ブンタン(文旦)はミカンの一種で,大きくて甘い実です。実は枝から10メートル以上落下しても平気です。この衝撃吸収力の秘密はどこにあるのでしょうか。
考えてみてください ブンタンの皮の内側にはスポンジのような白い部分があり,網目状の構造になっています。網目の隙間は実の中心に近づくほど広くなり,空気か液体でいっぱいになっています。実が落ちて地面にぶつかると,隙間の中の液体がクッションのような働きをします。ブンタンの皮は押しつぶされて堅くなり,衝撃を吸収します。
科学者たちはブンタンの皮の構造を応用して,衝撃に強い発泡金属という素材を開発しています。バイクのヘルメットや,自動車の衝撃吸収材,宇宙ステーションを隕石から保護するシールドの開発にも役立つのではないかと考えています。
どう思われますか 衝撃を吸収するブンタンの皮は進化によるものでしょうか。それとも,だれかが設計したのでしょうか。