「完全なる正確さ」
エイ・ランドル・ショートは,「現代発見と聖書」という本の中で,使徒行伝について次のように書いています,「ローマの習慣によると,遠方の国々は安全と考えられている限りは,その地方の人によつて支配させる方針であつた。その結果,それぞれの場所の権威者たちは,いろいろのちがつた名前を持つていた。観察眼のするどい旅行家か,または記録を丹念に調べる人でないかぎり,それらの支配者たち全部に正確な名称をつけることはできない。ルカの歴史的な感覚さはすばらしいものである。彼はいつの時でも完全な正確さを示しているのである。ある場合には,貨幣とか,彫りつけられた文字などによつて,我々はルカの記録を調査することが必要であつた,著名なローマの歴史家たちは,そのような難しいところに敢えて足を踏み入れようとしない」