ヱホバの証者の年鑑からの抜萃
日本
人口 90,900,000人
最高伝道者数: 1,390人
比率: 65,400人に1人
半世紀のあいだキリスト教国の宗教家たちは,日本を不毛の宣教地と見なしてきました。しかし,ヱホバの証者は,別の見解を持つています。新しい世の社会の奉仕者たちは,楽観的な態度をとり,御国の力づよい生命の音信は,日本に住む大多数の謙遜な人々が切望しているものである,と悟つています。ヱホバの証者は,パウロとバルナバと同じような感じを抱いています。両人は「異邦人たちはこれを聞いてよろこび,ヱホバの御言葉をほめたたえてやまなかつた。そして永遠の命にあずかるにふさわしく正しい気持をいだいていた者は,みな信者になつた」,ことによろこびました。(使行 13:48,新世)日本のヱホバの証者は10年間に,12人の伝道者で構成されていた二つの小さな会衆から,いまは88の会衆と群れを持つまでに増加し,1390人の神の奉仕者がいます。しかし,他の羊を集めるわざは,終つたわけではありません。東京の支部の僕は,協会本部に送つてきた年間報告のなかで興味深い経験を述べています。支部の僕は沖縄についての報告をも送つています。
ひとりの特別開拓者は,ルーテル派教会の牧師の住居を訪問して,その娘に2冊の雑誌を配布しました。再訪問したとき,その娘は特別開拓者を家の中に招じ入れ,丸1時間問のあいだ質の連続でした。研究が取りきめられて,3番目の研究のとき,その人は「御国の良いたより」の冊子20冊を求めたのに,伝道者はびつくりしました。その説明として,父親は牧師だが,聖書の真理がこれほど明白に説かれたことはいままでに聞いたことがない,ということでした。日曜学校の生徒たちに,自分が学んだことを教えるために,冊子を求めたのでした。
昨年の奉仕年度中,特別開拓者は新しい伝道者をたくさん真理にみちびいてすばらしい収穫を刈りとりました。77才の婦人に2冊の雑誌を配布した一特別開拓者の経験は,そのことを裏書きしています。この特別開拓者は再訪問しましたが,家は留守でした。日本の大多数の年寄りの婦人たちは,聖書よりも先祖崇拝に興味を持つているので,この開拓者はもう訪問するのを止めようか,と考えました。しかし,もう1度だけ再訪問してみたところ,その婦人がたいへん興味を持つているのにびつくりしました。この人は,55年前にギリシャ正教会の洗礼を受けましたが,聖書のことはすこしも知らない,と告げました。開拓者の信仰をほめて,自分も死ぬ前にそのような信仰を持ちたいと語りました。この人は熱心に研究して,五旬節のことや,ペテロのこと,そしてその他の事についてたくさんの質問をしました。2回か3回の研究の後に,集会に出席し,集会によろこびを見出し始めました。片目は全く視力がなく,別の目は約10フィート先くらいしか見えませんが,間もなくして野外奉仕に熱心に参加し,近所のすべての家々に証言し,2軒の家で研究を始め,そして多数の人を会衆の集会に出席するようはげましました。この婦人は,いままで死のかげを歩いていましたが,いまはすばらしい光は彼女の生活に来た。と語つていました。良いたよりを伝える際に,年老いた人にも必ず伝えるようにしましよう!
雑誌配布の目標達成にいろいろの努力を払いますか。本屋を経営している一人の姉妹は,日曜日だけ伝道するので,雑誌の目標達成はむずかしい事柄でした。機会のあるときには,いつでもまたどこでも雑誌を配布し得るという御国奉仕の提案を読んで後,この姉妹はお店に来る人々,特にいろいろの雑誌や定期刊行物を読む人々に雑誌を配布できると思いました。この方法で1ヵ月に40冊以上の雑誌が配布できると知りました。この姉妹のお店で雑誌を求めた人のうちふたりの人は,今は公開集会と「ものみの塔」の研究に出席しています。
昨年は,よろこびにみちた「目ざめている奉仕者地域大会」で終了しました。この大会は,横浜,西の宮そして長崎の3都市で開かれ,合計1350名の新最高出席者数で112名が洗礼を受けました。日本のヱホバの証者は,この幸福な交わりを心から楽しみました。日本人の集まりにはたいていつきものと思われるかたくるしい空気はすこしも見られず,どの大会もヱホバのよろこびにみちる御霊でみちみちていました。休暇中の多数の子供たちは,両親といつしよに出席しました。横浜の大会では,11才の男の子は完ぺきとも言える表現力の豊かな身振りをして研究生の話をしました。長崎の大会では,12才の休暇開拓をしていた姉妹は,すばらしい研究生の話をしました。特別開拓奉仕をしている母親が,その家の人になりました。どの大会もその内容は極めて教訓的なものでした。ある姉妹は,野外奉仕に行く途中で,ひとりの年寄りの人が興味深げに大会のバッジを見つめているのに気づきました。この姉妹は,その人に証言を始め,午前の部で聞いたばかりの聖書の話を使用しました。その人はすぐに書籍を取つて,日曜日の集会に出席すると約束しました。バッジは良い助けでした。長崎の大会の公開講演はちようど14年前に原子爆弾が市内に投下されて破滅をもたらした記念日に行なわれました。「神が全国民に平和を語る時」と題する講演の題はきわめて適切なものでした。新しく発表された出版物は,熱烈なよろこびの中に受け取られました。特に日本語の新しい冊子は大よろこびで受け取られました。このことに私たちはヱホバとその制度に深く感謝しています。