地球 ― 平らか,それとも丸いか
● 地球は平らではなく丸いということを,人間が初めて感づいたのはいつごろだったのでしょうか。クリストファー・コロンブスの時代ですか。いいえ,それよりも前のことです。アービング・ロビンは次のように書いています。「西へ向かって航海して,東方へ行き着けると信じるには,地球が球体であることをも信じていなければならない。ジェノバに住む船長,クリストファー・コロンブスはそのことを信じていたが,それを信じていたのは彼一人だけではなかった。それを信じていた人は幾世紀も昔から存在していた。というのは,西暦前500年の昔に,ギリシャの学者ピタゴラスが地球は丸いと主張していたからである。1250年に書かれたノルウェーの一教科書には同じことが述べられているだけでなく,地球の四季,一年間の太陽の角度の変化,そして卓越風などがある理由も説明されている。古代の知識すべてが失われてしまったわけではない。それはただ一時期人気がなかったにすぎないのである」― 探検と発見の過程と原因百科
● ピタゴラスは西暦前540年から500年ごろの人です。しかし,それよりもさらにずっと前,西暦前8世紀の人であるヘブライ人の預言者イザヤは,地球が球体であることを示し,こう書き記しました。「地の円の上に住んでおられる方[エホバ神]がおられ,その中に住んでいる者たちはばったのようである」。(イザヤ 40:22,新)ここで「円」と訳出されているヘブライ語は,「球」とも訳せます。(B・デビッドソン著,「ヘブライおよびカルデヤ語聖書聖句索引」)興味深いことに,この節の「円」という言葉に関して,スコフィールド参照聖書は,欄外の注で,「地が球体であることに対する,驚くべき言及」と述べています。モファット訳は,「彼は丸い地の上に座っておられる」と訳出し,カトリック・ドウェー訳はここを,「地の円球の上に座られる方こそその方なり」と訳しています。古代の人々は全般的に地は平らであると考えていたとはいえ,地球の創造者の霊感によって記された言葉が地球は丸いということを正しく示しているのは当然のことです。