43章
イエスはしるしをお与えになる
きょうは,しるしのことについてお話ししようと思います。しるしの判断のしかたを知っておくのは良いことです。それは助けになります。
しるしのなかには,ことばを書いたものがあります。そのようなしるしは,どこで食べものを買えるかを教えてくれます。また,自動車が来そうなどきに通りを渡らないように注意してくれる信号などもそうです。あなたはどんなしるしを見たことがありますか。―
別の種類のしるしもあります。ことばの書かれていないしるしです。そのなかには,お天気が変わることを教えてくれるものがあります。雲が太陽をかくすかもしれません。おそらく風が吹きはじめ,いなずまが光って雷が鳴ります。こうしたことを見たり聞いたりしたら,それは何を意味しますか。それらにはどんな意味がありますか。― そうです,たぶん雨が降るのでしょう。こうしたしるしを判断するのはむずかしくありませんね。―
ある日,イエスの使徒たちはイエスにしるしを求めました。将来のある時まで人びとは自分をふたたび見ることはないとイエスがいうのを聞いて,それがいつかを知りたいと思ったのです。その時が来たなら,どんなしるしがあるのでしょうか。
偉大な教え手は,ご自分に従う人びとにしるしが必要なことを知っておられました。イエスは神といっしょになるため天にもどろうとしていたからです。ふたたび来るとき,イエスは人間ではなく,霊者としてこられるのです。ですが,霊者は目に見えますか。―
それでは,人びとはイエスがふたたび来られたことをどのようにして知りますか。― それでイエスは,使徒たちが見守っていなければならない事がらをお話しになりました。この地上で起こる事がらについてお話しになったのです。
イエスが使徒たちに話しておられたとき,彼らはエルサレムの近くにいました。エルサレムは谷をへだててむこうに見えました。使徒たちにはエルサレムの美しい神殿が見えました。それでイエスはエルサレムと神殿に起こる事について使徒たちに話されました。そしてそのことはほんとうに起きたのです。
しかしイエスは同じ事があとになってもう一度起きると言われました。こんどはそれらの事がらは全世界に起きます。それは何を意味するでしょうか。― イエスがもどってこられたことを意味します。イエスが天から神の王国で支配をはじめられたことを意味します。まもなくイエスは悪い者を滅ぼされ,やがて地上の生活はたいへん良くなるのです。
わたしたちはイエスがお与えになったしるしを見ましたか。― わたしは見ました。そのことについて聞きたいと思いますか。―
しるしの一部としてイエスはこう言われました。『あなたがたは戦争のこと,また戦争の知らせを聞きます。国民は国民に王国は王国に立ち向かうでしょう』。
わたしはこれまでにそれを見てきました。国々全体は相手を滅ぼすために他の国と戦いました。その争いがじっさいに始まったのは1914年でした。現在わたしたちはほとんど毎日,戦争の報告を聞きます。あなたはラジオやテレビでそうした報告を聞いたことがありませんか。―
イエスがお与えになったもう一つのしるしがあります。イエスは『次々と各地に食糧不足があるでしょう』といわれました。
すべての人に食物が十分あるわけではありません。あなたはそのことを知っていますか。― わたしは,十分な食物がないために毎日一万人もの人びとが死んでいると聞きました。また,食りょう不足のために,病気つまりえき病が起こります。イエスは食りょう不足とえき病があるといわれました。
イエスはもう一つのしるしをお与えになって,『次々と各地に地震があるでしょう』といわれました。
地震ってなんだか知っていますか。― 地震が起こると,あなたの立っている地面がゆれます。家が倒れ,しばしば人が死にます。1914年以来,毎年それ以前よりも地震がふえています。こうした事がらはわたしたちが生きてきたこれまでに起きたものです。
イエスによると,もう一つのしるしは『不法がますますふえる』ことです。この事も起きています。ほとんどどこの人びとも家にカギをかけるのはそのためです。人びとは,だれかが押し入ろうとするのではないかと心配しています。そして,通りを夜ひとりで歩くのがあぶない所も少なくありません。今ほど悪い時代はかつて一度もありませんでした。―マタイ伝 23:39–24:22。
ある人はこうした事がらは前にもあったというかもしれません。しかし,そうした事が同じ時に,世界にこれほど広く起きたことは今までにありません。これらすべてには特別な意味があるのです。
こうした事がらはしるしである,とイエスがいわれたことを思い出してください。あなたはそのしるしを理解することができますか。それはどんな意味を持っていますか。―
たいていの人は困った事ばかり見ているので,悲しんでいます。でも,そのしるしにどんな意味があるかを知ったなら,人びとは大喜びするでしょう。なぜですか。―
イエスはいわれました。『これらのことが起こり始めたら,頭を上げなさい。なぜなら,あなたがたの救出が近づいているからです』。それはわたしたちが幸福になるという意味です。なぜなら,まもないうちに神がこの地上のすべての困った事を終わらせてくださるからです。そのとき,生活はほんとうに楽しいものになります。
これは良いたよりだとは思いませんか。― わたしたちがそれをほんとうに信じているなら,この良いたよりを自分だけのものにしておかないでしょう。他の人びともそれについて知る必要があるのです。
(神の王国の建てられる時が来たことを示す箇所は聖書の中にたくさんあります。次にあげるそれらの聖句をいっしょに読んでください。ルカ伝 21:28-36。テモテ後書 3:1-5。ペテロ後書 3:3,4,13。)