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ローマ 注釈 9章新世界訳聖書 (スタディー版)
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大軍: または,「天の軍勢」。ギリシャ語サバオートはヘブライ語ツァーバーの複数形ツェバーオートを翻字したもので,ツァーバーは基本的に,文字通りの兵士の軍隊つまり戦闘部隊を意味する。(創 21:22。申 20:9。この節の大軍を率いるエホバに関する注釈を参照。)ここの「大軍」は,それだけとは言えないが主に,天使の軍勢を指すようだ。それで,「大軍を率いるエホバ」という表現から,天使の大軍を従えて宇宙を治める主権者にどんな力があるかが分かる。(詩 103:20,21; 148:1,2。イザ 1:24。エレ 32:17,18)とはいえ,「大軍を率いるエホバ」という表現の「大軍」には,天使の軍勢だけでなく,イスラエルの軍隊や無生物である天体も含まれると考える人もいる。
大軍を率いるエホバ: この表現はヘブライ語聖書に背景があり,サ一 1:3を初めとして,(多少変化した形も含め)ヘブライ語聖書に283回出ている。テトラグラマトンと「大軍」に当たるヘブライ語ツェバーオートを組み合わせたもの。この表現に相当するギリシャ語はギリシャ語聖書に,こことヤコ 5:4の2回出ている。パウロとヤコブはヘブライ語聖書の預言から引用するか,それに暗に言及している。どちらの場合も「大軍」に当たるヘブライ語ツェバーオートがギリシャ語でサバオートと翻字されている。ギリシャ語写本を字義通りに読むと,「主 軍勢」(ギリシャ語,キュリオス サバオート)となるが,ある辞典はサバオートに関してこう述べている。「神を指す名称……=יהוה צְבָאוֹת[YHWH ツェバーオート]万軍の主ヤハウェ」。(「新約聖書・初期キリスト教文献希英辞典」,第3版)「新世界訳」がエホバの名前を本文で使っている理由について詳しくは,付録C1で説明されている。
エホバ: ここでの引用はイザ 1:9から。元のヘブライ語本文に,ヘブライ語の4つの子音字(YHWHと翻字される)で表される神の名前が出ている。付録C参照。
子孫: ロマ 9:7の注釈を参照。
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