若い人々は何を考えていますか
世界人口の半分以上は20歳以下の人々です。若い人たちが抱いているのは一般にどんな考えですか。
あなたご自身若い人であるかもしれず,したがって20歳かそれよりも若い人々の考え方については良く分かっていると言われるかもしれません。あるいは年配の人であっても,自分の経験や若い人との交際から,若者の考え方を理解しているつもりだと言われる方もあるでしょう。しかし18歳から24歳までの人を対象とした調査で次のような質問に一体どんな答えが返ってくると思いますか。婚前交渉に同意しますか,それとも同意しませんか。自分が頼らなければならないのは,結局は自分自身ですか。30年たつうちには,世界はもっと住みよい場所になっていると思いますか。
日本の総理府青少年問題対策本部の手によりこのような調査が色々な国で行なわれました。その結果の一部がここに掲げた五つの図に示されています。それらを見て色々な国の結果を比べ,また各図を対照してはいかがですか。
調査結果のうちには聖書預言に照らして特に興味深い部分があります。すでに長年の間エホバの証人は次の事実に注意を促してきました。すなわち今は現存する事物の体制の「終わりの日」であり,聖書預言の成就がそれを証明しているという事です。聖書の示すところによれば,間もなくエホバ神は,わたしたちがその下で苦しんでいる不完全な人間の体制を,創造者ご自身の治める新秩序に代えてくださるでしょう。わたしたちが「終わりの日」に生きている証拠の一部を述べた聖書の句のひとつはテモテ第二 3章1-5節です。しかし聖書のこの句はここに掲げた図とどんな関係がありますか。
「終わりの日」に広く見られると聖書に予告された事柄に照らして,この調査の結果を考慮してみてください。
例えば第一図は,“フリーセックス”がこの世代の考え方の中にかなり定着しているというあなたの印象を裏づけていると単に思えるかもしれません。しかし考慮すべき次の矛盾点があります。日本のこの調査結果を論じて日本の一教授は,「一般に世界のどこでも若い人々は何らかの形の宗教を信じている」ことが明らかになった,と述べています。(「教会と国家ジャーナル」1976年秋季号523ページ)興味深いことに,調査の対象となった人々の中で最も大きな比率を占めるのは,キリスト教世界教会諸派の“キリスト”教を信仰していると唱える人々でした。しかし聖書は淫行と姦淫を明白に非としています。ゆえにこれらの諸教会は聖書の道徳を擁護するように若い人々を導いていないと結論しなければなりません。
[図表]
(正式に組んだものについては出版物を参照)
第1図 婚前交渉についてどう考えるか
いけない 愛していれば たとえ愛して
避けるべき 良い いなくても良い
ブラジル 39.7 48.3 11.9
フランス 10.4 65.4 21.5
日本 26.6 68.3 4.0
フィリピン 36.7 55.3 6.6
スウェーデン 4.1 56.5 37.7
スイス 8.3 68.3 22.9
イギリス連合王国 14.4 67.5 15.3
アメリカ合衆国 23.2 57.0 18.6
西ドイツ 5.5 64.8 23.4
ユーゴスラビア 18.0 74.6 7.4
これは前述の預言と結びつきます。その預言は「終わりの日」に人々が「神を愛するより快楽を愛する者,敬神の専念という形を取りながらその力において実質のない者となる」ことを予告していました。調査が裏づけているのはこの事ではありませんか。
性に関する現代の放縦が他の人々に対する十二分の気づかいを反映していないことには,ほとんど疑いの余地がありません。第二図に注目してください。人生において頼りになるのは結局,自分だけであると結論している若い人々がこれほど多いことは,想像もできなかったのではありませんか。これは不信が広まっていることの表われではないでしょうか。
[図表]
(正式に組んだものについては出版物を参照)
第2図 人生で頼れるのは結局,自分自身である
同意 不同意
ブラジル 56.4 43.0
フランス 51.4 46.0
日本 73.8 25.9
フィリピン 80.4 18.3
スウェーデン 43.7 54.4
スイス 44.9 54.3
イギリス連合王国 34.3 65.6
アメリカ合衆国 68.4 31.1
西ドイツ 73.1 24.3
ユーゴスラビア 63.6 36.3
しかし若い人々は将来をどのように見ていますか。この調査は今日の若者が何かを求めていることを示しています。例えば第三図を見ると,人生から得たいと望んでいるものとして誠実さと愛を挙げた人がどれほど多いかに気づかれるでしょう。これは一見すると,若い人々が理想主義的で楽観的なためであると考えられるかもしれません。しかし調査結果の全体を検討した同教授は,将来に対する「世界の若者の態度は,悲観的である」と結論しています。第四図と第五図はそれを示しています。
[図表]
(正式に組んだものについては出版物を参照)
第3図 人生の目的は何か
ブラジル 自分と他の人々との
間における誠実さと愛 44.2
金と地位 12.7
やりがいのある仕事 7.2
フランス 自分と他の人々との
間における誠実さと愛 56.4
金と地位 18.2
やりがいのある仕事 8.8
日本 自分と他の人々との
間における誠実さと愛 35.8
金と地位 7.8
やりがいのある仕事 28.0
フィリピン 自分と他の人々との
間における誠実さと愛 35.1
金と地位 6.8
やりがいのある仕事 23.5
スウェーデン 自分と他の人々との
間における誠実さと愛 59.8
金と地位 3.5
やりがいのある仕事 20.7
スイス 自分と他の人々との
間における誠実さと愛 52.9
金と地位 9.0
やりがいのある仕事 17.9
イギリス連合王国 自分と他の人々との
間における誠実さと愛 48.3
金と地位 15.0
やりがいのある仕事 13.3
アメリカ合衆国 自分と他の人々との
間における誠実さと愛 63.5
金と地位 6.1
やりがいのある仕事 8.9
西ドイツ* 自分と他の人々との
間における誠実さと愛 42.2
金と地位 34.8
やりがいのある仕事 31.2
ユーゴスラビア 自分と他の人々との
間における誠実さと愛 58.4
金と地位 5.6
やりがいのある仕事 7.5
*(西ドイツの分には多様の答えが誤って含まれている)
第4図 次の世界大戦は人間の英知によって避け得る
そう思う そう思わない 分からない
ブラジル 78.9 20.3 0.8
フランス 51.7 31.0 17.3
日本 63.6 34.3 2.1
フィリピン 57.9 39.9 2.2
スウェーデン 56.1 40.7 3.2
スイス 37.1 62.0 0.9
イギリス連合王国 48.1 48.8 3.1
アメリカ合衆国 53.0 45.6 1.4
西ドイツ 52.5 43.4 4.1
ユーゴスラビア 79.9 20.1 %
第5図 今から30年後に人類の社会はもっと住みやすいものになっていると思う
そう思う
ブラジル 50.0%
フランス 19.6%
日本 28.5%
フィリピン 62.5%
スウェーデン 23.3%
スイス 19.0%
イギリス連合王国 32.1%
アメリカ合衆国 40.4%
西ドイツ 33.1%
ユーゴスラビア 82.7%
カリフォルニア州の大学生リンダ・Hはこのような気分の持ち主でした。彼女の経験からある事柄を知ることができます。彼女はこう語りました,「大学で学んだ結果,わたしは自分の育った生活様式がすたれつつあるのを知ることができました。世界情勢は至るところで悪化しており,わたしには何の解決策もなく,またどこに解決策を求めたらよいのか全く分かりませんでした」。
あなたご自身若い人であっても,あるいは彼女と同様,理にかなった答えを求めている若者を知っているだけにしても,いずれにせよ,リンダの場合,何が起きたかに注目してください。
学校の休みで帰省中に二人のエホバの証人が彼女の家を訪れました。彼女はこう語っています。証人たちは「聖書に解決策があると言いました。わたしたちは神が新秩序の下で設けられる地上の楽園,神の王国政府,悪人を滅ぼすという神の約束について話し合いました。このようなすばらしい真理が聖書にあることを教えられたのは初めてです」。
アリゾナ州の大学にもどると,リンダは土地のエホバの証人の会衆と連絡を取り,週一回の無償の聖書研究の申し出を喜んで受け入れました。今日,彼女の生活と物の見方は大多数の若者のそれとは大変異なっています。彼女は自分の人生の目的が何かを知っています。また創造者がご自身のみ言葉の中に備えられた教えに従って生活しています。そして間近い将来に地上の楽園に生きるすばらしい希望を他の人々に分かつことに喜びを見いだしています。
エホバの証人はこうした経験が珍しくないことを知っています。ここ何年かの間に何十万人という若い人々が同様な道を採り,今では他の人々に同じことをするよう彼ら自身,熱心に勧めています。あなたご自身,周囲に見られる出来事 ― ごく普通になっている混乱した行動と態度 ― に心を痛めておられるならば,エホバの証人と連絡してはいかがですか。彼らは聖書に確かに含まれている意義深い音信を喜んで分かち合います。