あなたの健康状態はいかがですか
医療とは,疾病を取り除こうとすることです。それはしばしば成功しますが,健全な生活の仕方をしていたなら,最初から病気を予防できたかもしれません。
WHO(世界保健機関)の長官,ハーフダン・マーラー博士は,わたしたちが「食事に知恵を働かせ,飲酒に節度を保ち,全く喫煙せず,車を注意深く運転し,運動を十分に行ない,都市生活に伴うストレスに順応することに努め,そうするよう互いに助け合う」という,自分の健康上の責任を負わなければならない,と語りました。
賢明な助言や健全な忠告を載せている聖書は,この点で大いにわたしたちの助けになります。聖書の教える原則に従えば,より平穏な生活を送れるようになりますから,ストレスの多いこの世界でも,より優れた健康を自分のものにすることができます。聖書の教えは,霊的な意味だけでなく,身体的な意味においても「健全な言葉」です。その良い言葉は「これを見いだす者たちにとっての命であり,その全身に健康を保たせるもの」です。―テモテ第二 1:13。箴言 4:22。
しかし,それ以上に,聖書の教える原則は,重大で命にかかわるような問題をも減らすことができます。どうしてそのようなことができるのでしょうか。以下に幾つかの例を挙げましょう。
米国政府は喫煙を「米国における病気と早死にの原因としては最大かつ単一の予防可能な事柄」と呼んでいます。ガンで死亡する人の数は,喫煙者の間では非喫煙者より6倍も多いのです。聖書は,「肉と霊のあらゆる汚れから自分を清め……ようではありませんか」と述べています。(コリント第二 7:1)エホバの証人はずっと前からこの聖句を喫煙にも適用してきました。ですから,エホバの証人は自分たちのために,世界で最も恐ろしい病気の一つに関してその主要な原因を大いに減らしてきたことになります。
アルコール飲料の乱用と酔酒は,肝硬変だけでなく,けんかや口論や暴力,および致命的な交通事故という現代的な災厄も引き起こします。この点でも聖書は助けになるでしょうか。
聖書は,アルコール飲料の節度ある使用を勧め,「大酒飲み,ののしる者……はいずれも神の王国を受け継がないのです。とはいえ,あなた方の中にはそのような人たちもいました」と述べています。また,「ぶどう酒はあざける者であり,酔わせる酒は騒がしい。それによって迷い出る者はみな知恵がない」とも述べています。(コリント第一 6:9-11。箴言 20:1)聖書に基づくそのような健全な助言は道理にかなっているのではないでしょうか。
麻薬の誤用は,今日の若者たちの間で深刻な健康上の問題となっています。「健康危機2000年」という本は,「麻薬の売買の取り締まりには膨大な資金が費やされているが,誘惑にさらされている若者たちを守って最初から中毒にならないようにする対策にはほんのわずかの資金しか投入されていない」と述べています。エホバの証人は,たばこに適用されるのと同じ聖書に基づく原則を幻覚性の薬剤にも適用します。(コリント第二 7:1)親はこの点で模範を示し,自分の子供たちを教えますから,最初から中毒にならないようにするのに大変効果があります。
性行為感染症である淋疾やエイズなどは,多数の相手と性関係を持つ人々にとってますます脅威となっています。これについて聖書は何と述べているでしょうか。聖書ははっきりと性の不道徳を非としています。そして,一人の人と結婚してその人を生涯の伴侶とし,その配偶者に対して道徳的に忠実であるようにと教えています。「結婚はすべての人の間で誉れあるものとされるべきです。また結婚の床は汚れのないものとすべきです。神は淫行の者や姦淫を行なう者を裁かれるからです」とあります。(ヘブライ 13:4)さらに,「さて,肉の業は明らかです。それは,淫行,汚れ,みだらな行ない,……そのような事柄を習わしにする者が神の王国を受け継ぐことはありません」とも述べられています。―ガラテア 5:19-21。マタイ 5:32。
このような聖書の教える健全な諸原則に従うなら,問題に満ちた今の世界においてさえ,より優れた健康を自分のものにすることができます。とはいえ,恒久的ないやしを受けられるわけではありません。恒久的ないやしについては,次の記事で扱われます。
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「我々は,最初から病気の原因そのものを避けて予防する代わりに,科学や医師や病院が治療法を見つけてくれると信じて,自分の体を傷つけてきた」―「健康危機2000年」