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コリント第二 注釈 11章新世界訳聖書 (スタディー版)
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提供された物: または,「援助」。ギリシャ語オプソーニオンは字義的には,「賃金」,「報酬」という意味。ルカ 3:14(注釈を参照)では軍事用語として使われ,兵士の賃金,手当を指している。この語はこの文脈で,パウロがコリントにいた間に幾つかの会衆から受けた幾らかの生活上の援助を指して使われている。同じギリシャ語の他の出例については,ロマ 6:23,コ一 9:7の注釈を参照。
いわば奪い取るかのようにです: 直訳,「奪い取ったのです」。ギリシャ語動詞シュラオーは,戦利品を得ることについてよく使われる。ここでパウロは,この強い表現を要点をはっきりさせる誇張表現として使っている。他の人から提供された物を受け入れたパウロは詐欺的なことをしていたわけではない。コリントの会衆を利用しているとパウロのことを非難していたコリントのいわゆる優秀な使徒たちの非難に応えている。(コ二 11:5)パウロがコリントで「困窮した」時,コリントのクリスチャンは裕福な人もいたと思われるが,パウロを援助しなかったようだ。マケドニアから来たもっと貧しい兄弟たちが必要なものを与えた。(コ二 11:9)パウロは,謙遜になることで「罪を犯し」たのではないと言っている。謙遜になるとは,自活しながら宣教を行うために天幕作りをしたことを指しているのかもしれない。(コ二 11:7)それでパウロが,コリントの人たちのために働きながらほかの会衆からの経済的援助を受け入れたことを「奪い取る」ようなものだと言ったことには,少しの皮肉が込められているのかもしれない。
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