アクジブ
(Achzib)[欺きの場所]
二つの都市の名称。
1. 約束の地の南部にある,ユダの領地内の都市。(ヨシュ 15:44)ユダの息子シェラの生地である「ケジブ」(創 38:5,欽定)と同じ場所とみなされています。ヨシュア 15章33節は,その都市がシェフェラの丘陵地にあることを示しています。その場所は暫定的に,アドラムの西南西5㌔の所にあるテル・エル・ベーダ(ホルバト・ラヴニン)と同定されています。ラキシュ,モレシェト・ガト,およびマレシャ(ミカ 1:13-15で,アクジブと共に言及されている)もみなその地域にあります。歴代第一 4章22節のコゼバはアクジブと同一である,と一般に考えられています。
2. アシェルの部族の領地にあるフェニキアの沿岸の都市。(ヨシュ 19:29)しかし,アシェルはこの都市も,また南方のより重要な都市アコ(アクレ)も,征服できませんでした。恐らく,フェニキアの艦隊による阻止行動のためだったのでしょう。(裁 1:31,32)ヒゼキヤ王の時代に,アッシリアのセナケリブはその都市を壊滅させ,自分の編年誌の中でアクジビという名称でその都市に言及しています。そこはギリシャ・ローマ時代にはエクディッパと呼ばれました。その場所は,アコの北約14㌔,ワディ・カルン(ナハル・ケジヴ)の入口の所にあるエ・ジーブ(テル・アクジヴ)と同定されています。