緊急感を抱いて良いたよりを伝える
1 わたしたちは,心を込めて宣教に携わることにより,神の王国の約束に対する深い認識を示します。この業には緊急感を抱いて携わらなければなりません。なぜでしょうか。働き人は少なく,この邪悪な事物の体制の終わりは近づいており,区域に住む人の命が危険にさらされているからです。(エゼ 3:19。マタ 9:37,38)こうした重大な責務を担っているのですから,宣教において最善の努力を払う必要があります。野外奉仕活動においてどのように緊急感を表わせるでしょうか。良い証言方法を前もって準備することにより,表わせます。また,どこであれふさわしい人を捜し出す点で勤勉であることにより,あるいは関心を示す人全員の正確な記録を取ることにより,さらには関心を示したそれらの人をすぐに再訪問することにより,表わせます。それに加え,命が関係しているゆえに宣教は真剣に取り組むべき事柄である,という点を覚えておくことによって表わせます。以下の提案は,2月中,緊急感を抱いて良いたよりを伝えるうえで,その準備をするのに役立つかもしれません。提供するものは,「最も偉大な人」または「探求」の本です。
2 地域社会で問題となっている事柄に手短に触れることによって家の人の関心を高められるかもしれません。「最も偉大な人」の本を用いる場合には,このように言えます:
■ 「わたしたちは,だれでも思いやりのある人間でありたいと願いますが,この点で世界の偉人として知られているキリストの生涯を扱ったこの本を,関心のある方に無償で差し上げています。[家の人に手渡す。] 最近,わたしたちのまわりで,老人や病人など,いわゆる弱い人に対する思いやりが欠けてきていることを心配する人は少なくありませんね。[具体例を述べる。] __さんは,わたしたちが思いやりの精神を育むのに何が役立つと思われますか」。家の人の意見に耳を傾け,優れた模範から学ぶのは一つの良い方法であることを述べ,57章の中からイエスが示された深い思いやりについて話し合います。ストレスの多い現代の社会で,愛と気遣いの精神がどれほど大切かを強調し,本を読むよう熱心に勧めてください。わたしたちの世界的な業が寄付によって支えられていることを説明し,話し合いを続けられるよう都合のよい時に再び訪問する約束をします。
3 最初の訪問で「最も偉大な人」の本からイエスの手本について話し合った人を再訪問する場合,さらに関心を高めるためにこのように言えるかもしれません:
■ 「先日は__さんと,他の人への思いやりについて話し合うことができ,うれしく思います。今日は『最も偉大な人』の本の中から,わたしたちがイエスの示された謙遜な特質に倣うなら,現代でも幸福な生活を送ることができるという点についてご一緒に考えたいと思います」と述べます。謙遜さや自己犠牲の精神について家の人がどのように評価しているかを尋ねてください。今日,自己中心的な生き方があまりにも強調されているため,へりくだった考えは高く評価されなくなっていることを述べ,113章の中から,謙遜さに関するイエスの際立った模範について話し合います。家庭,学校,職場などで,イエスが示された手本をどのように適用できるかを考え,可能ならふさわしい聖句を聖書から読んでください。無償で家庭聖書研究ができることを話し,後日その方法をお見せすることを約束することができます。
4 「最も偉大な人」の本を用いて若い人に証言する場合,りっぱな教師としてのイエスに注目させ,このように言うことができるかもしれません:
■ 「だれでもりっぱな教師から教えてもらいたいと思うものですが,これまでに生存した最も偉大な教師の生涯を取り上げたこの本を,ご希望の方に差し上げています。[相手に本を手渡す。] __さんはどんな教師から教えてもらいたいと思いますか」。意見を述べてもらった後,序文の中の「イエスを最も偉大な人にしたのは何か」と題する副見出しの3節にある「イエスの卓越した愛の模範は特に,イエスをこれまでに生存した最も偉大な人にしたのです。イエスの愛は幾世紀にもわたって非常に多くの人々の心をとらえ,その人々の生活に良い影響を及ぼしてきました」の部分を読んでください。イエスが優れた教師であったことを簡潔に説明します。本を読むことを積極的に勧め,寄付の取り決めについて話します。再訪問を計画し,次回は偉大な教師であったイエスが人を許すことについてどのように教えられたかについて話したいと伝えてください。
5 次の訪問では,このように述べて話を続けることができるかもしれません:
■ 「前回は__さんと,イエスがこれまでに生存した最もりっぱな教師であったことについて話し合いましたが,今日は,イエスの有名な教えの一つになっている,人を許すことの大切さについて簡単にお伝えしたいと思います」。64章を開き,他の人の弱点や失敗を許すことは必ずしもやさしいことではないが,そうすることには価値があるという点について話し合います。実生活の中で起こり得る具体例を考えて話し合い,聖書から適切な聖句を示すようにします。可能なら「知識」の本のふさわしい章を用い,聖書研究を始めるよう心がけてください。
6 「探求」の本を用いる場合,このように会話を始めることができるでしょう:
■ 「すべての人は真に幸福で自由な生き方を追い求めていますが,世界中の人がそのことをどのように探求してきたかについて興味深く説明しているこの本を,関心をお持ちの方に無償で差し上げています。[家の人に本を手渡す。] __さんは,真の幸福と自由を得るためには自分の信念を抱いているだけで十分だと思われますか。何が必要だと思われますか。[家の人の考えを述べてもらい,相手の意見に敬意を示す。] この本には,わたしたち日本人を含め,世界中の人々がこれまでどのように真理を探し求めてきたか,またどうすればそれが得られるかが写真入りで興味深く説明されています」と述べてください。積極的に本を提供し,再訪問の約束をします。寄付をする機会を家の人に与えてください。
7 最初の訪問で「探求」の本を用いた場合,再訪問でこのように言うことができるかもしれません:
■ 「前回は,『探求』の本をお渡しできてうれしく思います。お読みになってみてどんな点が印象的でしたか」。家の人の意見を聞いた後,16章を開き,1節を用いて真の神について話し合います。全宇宙の創造者であるエホバについて知ることがどのように真の幸福と結びつくかを述べ,ふさわしい聖句を聖書から読んでください。再訪問を続け,ブロシュアーか「知識」の本を用いて聖書研究を取り決めることができます。
8 現代の収穫の働き人として用いられ,命を救う宣べ伝える業を行なえるのは,本当に大きな特権です。わたしたちは皆,『自分の労苦が無駄でないことを知っている』のですから,緊急感を抱いて良いたよりを伝えることに励みたいものです。―コリ一 15:58。