「十二偶の…牛とともにありて耕しいたり」
◆ 聖書の列王紀略上 19章19節の記録を読むと,預言者エリシャは12くびきの雄牛を用いて耕作をしていたと結論し,どうしてそんなことができたのだろうかと疑問に思う人がいるかもしれません。しかし,聖書の土地を旅行した人々から,その地方の耕作方法に関する,いくつかの興味深い事実が報告されています。そうした報告を考慮すると,エリシャが当時,どのように耕作をしていたかを明白に理解できるでしょう。
中東の農民が使っているすきは小型で,土をあまり深く掘り起こさないので,農民は仲間と共同で耕作をする取り決めを設けています。ある旅行者によると,同一の畑の中で,12以上のすきが同時に使用されているのを見たとのことです。そして,それらのすきには,各,耕作者が手を貸し,また,その前を一団の牛が進んでいました。つまり,エリシャは,24頭の牛をくびきにつないで,一つのすきを引かせながら,耕作をしていたのではなく,12のすきのうちの最後のすきを受け持っていたことがわかります。