若い人は尋ねる…
いくつになったらデートができるのだろう
「学校では,だれでもいいからだれかとデートしていないと,自分が半人前のように思えてくるの」。―ブリタニー。
「デートへの誘惑は,ものすごく強いです。それに,ハンサムな男の子も,ものすごくたくさんいるし」。―ホイットニー。
■ 学校の休み時間に,男の子と女の子が手をつないで廊下を歩いています。それを見てどう感じますか。
□ 気にならない
□ ちょっとうらやましい
□ すごくねたましい
■ 友だちと一緒に映画を見にいったら,自分以外はみんな男女のペアになっていました。どう感じますか。
□ 気にならない
□ ちょっとうらやましい
□ すごくねたましい
■ 最近あなたの親友が特定の異性に関心を示し,デートをするようになりました。どう感じますか。
□ 気にならない
□ ちょっとうらやましい
□ すごくねたましい
上の質問を読んで,“ちょっとうらやましい”,“すごくねたましい”の部分にしるしを付けましたか。そう感じるのは,あなただけではありません。デートが普通に行なわれている国では,多くの若い人たちがあなたと同じように考えます。「みんなにはボーイフレンドがいて,いないのは自分だけだと,取り残されたように感じることがあります」と,14歳のイベットは言っています。
自分にとって大切な人,そして自分のことを大切に考えてくれる人と一緒にいたいという思いは,どうしようもなく強まることがあります。ある十代の男の子は,「ガールフレンドが欲しいです。この気持ちは一日ごとに強くなってゆきます。とても抑えきれません」と言いました。中には,早いうちから実際にデートを始める子もいます。例えば,タイム誌が行なった調査によると,13歳ですでに「デートをしている」子は全体の25%でした。あなたは,そのような年齢の子でもデートしてよい,と思いますか。あなた自身はもうデートをしてもよいと思っていますか。その質問に答えるには,まず,もっと基本的な質問に注意を向けなければなりません。
“デート”とは何か
■ 特定の異性といつも一緒に出歩く。
この場合,デートをしていると言えますか。□ はい □ いいえ
■ 特定の異性の友だちと,一日に何度もメールをやりとりしたり,電話で話したりしている。
この場合,デートをしていると言えますか。□ はい □ いいえ
■ 異性の友だちがいて,ひそかに付き合っている。そのことを親は知らない。だめだと言われるのが分かっているので,親には話していない。
この場合,デートをしていると言えますか。□ はい □ いいえ
■ 友だちと集まるとき,必ず同じ異性と一緒にいる。
この場合,デートをしていると言えますか。□ はい □ いいえ
一番目の点については問題なく答えられても,二番目以降は答えるのに時間がかかったかもしれません。正確に言うと,デートとは何でしょうか。この記事ではデートを,あなたが特定の一個人だけに異性としての関心を抱き,相手もあなただけに同じような関心を抱いている状況で行なう社交的な活動すべて,と定義します。ほかにも人がいるか二人だけか,電話を使うか直に会うか,オープンにするか内緒にするか,といったことには関係なく,もしあなたと異性の友だちが,互いを異性として特別に意識しているなら,それはデートなのです。
では,自分はもうデートをしてもよいと思いますか。正しい答えを出せるようにするため,三つの質問について考えましょう。
何のために?
二人の男女が互いによく知り合う方法としてデートを認める文化圏は少なくありません。しかし,デートには高潔な目的がなければなりません。その目的とは,若い男女が相手を配偶者としてふさわしいかどうか見極める機会にするということです。なぜそう言えるのでしょうか。
聖書では性的な欲求と異性への恋愛感情が強くなる時期のことを「若さの盛り」と呼んでいます。(コリント第一 7:36)まだ「若さの盛り」にあるのに,特定の一人の異性との親密な交際を続けるなら,欲望の炎が煽られ,ガラテア 6章7節の,「人は自分のまいているもの,それをまた刈り取ることになる」という含蓄に富んだ言葉の意味を思い知らされることになります。
もちろん,同年代の友だちの中には,結婚する意志が全くないのにデートする人もいるでしょう。そのような人たちは異性の友だちを単なる勲章かアクセサリーのようにみなしているのかもしれません。ただ自尊心を高めるために,みんなに見てもらいたいのです。そのようにして異性の愛情をもてあそぶのは残酷なことであり,当然ながらそういう関係はたいてい長続きしません。ヘザーという女の子はこう述べています。「デートを始めて一,二週間後に別れてしまう若者は大勢います。二人の関係を一時的なものと見るようになります。ある意味で,結婚ではなく離婚の準備をしているようなものです」。
ただ楽しい時間を過ごすため,あるいはボーイフレンドやガールフレンドがいると言えるようにするため,遊びとして気軽にデートするなら,心痛を味わう結果になるのは目に見えています。例えば,エリックは18歳の時,ある女の子と親しくしていました。普通の友だちづきあいだと単純に考えていましたが,やがて,相手がそれ以上のことを望んでいることに気づきました。エリックは言います。「いやぁ,本当に驚きました。あんなにすぐに本気になるなんて。ただの友だちだと思っていたのに」。
もちろん,正しく監督されている集まりで異性と共にいるのは間違ったことではありません。しかし,デートに関しては,若さの盛りを過ぎ,結婚について真剣に考えられる時まで待つのが最善です。チェルシーという若者はまさにその点を認識するようになりました。こう述べています。「デートはただの楽しみのためだ,と言いたい自分がいます。でも,一方が真剣になり,もう一方がそうでないときは,楽しいどころの話ではありません」。
年齢はどうか
■ あなたは何歳になったらデートをしてもよいと思いますか。__
■ 次に,ご両親あるいはその一方にこの質問をして,その答えを書いてください。__
一般的な傾向として,若い人のほうが親よりも若い年齢を書きます。しかし,そうではない場合もあるでしょう。あなたは,自分をよく知ることができる年齢になるまでデートはしないという賢明な多くの若者の一人かもしれません。ソンドラという若いクリスチャンも,法律的には結婚できる年齢に達していたにもかかわらず,デートを先に延ばすことにしました。こう考えたのです。「デートをしていると,相手に自分のことを知ってほしいと思うようになります。でも,自分のことを知らなければ,どうして相手に自分のことを理解してもらえるでしょうか」。
ダニエルという17歳の少女も同じです。こう述べています。「2年前の自分が結婚相手に期待していたものは,今の自分が期待しているものとずいぶん違います。今でも,結婚相手を上手に選べるとは思っていません。自分という人間が安定してきたように思え,それが二,三年続くようになったときには,デートについて考えます」。
結婚できるレベルに達しているか
デートは結婚への足がかりですから,自分が夫や妻として,さらには父親や母親として責任を果たせるかどうか自問するのは良いことです。自分がそのレベルに達しているかどうか,どうすれば分かるでしょうか。次のことを考えてみてください。
■ 人間関係 あなたは家族の一人一人にどう接しているでしょうか。時々自制心を失い,自分の意見を押し通そうとして厳しい言葉や皮肉を口にすることがありますか。家族の皆さんはこの点に関するあなたの行動をどう評価していますか。家族との接し方は,将来あなたが配偶者とどう接するかを示すバロメーターです。―エフェソス 4:31,32。
■ 金銭に関係した事柄 金銭をどれほどきちんと扱えますか。いつも借金を抱えていますか。仕事は長続きしますか。そうでないとしたら,なぜですか。原因は仕事ですか,雇い主ですか。それとも,自分の側に何か望ましくない特質があるからですか。自分の金銭に関連した事柄を責任をもって扱えないなら,どうして家族の金銭の問題を正しく扱えるでしょうか。―テモテ第一 5:8。
■ 霊性 あなたがエホバの証人であるなら,どんな霊的特質を備えていますか。自分から進んで神の言葉を読み,宣教に携わり,クリスチャンの集会に参加しますか。自分自身の霊性を保っていないなら,どうして配偶者に霊性を保つよう勧めることができるでしょうか。―コリント第二 13:5。
ここに挙げたのは,デートと結婚を考えている人が考慮すべき事柄のほんの一部にすぎません。当面は,人々が集まっている適切な状況のもとで,異性と接することができます。たとえ後でデートをすることにしたとしても,自分がどんな人間で,生涯のパートナーにはどんな特質が備わっていないといけないかを,もっとよく理解できるようになっているでしょう。
「幸せな家庭を築く秘訣」
エホバの証人の発行したこの本の13-26ページには,さらに詳しい情報があります。
「若い人は尋ねる…」のシリーズの記事をウェブサイトでも見ることができます。www.watchtower.org/ypj
考えてみてください
■ どんな状況であれば,異性と一緒にいてもよいと言えるでしょうか。
■ 実際に結婚できるようになるためには,特にどんな特質を培うよう努力すべきでしょうか。
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同年代の人の意見
「デートをしている人たちだけでなく,結婚している人たちもうらやましくなることがあります。でも,デートは単なる遊びではありません。遊びと考えている人は,相手の心をもて遊んでいることになります。デートは,ある人が本当に自分の結婚相手としてふさわしいかどうかを判断するためのものだと思います」。―ブレイン,17歳。
「本当に好きな人ができた時のために,“リハーサル”として男の子たちとデートするというのは,おかしいと思います。心が傷つくだけです」。―チェルシー,17歳。
「デートは,結婚できる年齢になってからすべきものだと思います。その年齢に達していないのにデートすることは,まだ学校に通っていて,就職する気持ちが全くないのに,全時間の仕事に就くための面接を受けるようなものです」。―ソンドラ,21歳。
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親の皆さんへ
あなたのお子さんも,遅かれ早かれ必ずデートの問題に直面します。フィリップはこう言います。「こちらからは何もしなくたって,女の子のほうから誘いをかけてきます。ぼくは『どうしよう』って考えてしまいます。すごく可愛い子もいるので,断わりにくいですね」。
親としてできる最善のことは,デートについてお子さんと話すことです。話し合いの資料として,この記事を活用してはいかがでしょうか。お子さんが学校で,さらにはクリスチャン会衆でも直面するそのような問題についてどう感じているかを知るようにしてください。そうした話し合いは普段の何気ない機会に,例えば「家で座るときも,道を歩くときも」行なうことができます。(申命記 6:6,7)どんなときでも,「聞くことに速く,語ることに遅く」あるべきことを忘れてはなりません。―ヤコブ 1:19。
お子さんが異性のだれかに関心を持っていることが分かっても,慌ててはなりません。ある十代の少女はこう述べています。「わたしにボーイフレンドがいることが分かって,父はかなり動転しました。結婚の準備はできているのかどうなのかと,次々に質問を浴びせかけ,わたしを不安にさせようとしました。でもね,子どもはそんなことをされると,別れたりするものか,親が間違っていることを証明してやるって思うようになるんです」。
十代のお子さんが,親とはデートの話なんかできないと思っていると,残念なことになりかねません。親に隠れて付き合い,こっそりとデートするようになるのです。ある少女はこう述べています。「両親がオーバーに反応すると,子どもはますます隠そうと思ってしまいます。交際はやめません。以前よりこそこそと付き合うようになるだけです」。
率直に話し合うなら,ずっと良い結果になるでしょう。ある二十歳の女性はこう言っています。「両親はデートについて,いつも非常に率直な態度を示してくれました。両親にとって大切なのは,わたしがどんな人に関心を抱いているかを知ることです。それはすばらしいと思います。父はその人と会って話しをします。何か気がかりな点があると,親はそれを教えてくれます。それでたいてい,デートまでいかないうちに,熱が冷めてしまうんです」。
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人々が集まっている適切な状況であれば,異性と一緒にいることは健全で有益な時となり得る