世の終わりがいつであるかを知るには,聖書の中で「世」という語がどのように用いられているかを理解する必要があります。「世」と訳されることの多いギリシャ語コスモスはほとんどの場合,人類の世,特に神の目的とは調和しておらず,神から疎外されている部分を表わします。(ヨハネ 15:18,19。ペテロ第二 2:5)またコスモスは,人間社会の枠組みを表わすこともあります。―コリント第一 7:31。ヨハネ第一 2:15,16。
「世の終わり」とは何か
多くの聖書翻訳に出てくる「世の終わり」というフレーズは,「事物の体制の終結」や,「時代の終末」と表現することもできます。(マタイ 24:3,改訂標準訳[英語])ですからこのフレーズは,地球や人類すべての滅びではなく,人間社会の枠組みの終わりを表わしているのです。―ヨハネ第一 2:17。
聖書は,「悪を行なう者たちは断ち滅ぼされる」と述べて,善良な人々が地上での生活を楽しめるようになることを教えています。(詩編 37:9-11)この滅びは「大患難」のときに起こり,ハルマゲドンの戦いで最高潮を迎えます。―マタイ 24:21,22。啓示 16:14,16。
世の終わりはいつか
イエスは,「その日と時刻についてはだれも知りません。天のみ使いたちも子も知らず,ただ父だけが知っておられます」と述べました。(マタイ 24:36,42)さらにイエスは,終わりが来るのは予想のつかないとき,つまり「あなた方の思わぬ時刻」である,とも語りました。―マタイ 24:44。
わたしたちは正確な日時を知ることはできません。しかしイエスは,複合的な「しるし」,つまり世の終わりが迫っている期間を識別できる一連の出来事については教えてくださいました。(マタイ 24:3,7-14)聖書はその期間を,「終わりの時」や「終わりの日」と表わしています。―ダニエル 12:4。テモテ第二 3:1-5。
世の終わりのあとに残るものがありますか
はい。地球は存続します。「それ[地球]は定めのない時に至るまで,まさに永久によろめかされることがありません」と聖書に述べられているからです。(詩編 104:5)そして聖書が,「義なる者たちは地を所有し,そこに永久に住むであろう」と約束しているとおり,地球には大勢の人が住むことになります。(詩編 37:29)神は地上を当初の目的どおりにしてくださいます。