家族のために | 子育て
十代の子どものために決まりを作る
現実の問題
子どもは厳しすぎると言いますが,あなたはそうは思いません。『決まりを緩めたら,子どもは問題を起こすに違いない』と考えます。
十代の子どものために妥当な決まりを作ることは,間違っていません。とはいえ,そもそも子どもが決まりに反発するのはなぜかを理解しておく必要があります。
なぜそうなるのか
俗説: 十代の子どもは必ず決まりに反発する。思春期の避けては通れない問題である。
事実: 親が妥当な決まりを作り,子どもと話し合うなら,子どもはそれほど反発しない。
子どもの反発には幾つかの要因があるかもしれませんが,親が融通の利かない決まりや年齢に合わない決まりを作るなら,反発を招きやすくなります。以下の点を考えてみてください。
融通が利かない。親が一方的に決まりを作り,子どもの意見を聞かないなら,その決まりは子どもを守るシートベルトというより,子どもを束縛する拘束衣のようになってしまいます。結果として,子どもは親に禁止された事柄を隠れて行なうかもしれません。
年齢に合っていない。幼い子どもには「とにかくそうしなさい」と言うだけで十分かもしれませんが,十代の子どもはなぜそうすべきなのかを理解する必要があります。将来自立したら,子どもは自分で重大な決定をしなければならなくなります。ですから,親の監督下にいる間に,物事を論理的に考えて良い決定ができるように助けるほうが,はるかに望ましいでしょう。
しかし,子どもが決まりにいつもいら立っているようであれば,どうしたらよいでしょうか。
どうすればよいか
まず,十代の子どもは制限を必要としている ― 心の中では望んでさえいる ― ということを思いに留めましょう。決まりを作り,子どもにそれを理解させてください。「愛と信頼のうちに子どもを自立させる」(英語)という本は,こう述べています。「思春期の子どもは,明確な制限を設けられ,妥当な範囲で親に監督されると,問題行動が少なくなる」。一方,親が無頓着で,子どもに自由を与えすぎるなら,どうでもいいと思っているような印象を与えます。そうすると,子どもは反抗しやすくなります。―聖書の原則: 箴言 29:15。
では,どうすればうまくバランスを取れるでしょうか。家庭内の決まりについて,子どもの意見を聞きましょう。例えば,子どもが門限を遅くしてほしいと言うなら,言い分に耳を傾けます。子どもは,よく話を聞いてもらったと感じるなら,たとえ自分の思うようにならなくても,親の決定を尊重して従いやすくなります。―聖書の原則: ヤコブ 1:19。
しかし,決定を下す前に,次の点を思い起こしてください。十代の子どもは必要以上に自由を求める傾向がありますが,親も必要以上に自由を制限してしまうことがあります。ですから,子どもの願いについて真剣に考えましょう。子どもは責任感があることを示してきたでしょうか。状況からして,子どもの言い分を受け入れる余地はありますか。適切な場合には進んで譲歩しましょう。―聖書の原則: 創世記 19:17-22。
子どもの考えや気持ちを聞くだけでなく,自分が何を心配しているのかを子どもに伝えるようにしましょう。そうすれば子どもに,自分の望みだけでなく他の人の気持ちも考慮に入れることを教えられます。―聖書の原則: コリント第一 10:24。
最終的に,決定を行ない,そう決めた理由を説明します。子どもは幾らか不服かもしれませんが,親が話を聞いてくれたことをうれしく思うでしょう。思春期の子どもは,大人への階段を上っています。妥当な決まりを作り,子どもとよく話し合うことにより,子どもが責任感のある大人へと成長するのを助けることができます。―聖書の原則: 箴言 22:6。