者は,曾つてない程に多くの収穫を得ました。天の窓を開いて,容れるところのないまでに,ヱホバは祝福を注がれました。全世界のすべてのヱホバの証者に祝福は注がれましたが,他の羊を集める業は,すばらしい成果を収めています。長期間に亘つた苦しい戦争も終つて,いま韓国は再建の途上にあります。しかし,私たちはまだ古い世に住んでおり,悪魔はその悪しき制度を用いてあらゆることを為し,ヱホバの制度に来る人々の心を欺いて,至上主権者より引き離そうとしています。どんな妨害を受けようとも,業は目ざましい発展をとげ,すべてはヱホバの御名を立証しています。支部の僕は,韓国の業についての興味深い報告を送つてきました。
韓国では,以前巡回大会が開催できなかつたものが,今年に5つの巡回大会が開催されました。制度の指示に従う訓練,ということを強調した協会の大会プログラムは,極めて時機に適つたものであり,本当に有益なものでありました。韓国の兄弟たちは,大会を円滑に運営するための多くの責任を立派に成しとげました。また,従来の6ヵ月毎ではなしに,4ヵ月毎に兄弟たちに奉仕をするという協会からの指示をうけ,そして孤立した地区にいる兄弟たちに特別な奉仕をするという指示をうけてから,韓国には二つの巡回区がつくられました。孤立した群に特別な注意を払つた結果,その良い結果はすぐに表われ,又この取極めにより,巡回区制度はぐんと引き締められるようになりました。
地味な証言方法である家から家へ,店から店への証言を行つて,文書と雑誌を配布することに強調を置いたため,殆ど100パーセントの兄弟たちは,家から家の伝道者です。韓国では,いつも文書が不足するので,兄弟たちは聖書を用いつつ3分から8分までの聖書の話を極めて巧みに行います。兄弟たちは英語が分りませんが,しかし800冊以上の『すべての事を確めよ』(英文)という本は奉仕に用いられています。どのように? 見出しと,副見出しを訳してから,それを欄外のところに書き記しておき,そして英語で書かれている聖書の名前もどうにかして知るようにしているのです。
この活動を見て,ヱホバの証者の御国宣明に反対する愚か者たちは,非常な憤りを感じています。証者の業についての官憲当局の調査は,再三再四行われています。大きな勢力を持つ偽りの宗教家たちは,ヱホバの証者に偽りの非難を投げかけているため,官憲当局はいつもその非難を真に受けてしまい,非難にそそのかされているのです。彼らの反対は,昨年の冬に最高潮に達しました。韓国外務省は,韓国に来る8人のギレアデ宣教者への許可済の旅券を取り消してしまつたのです。政府の高位についている一兄弟の手助けもあつて,書類による証拠が官憲当局に提出され,無責任な宗教指導者たちの非難は,全く嘘いつわりのものである,と曝露されました。それで,宣教者たちは無事に入国することができたのです。
ギレアデで訓練を受けた宣教者たちは,会衆に力強い励ましを与えました。このことは,特に京城地区について云えます。150万人の都市で,伝道区域の問題はあり得ない,と思われるかもしれません。しかし,実際には,区域はきわめて小さいものです。家は長屋になつていて,しかも大抵の場合,10人から15人ぐらいの人が,小さな家に住んでいるからです。現在,京城には7つの会衆があり,4つの御国会館は,たがいに徒歩20分の距離に位置しています。区域によつては,月に1回ずつ伝道されるところがあります。いまの京城の人で,625名のヱホバの証者のことを知らない人は,先ず居りません。でも,ほんの二,三ヵ月前,ヱホバの証者と云つても,誰一人知つている人はいなかつたのです。しかし,今では知らない人は,先ずいないのです。
映画『躍進する新しい世の社会』は,奉仕年度の初めに入手されました。政府の許可を示す標題を映画のフィルムにつけることができたため,何処であつても映画の上映は可能です。政府の役所でも,数回映写され,幾百人という役人は,その映画を見ました。再建の仕事を管理する大臣は,キョンギドー地区の農民たちにこの映画を上映する手筈を決めました。農民が水田から,戸外で行われる映写の場所に集まつた後,聖書の話がなされ,村の役人はみな出席し,また500人余りの人々が映画を見ました。その所に電気はありませんが,アメリカ合衆国情報移動隊が宣教者と共に旅行して,発電機と拡声機を供給したのです。映画を上映するときは,いつも場所一杯になつてしまい,大抵の場合,なんの宣伝も行わずに映画は上映されます。もし,映画のことを宣伝するなら,会場に人が入り切れないでしよう。韓国では,映画を上映する際の出席者数は問題になりません。問題は,むしろ場所と電気を得るということです。
会衆は自分たちの御国会館ということについて,いろいの取極めをしています。それは全く勇気づけるものです。ある会衆は,自分たちの会館を買い,他の会衆は会館を建設し,また他の会衆は現在建築中か,或は建築地所を入手しています。しかし,これをするために,兄弟たちは大きな犠牲を払つているのです。ある会衆は,私立学校を集会所に用いています。学校所有者のひとりは,幾年かむかしアメリカ合衆国に住んでいましたが,ごく最近まで,証者については何一つ聞いたことがありません。巡回の僕が訪問したとき,その人は僕といろいろの話をした結果,自分の持つていた疑問も解決し,すぐにバプテスマをうけました。会衆の教室使用を許可するだけでなく,授業の中にも毎週1時間の聖書講議の時間を設けました。宣教者のひとりは,その姉妹を援助して高等学校の生徒たちを教えており,この姉妹の夫である校長も,そして,その他の人々も,多くの興味を示しています。姉妹は,メソヂスト教会と長年のあいだ交つてきましたが,今では真理を知つて本当によろこんでいます。