親切の結ぶ実
★ 宣教で親切を示すことは非常に大切です。戸別伝道をしていたポルトガルの一人の男の伝道者は,忙しいながらも興味を示した一婦人に会いました。婦人はカトリック教会の活発な信者でした。それで伝道者は,たとえ忙しくても神のお目的について二,三分でも話し合えば心はさわやかになるものです,と述べました。すると婦人はこれに同意し,数分間話に耳を傾け,小冊子を1冊求めました。翌週,伝道者が再び尋ねると,その婦人はもうすぐ教会に出かけなければならないけれども,二,三分間なら喜んで話し会いたいと言いました。短時間の話し合いが終わってから,伝道者は婦人がすぐ出かけねばならず,また,合唱隊の一員であることをも知っていたので車で婦人を教会に送りたいと申し出ました。その婦人は彼の申し出を受け入れ,伝道者の示した心づかいに深く心を打たれました。その後,何回か話し合いが行なわれましたが,婦人のあいている時間は教会に行くことになっている日曜日だけでした。伝道者は定期的に訪問し,毎週日曜日,婦人が教会に行く時間が来ると,教会の入口の前まで車で婦人を送り届け,遅れないように取り計らいました。こうして聖書の定期的な研究が始まり,婦人はすぐに真の宗教と偽りの宗教のちがいを認めました。婦人は集会に出席するようはじめて招待されるとこれに応じ,心からそれを感謝しました。またその年のうちに教会を脱退し,その後,献身してバプテスマを受け,今では彼女の家は会衆の集会所として使用されています。
― エホバの証人の1969年度年鑑より