種々の教育プログラム
エホバの証人は世界じゅうで聖書教育の仕事を進めていることで広く知られています。
エホバの証人が聖書教育の活動に力を注いでいるために,証人たちは一般の教育にはあまり関心を持っていないのではないか,と思う方がいるかもしれません。しかし決してそうではありません。人を教えるためには,教える人がまず学ばなければならず,そのためにはそれなりの訓練と知識が必要です。そのため,エホバの証人は,一般の学校教育を十分に活用するとともに,ものみの塔協会の運営する種々の教育プログラムや学校からも多年にわたって益を受けてきました。それらは,知的・道徳的・霊的な面で向上できるよう証人や他の人たちを助けてきました。
例えば,多くの国でエホバの証人は特別の課題に直面してきました。正規の学校教育を受ける機会がほとんどあるいは全くなかったために読み書きができない人たちにどのように教えたらよいか,という点です。この必要にこたえるため,ものみの塔協会は読み書き教育プログラムを進めてきました。
一例としてナイジェリアでは,エホバの証人による読み書き学級が1949年以来運営されてきました。これにより,幾万人ものナイジェリアの人々が読み方を学んできました。ある調査によると,ナイジェリアでは,エホバの証人の識字率は90%を超えていましたが,それ以外の人たちの識字率は50%にも達しませんでした。メキシコでも,1946年以来,読み書き学級が開かれています。ある年には,6,500人余りの人が読み書きを学びました。実際,10万人を優に超える人々がこの助けを通して読み書きができるようになっています。読み書き学級は,長年にわたり,ボリビア,カメルーン,ネパール,ザンビアなど,他の多くの国でも開かれてきました。エホバの証人は,「読み書きに励む」という冊子を100以上の言語で700万部以上発行してきました。
このような読み書き教育プログラムは,それが行なわれている国の教育当局者からも高く評価される場合が少なくありません。例えば,メキシコの政府関係者は手紙でこのように書いています。「皆さまのご協力に感謝いたします。文字を読めない人々に知識の光をもたらす面で,多くの人の益となる皆さまの高潔かつ意欲的な働きに対し,衷心からの祝意を,州政府を代表してお伝えいたします。……皆さまの教育活動の成功をお祈りいたします」。
その他の訓練
エホバの証人は聖書教育の活動に非常な重きを置くゆえに,聖書の教えを他の人々に説明する能力を向上させることに努めています。例えば,世界の11万9,000を超えるすべての会衆において,生徒たちは人々の前で朗読したり話したりする技術を磨いています。ごく幼い児童でも,文字が読めるようになれば,入校してこの訓練を受けることができ,これは,一般の学校での学習その他の分野においても児童の益になります。教育関係者の中には,証人である生徒たちが概して自分の考えを上手に言い表わす,と述べる人が少なくありません。
加えて,エホバの証人の各会衆は,その王国会館または集会の場所に,聖書研究の手引きや辞書その他の参考書を備えた図書棚を設けるようにしています。この図書棚は王国会館での集会に来る人がだれでも利用できるようになっています。本を読むことは証人たちの会衆内で大いに勧められており,それぞれの家庭においても家族のための図書棚を設けて,子供や大人の必要にかなった広い範囲の出版物を備えるように励まされています。
特別な訓練
ものみの塔協会はほかにも,男女の宣教者を訓練するための学校,また地方ごとの会衆での宣教上の責任を担う男子を訓練する学校も運営しています。これら各種の学校は,エホバの証人が教育を大いに重視していることをさらに示すものです。