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ローマ 注釈 8章新世界訳聖書 (スタディー版)
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考え続け: ギリシャ語動詞フロネオーは基本的に,「考える」,「特定の仕方でしようと思う」,「特定の精神態度を持つ」という意味。(マタ 16:23。ロマ 12:3; 15:5)この文脈では,何かに意識を向け,それに集中し,もしかするとそれを得ようと努力する,という考えを伝えている。パウロがここでこの語を使ったことは,考え方が行動や生活の仕方に大きく影響することを示している。この語は,罪深い欲望に従った生き方であれ,聖なる力に導かれた生き方であれ,人がどのようにその道に進むかを表現している。(この文脈の罪深い欲望と聖なる力については,ロマ 8:4の注釈を参照。)ある学者は,罪深い欲望[直訳,「肉」]に従って生きる人の態度を表現するのにこの動詞が使われていることについてこう述べている。「彼らは自分の思いを肉の事柄に向けている。つまり,彼らの関心,話題,行動,喜びの中心にあるのは,肉の事柄なのである」。聖なる力に導かれて生きる人がどのように聖なる力に関する事柄を考え続けるかについても,同じように説明できる。パウロは次の節で,罪深い事柄を考え続けるか聖なる力に関する事柄を考え続けるかで結果が違うことを示している。一方は「死」で,もう一方は「命と平和」。(ロマ 8:6)
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