働くことを教える。粘り強く頑張れる子に育てるためにできることの一つは,お子さんの年齢に合った仕事を任せることです。就学前の子どもには,洗濯物を畳んだり,おもちゃを片付けたりしてもらえるかもしれません。もう少し大きくなったら,買ってきたものをしまうこと,食器を並べたり片付けたりすること,ゴミ出し,こぼれたものを拭くことなどをお願いできるでしょう。中学生ぐらいになったら,掃除,メンテナンス,修理といった,もう少し複雑な仕事も任せられるかもしれません。お子さんはいつでもお手伝いをしたがるわけではないかもしれませんが,何か家の仕事を任せることはお子さんのためになります。そのように育てられた子どもは将来,大変でも必要な仕事をしっかりこなせる大人になれることでしょう。
聖書の言葉 「あらゆる勤勉な働きには価値がある」。(格言 14:23)
「ただ子どもに何かやらせるために意味のない仕事を与えるのは良くありません。時間の無駄ですし,子どもだってそんな仕事はやりたくありません。やりがいのある仕事を任せましょう。もしお子さんがまだ小さいなら,手が届く高さの家具のほこり取りをやってもらえます。車を洗う時には,大人ではやりづらい低い部分を子どもに洗ってもらえます。手伝ってもらったら,子どもの働きをその場で褒めてあげてください」。クリス
子どもが難しいことに挑戦するとき,サポートする。子どもは時に,どうやったらいいか分からないという理由で簡単に諦めてしまうことがあります。それで,お子さんが何か新しいことに挑戦するとき,次のようにできるかもしれません。まず,子どもの前で親がやってみせます。次に,一緒にやってみます。それから,親が見ている所で子どもにやらせてみます。うまくできるようにアドバイスしてあげましょう。最後に,子どもに一人でやらせてみます。
聖書の言葉 「私はあなたたちのために模範を示しました。あなたたちも同じようにするためです」。(ヨハネ 13:15)
「私の経験からすると,子どもに粘り強く頑張る人になってほしいなら,親が良い手本にならなければいけません。子どもに伸ばしてほしい資質を,まず親自身が身に付けている必要があるのです」。ダグ
誰もが時に壁にぶつかったり,失敗したりするということを教える。壁にぶつかっても諦めないで良い結果になったという親自身のエピソードを話してあげましょう。やったことのないことを難しく感じるのは普通だということや,失敗は学ぶチャンスになるということも伝えてあげられます。また,失敗することがあってもその子の価値は変わらない,ということを話して安心させてあげましょう。筋肉が使うことで強くなるのと同じように,粘り強く頑張る力も,壁を乗り越えることで強くなります。それでお子さんが壁にぶつかるときには,すぐ助けに入るのではなく,一人で奮闘する時間をいくらか持たせましょう。「成功する子どもたち」(英語)という本には,「若い時に人格を磨く一番の方法は,失敗を経験する可能性が高いことに取り組むことだ」と書かれています。
聖書の言葉 「人が若い時に苦労するのは良いことである」。(哀歌 3:27)
「子どもにある程度のところまで一人で頑張らせるのはいいことです。もちろん,いざという時には親が助けてくれるという安心感は必要ですけど。やがて子どもは壁を乗り越えてスキルを身に付け,頑張ることの価値を実感するようになります」。ジョーダン
才能ではなく努力を褒める。例えば,「テストよくできたね! 君は天才だね!」と言うよりも,「テストよくできたね! 一生懸命勉強したもんね!」と言う方がよいでしょう。才能よりも努力を褒めるのが大切なのはどうしてでしょうか。子どもの才能を褒めていると,「子どもは何か難しいことやうまくできないことにぶつかったとき,すぐに自信をなくしてしまう」と,キャロル・ドウェック博士は言っています。さらにこうも言っています。「親が子どものためにできる一番のことは,困難や間違いもポジティブに捉え,努力して解決していくことを好きになり,学び続ける意欲を持つよう教えることです。そうすれば,子どもは褒めてもらえるかにかかわらず頑張れる人になれるでしょう」。
聖書の言葉 「称賛によって人は試される」。(格言 27:21)