神のことばは生きている
パラダイスの約束
イエスはご自分の隣の死にかけている男に,「あなたはわたしとともにパラダイスにいるでしょう」と言っておられます。イエスの両わきにいるこの男たちはどちらも犯罪人です。一人の男のほうは,「あなたはキリストではないのか。自分とわたしたちを救え」とイエスをののしったばかりのところです。
しかし,もう一人の犯罪人のほうはイエスを信じています。その男はこのさし絵にあるようにイエスの方に顔を向け,「あなたがご自分の王国にはいられる時,わたしのことを思い出してください」と言います。それに対してイエスは,「きょうあなたに真実に言いますが,あなたはわたしとともにパラダイスにいるでしょう」と言われます。―ルカ 23:39-43。
しかしイエスはどういう意味で,「あなたはわたしとともにパラダイスにいるでしょう」と言われたのでしょうか。パラダイスはどこにあるのですか。いつ来るのですか。この犯罪人はそこでイエスと一緒に住むのですか。また,イエスはなぜ犯罪人がパラダイスに住むことをお許しになるのですか。
神が最初にお造りになったパラダイスはどこにありましたか。それは地上にあったではありませんか。エホバ神は最初の人間夫婦,アダムとエバを,エデンの園とよばれる美しいパラダイスに置かれました。ですからこの犯罪人が「パラダイス」にいるということについて読む時,わたしたちはこの地球が美しい住まいに変えられることを心に思い描くはずです。「パラダイス」という言葉には「園」あるいは「公園」という意味があるからです。―創世 2:8,9。
ではイエス・キリストはこの地上で,以前のその犯罪人とともにパラダイスに住まうのでしょうか。そうではありません。キリストは天で王として地上のパラダイスを支配されます。ですから,その人を死人の中からよみがえらせ,身体的,霊的必要を満たすという意味でその人と共にいるということです。それにしてもイエスはなぜ犯罪人だった人がパラダイスに住むことをお許しになるのでしょうか。
確かにこの犯罪人は,イエスが復活させる他の大勢の人々と同様に悪事を働きました。(使徒 24:15)しかし,神のご意志を知らなかったので悪事を働いたのです。ですから,パラダイスでは神のご意志がなんであるかを教えられ,そのご意志を行なうことによって神を本当に愛していることを証明する機会が与えられるのです。あらゆる必要が満たされ,人々が互いに愛し合うパラダイスで生活するのはすばらしいではありませんか。
その時が来るまであまり長く待たなくてもよいというのは良い知らせです。イエスはこの邪悪な事物の体制の終わりを示すしるしを教えてくださいました。そのしるしが完全に成就する時に,神はこの地球からすべての悪をぬぐい去られます。続く記事の中で取り上げられる証拠は,そのしるしが成就しつつあり,この事物の体制の終わりが非常に近いことを証明しています。