王国宣明者の報告
学校で証言する
「自分自身を,是認された者,また真理の言葉を正しく扱う,何ら恥ずべきところのない働き人として神に差し出すため,力を尽くして励みなさい」と,使徒パウロは青年テモテに書き送りました。(テモテ第二 2:15)エホバの証人の子供には,多くの場合,学校で神の王国の良いたよりについて証言を行なう機会があります。子供たちは臆せずに証言するので,他の多くの生徒から感謝されます。
□ その一例として,マルチニク島で次のようなことがありました。学校でエホバの証人として知られていたある少女は,宗教の問題について担任の先生から質問されることがよくありました。それでその先生と何度か話をし,その先生はものみの塔の本を幾冊か受け取りました。
ある日のこと,授業中に,地球の人口過剰のことで討論が始まりました。どうすれば人口過剰を阻止できるかという問題になった時,産児制限や妊娠中絶が提案されました。妊娠中絶には賛成の生徒もおり反対の生徒もいました。先生はその若い姉妹に意見を聞きました。それでその姉妹は,明日まで待っていただければ,ちゃんとした説明を喜んで行ないます,と言いました。そしてその晩よく準備をし,翌日,聖書的な面から妊娠中絶を取り上げた「目ざめよ!」誌を幾冊か学校へ持って行きました。そしてその姉妹は,まずその資料を読み,そのあとクラスの生徒たちにいろいろな質問をしました。すると討論の終わるころには,「クラス全員が妊娠中絶には反対だと言いだしました」と,その姉妹は語りました。「目ざめよ!」誌を予約した生徒も幾人かいました。
□ スウェーデンではエホバの証人の兄弟たちが学校から講演を依頼されることがしばしばあり,次のような経験をしました。エホバの証人のある特別開拓奉仕者は,学校から招待され,一つのクラスで何度か講演を行ないました。そのクラスの担任の先生は次のように述べました。「ほかの牧師さんたちにも来ていただいたことがあるのですが,ただギターを弾いたり,生徒たちに良い人間になるようにと言うだけでした。それはそれで結構なのですが,私は生徒たちに何か学んで欲しいと思っています」。そういうわけでその先生は,その証人がクラスと定期的に聖書研究を行なう取り決めを設けたのです。
教室内の生徒たちも,今日の世界のあらゆる場所の人々と同じように,世界情勢,家族の問題,社会問題などについて疑問をたくさん抱えており,答えを得たいと思っています。まだ学校に通っていて,個人研究をしたり会衆の集会に出たりして聖書を理解するよう一生懸命に努力しているエホバの証人にとって,そういう人たちが聖書の答えを得るよう援助するのは本当に大きな特権です。聖書の箴言は次のような助言を与えています。「あなたの手に善を行なう力があるのに,それを受けるべき人から控えてはならない」― 箴言 3:27。