特集記事 | 将来を見通すことはできますか
的中しないことのほうが多い
自分の将来を知りたいと思いますか。大抵だれでも,ぜひ知りたいと思うものです。先の事を予測する人も少なくありませんが,その結果はそれぞれ異なります。以下の事実について考えてみてください。
科学者は,最新式の機器や多額の資金を使って,地球がこのまま汚染されてゆくとどうなるか,また明日雨が降るかどうかなど,様々な事柄を予告します。
分析専門家は,政治や経済の動向を予言します。世界の大富豪の一人,ウォーレン・バフェットは,企業投資の神様という異名を与えられています。もう一人の分析家,ネイト・シルバーは,米国の政治やハリウッド映画の賞など,あらゆる事柄を様々な統計に基づいて予言してきました。
古い文献の中には,予言とされてきたものもあります。例えば,16世紀のミシェル・ド・ノートルダム(ノストラダムス)の書いたあいまいな文に,現代における成就を見る人たちもいます。また,マヤ族の暦の1つの周期が2012年12月21日に終わることから,一部の人たちはそれを,大変災の起きるしるしと解釈しました。
宗教指導者は,人々に警告して信者を集めるために,世界的な惨事を予告することがあります。終末論を唱える預言者ハロルド・キャンピングとその弟子たちは,地球が2011年に滅亡する,と広く宣伝しました。しかし,世界は今でも存在しています。
霊能者は,自分には将来を予言する特別の能力がある,と主張します。エドガー・ケーシーとジーン・ディクソンは,二人とも20世紀の出来事について幾らかのことを正確に予言しました。しかし,予言した事柄のうち的中しなかったものも数多くあります。例えば,ディクソンは,第三次世界大戦が1958年に勃発することを予告し,ケーシーは,ニューヨーク市が1970年代半ばに海中に沈むことを予言しました。
実際のところ,将来を予見する確かな方法はあるのでしょうか。これは,重要な質問です。今後生じる事柄をあらかじめ知ることができれば,人生が大きく変わることもあり得るからです。