質問箱
■ 講演中,話し手が聴衆に聖句を開くよう勧めるとき,聴衆がそうするのはなぜ有益ですか。
話し手は,論じられているテーマや,話の中に神の言葉の一部を節ごとに考える箇所があるかどうかといった要素を考慮して,開くよう勧める聖句の数を決めることができます。
聖句を開く理由の一つは,自分の述べている事柄は聖書に基づいているということを確証することにある,という点です。(使徒 17:11)もう一つの目的は,論じている事柄の裏づけとなる聖書的な証拠を吟味し,聴衆の信仰を強めることです。かぎとなる聖句が朗読されるとき,聖書が実際に何と述べているかを自ら目で追うなら,自分の思いに二重に銘記することができます。聖句を開くことに加えて,メモを取りながら話の流れに付いてゆくことも有益です。
協会の筋書きには論点を発展させる聖句がたくさん引照されていますが,それらの聖句は,話の準備に役立つよう,話し手のために挙げられています。これは参考資料として,あるいは根底にある聖書の原則をしっかり念頭に置き,内容がどのように展開するかを理解するための助けとして用いることができます。話し手は,話の展開に不可欠な聖句がどれかを見極めたうえで,そのような聖句を読んで説明するとき,聴衆に目で追うよう勧めます。資料の裏づけとなっている他の聖句については,その箇所に言及したり,分かりやすく言い換えたりすることができます。しかし,そのような場合,必ずしも聴衆が聖句を開く必要はありません。
選択した聖句を話し手が読むときには,コンピューターで印刷したものからではなく,聖書から直接読むべきです。一緒に読むよう聴衆に勧めるときには,聖書の書名と章,節をはっきり述べてください。そして質問を提起したり,その聖句を読む理由を簡潔に述べたりすれば,その間に聴衆は聖句を見つけることができます。引用する箇所を繰り返して言うことも,聴衆がその箇所を記憶する助けになります。しかし,それが何ページにあるかを言うことは勧められていません。ページ数は,聴衆がそれぞれ使用している聖書の版によって違うからです。聴衆は,聖句を開くようにという勧めに従うなら,講演中に神の言葉が説明されるとき,み言葉の力から益を受けることができるのです。―ヘブ 4:12。