『すべての国の民への証言』
エホバの証人の1968年度年鑑より
フィジー諸島
人口: 476,727人
伝道者最高数: 302人
比率: 1,579人に1人
何百万平方キロにわたる青い太平洋とフィジー,アメリカ領サモア,クック,ギルバート,エリス,ニューカレドニア,ニューヘブリデス,ニューエ,タヒチ,トンガ,西サモアの諸島を管轄下におくフィジーの支部は,他のどの支部よりも多くの国々を管轄しているという点で独特です。日付もある国々では今日,他の国々では昨日といったぐあいです。記念式も世界中で最も早く行なわれるところと,最もおそく行なわれるところが含まれています。支部事務所ではおもな言語として13か国語そして7種類の通貨を扱っています。地域,巡回のしもべは会衆から会衆に行くのに5000キロも旅行することがめずらしくありません。そして税関と移民に関する法律上の手続きがそれについてまわります。御国の事柄の管理は,これらの島に住む人々と同じく多岐にわたり,また興味深いものです。ここにはミクロネシア人,メラネシア人,ポリネシア人それに他人種との混血の人々が住んでいます。
「人々を弟子とする」地域大会の劇によって示されたように,エホバはその証人を用いて御名を全地に知らせていられます。ひとりの若い人の経験からも,それは明らかです。その人は長い間カトリック信徒でしたが,自分で必要を痛感していた聖書の知識が得られそうに思える別の宗派に転じました。ところがその教会の礼拝は,他の宗派とくにエホバの証人に対する攻撃に終始しているので,その人はクリスチャンらしくない,不快なやり方に失望して教会をやめました。しかしエホバの証人とエホバの御名を憎むことをすでに教え込まれていました。ある日,友だちとテニスをしての帰り道,友だちは彼にむかって神の御名を知っているかどうかを尋ねました。彼は自信をもって「イエス」と答えたのです。友だちは彼を家に誘い,聖書をとり出して詩篇 83篇18節と出エジプト記 6章3節を見せました。彼は神の御名をそこに見て感慨無量でした。それは憎むように教え込まれてきた名であったからです。そのうえエホバが神であることを宣明する証人がいることを聖書のイザヤ書から示されて,彼は驚きました。こうして神の御名とそれを負う人々に対していだいていた敵意は消えうせ,神のことをもっと知りたいという熱意から次々に質問をしました。友だちのしていた聖書研究に加わった彼は,友だちよりも早く進歩しました。また集会に出席していっそうの進歩を見せ,ほどなくエホバの証人としてエホバ神に奉仕するために献身したことをバプテスマによって表わすほど,神への愛を深めました。いま熱心な伝道者となった彼は,イエスのみならず,人がイエスをとおして近づくエホバの御名を呼び求めて救われるように他の人々を教えて成功を収めています。人はイエスをとおしてエホバに近づくのです。