彼らを助けることができますか
1 これからの月々,真理を他の人に分かつことをやめてしまった人々を助けるために一層の努力が払われることを,先月号の「わたしたちの王国宣教」から学べたのは喜びでした。それらの人々の多くは集会にも出席していません。エホバがわたしたち各自にそれ程の愛ある関心を示してくださり,長老たちが必要な助けを差し伸べる面で率先するように導きを与えてくださることにどんなにか感謝できるでしょう。何年にもわたって不活発になっていても,エホバへの愛がいくらかでもあれば,その人が会衆との活発な交わりに戻る道は開かれているのです。エホバはしんぼうしておられ,一人も滅ぼされることを望んでおられません。―ペテロ第二 3:9。
2 すでに説明されたとおり,書記と奉仕監督は区域内の不活発な人々が訪問されたかを率先して知るように努めるでしょう。あなたは,不活発な人を援助するよう奉仕監督に依頼された伝道者の一人かもしれません。
これまでの有益な結果
3 何年も離れていて,以前のこの世の習慣のあるものに再び押し流されていたとしても,戻るように助ける愛ある努力に幾人かの人は答え応じることを経験は示しています。訪問する伝道者の側の積極的な態度と辛抱強さが,エホバの援助とあいまって,不活発な人がまだ真理への愛を持っているなら,成功をもたらすでしょう。不親切にされれば,答え応じる可能性は少なくなります。
4 例えば,何年もの間離れていた一人の姉妹は,エホバと会衆はもはや自分のことを気にかけていないと思っていました。ある姉妹がこの『失われた羊』を訪問し,「ものみの塔」から数節を選んで読んであげました。エホバが依然として気にかけておられることを学んで,その不活発な姉妹は涙を流しました。彼女は家族の様々な問題と落胆が原因で交わりをやめてしまい,長く交わらなかったので排斥されたのではないかと間違って考えていました。この『失われた羊』はエホバのあわれみと,エホバがまだ関心を示してくださっていることを感謝するようになりました。彼女は間もなく,再び会衆と共に活発な奉仕をするようになりました。
5 別の例では,以前の努力が実を結びませんでしたが,ある長老は不活発になっている一兄弟が戻るのを援助すべくもう一度試みてみようと決めました。その兄弟の農場に着くまで,何時間も徒歩でいばらのやぶや茂った下草を通って行きました。打ち傷やかすり傷を負い,またほこりだらけで到着しました。長老は不活発な兄弟に,その兄弟がどうしているかを知りたくてはるばるやって来たこと,また会衆が気遣っていることを伝えました。このことに心を非常に動かされたその兄弟は,間もなく再び活発になりました。以前反対していた人がその不活発だった兄弟のそばで働いていて会話に耳を傾けていましたが,聞いたことが信じられませんでした。さまよい出た人を助けようとのこの長老の努力に強い感銘を受けたその人は,妻と共に研究を始め,やがて活発な伝道者になりました。
6 一組の若い夫婦は12年間も真理から離れていました。彼らが戻る希望はほとんどないかのように思えました。一人の長老がもう一度最後の試みをしようと決めました。彼らは霊性を失っていて,最初は兄弟に対して冷たい反応を示しました。長老は友好的に明るく接し続けて,どのようにして真理に入ったのかを尋ねました。このことが転換点となりました。彼らの態度は温かいものとなり,二人とも急速な進歩を示して再び活発になりました。長老は積極的な態度を持っていましたし,長い間離れていたから希望がないとは結論しなかったのです。
積極的な見方を保ちなさい
7 これら二,三の経験からしても,交わりをやめてしまった人々が援助されて,戻ってくる可能性は少なくないことが分かります。不活発になった人々の多くは真理に対して反対しているのではなく,個人的な問題や失望によって交わるのをやめてしまったのです。別の人々は,思い煩いや物質主義によって「いばら」がみことばをふさぐにまかせたのかもしれません。(マタイ 13:22)それらの人々は遠くにさまよい出てしまい,長い間離れているかもしれませんが,マタイ 18章12-14節にあるイエスのたとえ話は,わたしたちがそれらの人々に戻るための戸口を常に開いておくよう励ましているのです。大勢の不活発だった人々が助けられました。長老の指示の下にこの業に参加している方々の努力をエホバは祝福しておられます。
8 これからの月々,書記と奉仕監督は,区域内のどの不活発な人が援助に応じる見込みがあるかを見定めます。もしあなたが不活発な人との研究を依頼されるなら,1冊の本の研究を終えるまで,時間,再訪問,研究を報告できます。その時までに,その人が再び定期的に集会に出席し,野外奉仕に参加していることが望まれています。エホバがこの特別な活動を豊かに祝福してくださり,さまよい出ている大勢の人々が遅すぎないうちに答え応じるよう心からお祈りいたします。