賢明な格言
「自分のいら立ちを同じ日に知らせるのは愚か者である。しかし明敏な者は不名誉を覆い隠している」― 箴 12:16,新。
だれかから不当に批判されたり悪口を言われたりしたなら,あなたはどう反応しますか。箴言 12章16節にあるように,かっとなるのは不完全な人間が示すごく普通の反応です。多くの人は腹立たしい気持ちを抑えきれずすぐに,つまり「同じ日に」激しい答えを返します。しかし「明敏な者」はどうでしょうか。箴言は「明敏な[英語のshrewdには「抜け目がない」の意も含まれる]者」という表現を用いていますが,ここでは復しゅうをたくらむような悪賢い人を意味していません。むしろ明敏さの良さが強調されているのです。箴言ではこの言葉は,知識や知恵と結び付いており,また感情に従って反応しないで物事をよく考え抜く慎重な人と結び付けられています。(箴 13:16; 14:8; 22:3)明敏な者は,自分の名誉を傷つけるように思える不当な批判をあびせられたり,卑劣な侮辱を加えられる時によく舌を抑えます。平静を失って,ほかの人やその場の状況に振り回されるようなことはありません。明敏な者のそういう思慮深さは確かにその人の身のためになります。感情を害されるとすぐに反撃に出る人にはけんかが絶えませんが,明敏な者はそうしたけんかを避けることができるからです。