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エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1953
塔53 6/15 209–214ページ

歌の課業

1 第一に,我々の責任は何ですか? それはどの様に考えられるべきですか?

屢々 ― だが決して余る程でない ― ものみの塔誌の主要な論題は,エホバを讃美しなさいとすすめることでした。前の研究に於いて,我々は,そのすすめを戦と結びつけて,一般的な観点から考えて来ました。今や,その研究の焦点は,もつとせばめられて個々の観点,つまり此の歌の課業から学ぶ励しと導きとに関する,あなた方個々の観点に特定されました。

2 パウロは,パロに関する神の目的を示すどんな聖句を引用して居ますか?

2 我々は,前と同じ方針をとりましよう。つまり神の僕モーセを通じてパロに宣明された神の御目的にそつて出発しましよう。それはパウロが引用した通りです ―『私がお前を起したのは,お前によつて私の力を示し,私の名が全地に伝えられる為である。』(ロマ 9:17,口語)然し,この度は,我々はこの言葉を使徒自身の観点からしらべましよう。そして,パウロが何故その言葉を引用し,又彼の論が我々の歌の課業の素晴しい題材となるのがどうしてだかをしらべましよう。

3 パウロは,肉のイスラエルに関する序言をどのように発展させましたか?

3 ロマ書 9章のはじめの5節に於いて,パウロは,自分の血族であるイスラエル人の為に,深い悲しみを表明して居ます。イスラエル人は,律法のもとにあつて,あの様に尊い立場と機会にめぐまれながらも,それを失つたのです。それはパウロがその手紙のはじめに述べて居る通りです。肉のイスラエルは,彼らがアブラハムの血統をひく子孫である為に,又律法の下にある彼らの行為の為に,自分達だけが神のお悦びを得る権利を持つて居るのだと考えて居ました。然し,9章の6節から8節にかけてパウロは次の様に説明して居ます。『〔肉の〕イスラエルから生まれた者がみなイスラエルというわけではない。』即ち,真のイスラエル又は神の撰民であると限らないというのです。これはエホバが企て御言葉のうちに予言した通りです。それから,アブラハムの裔がイサクの系統から生まれ,その誕生が神の成就であり,それ以外の単なる人間的方法では不可能なことを想い出させてから,使徒はこう申して居ます ―『肉親の子らが神の子らではなく,約束の子らが子孫と認められるのである。』彼はこの後者の者によつて次の人々を指して居るのです。即ち,霊的イスラエルに属する人々,キリストを頭とする真の会衆に属する人々,行為とか,受け嗣いだ物によらずただ神の余りある御親切と御約束によつてのみ神の子となる人々を指して居るのです。―ガラテヤ書 3章16,29; 4章28節と比較せよ。

4 その使徒は,どんな結論に達しましたか? そのうちにどんな原則が含まれて居ますか?

4 此の論理から,使徒はどんな結論を得たでしようか? ここに,我々は最初の聖書原則,即ち基本的真理を学ばなければなりません。それは,我々が此の課業を正しく学びはじめる為に,綿密な注意を必要とするものです。パウロ自身の言葉をかりれば,神は次の様に事を定めました。『神の選びの計画は存在し,行いによつてではなく,御召しによつて………それ故にこの事は人の願いや,努力によるのではなく,神の憐みによるのである。』(ロマ 9:11,16,口語)ここに定められて居る原則はこうです ― つまり,神は自ら愛しみ給う者を選ぶのに,絶対的完全な権利を有して居られるということです。

5 (イ)どんな教訓を学ぶべきですか?(ロ)神のお悦びを得る為,必要な状態は何ですか?

5 これから学び得る教訓は,神に対する我らの絶対的信頼に関するものです。神のいつくしみと憐みを望むことは,勿論間違つて居りません。又,神がその民の為に定めた道を突進することも間違つて居りません。要点はこうです ― つまり,人がただ欲するからとか,決心するからという理由だけでは,神の民の一員となれないという事です。又,神に受け容れられる権利を獲得するのも,或走路<コース>の歩み方によるのでありません。それは,イスラエルのおかした過誤でした。そしてイスラエルは義としてくれる律法を追求したが,その律法に到達しなかつたこと。何故か? 彼らはそれを信仰によつて求めないで,行いによつて得ようとしたからである。』(ロマ 9:31,32,口語)ですから,我々は自分勝手に事を決めるようなことをしない様にしましよう。我々は,常に注意深く省みて,事態を正しく認識して居るかどうかを見究めましよう。即ち,神のお悦びを得る為に必要な要件に関し,神御自身が決定し,その御言葉中におさめた事態を誠実に認識して居るかどうかを見究めましよう。これは,我々がクリスチャンとしての走路<コース>を正しく出発する為に必要なばかりでなく,全生涯を通じて必要なのであります。何故なら,人間がうつかり踏みはずしたり,罠に落ちたりすることは,良くあるからです。(ガラテヤ 5:7)ここで興味をひく事柄は,次の事です。即ち,神が民を選ぶことと,選ばれる為に必要な要件に関する上述の如き神の原則が,聖なる記録の最初にはつきり示されて居るという事です。何故ならエホバはモーセに対して,『我は恵まんとする者を恵み,憐まんとする者を憐むなり』と言いましたが,その少し前に次の様に申しました。即ち神の恵みと憐みを受けるのに必要な状態について述べたのです。『我を愛し,わが誡命を守る者には恩恵をほどこして千代に至るなり。』― 出埃 33:19; 20:6。

6 パウロが出エジプト記 9章16節を引用したなかに,更に二つのどんな原則が示されて居ますか?

6 パウロは,出エジプト記 33章19節を引用し,その原則を自ら述べてから,次の様に附け加えて居ます。『聖書は埃及王に言う,「私がお前を起したのはお前によつて私の力を示し,私の名が全地に伝えられるためである。」』(ロマ 9:17,口語)これは,更に二つの基本的原則をもたらします。一つはこうです ― 神の御目的に対抗したり逆つたりすることは誰にも出来ない,つまり高慢にして力あるパロにも出来ないし,又パロが代表した『この組織制度の神』サタンにも出来ないのです。(コリント後 4:4,新世)もう一つの原則は,神は限りなく偉大であらせられる,という事です。神はすべてです。これは最大の原則です。そしてこれは,神の栄光ある目的の最後的成就に於いても良くあらわされます。何故なら次の様に記されて居るからです。『み子は彼にすべての物を従えさせた方に,従い給うであろう。それは神がすべてのうちにあつて,総となられる為である。』― コリント前 15:28,口語。

価値ある教訓

7 それらの中,第一の原則は,今日に於ける重要な教訓を如何に教えて居ますか?

7 ここで,神の讃美を正しく歌う為の価値ある教訓に再び注意して下さい。第一の教訓はこうです ― 即ち前の原則を真に認識すれば,確信と敬虔な恐れを感受するという事です。今日の世の中には,偉大な力をもつた悪の勢力があります。それは,苛酷な圧制であり,第三次世界大戦をひきおこし得るものです。だが,それを恐れないで下さい。神は,それらの勢力を強く縛ることが出来るし,必ずそうしますから,何者といえども神の国の一物すら損なうことが出来ず,又一人の神の国闘士を傷つけることさえ出来ません。故に,我々は勇敢に又快よく歌うことが出来ます。―黙示 7:1。

8 外にどんな教訓が学べますか? 我々は個人的にどんな影響を受けるべきですか?

8 第二の教訓は,感謝の教訓であります。我々が,パロの如く神の憎しみを受ける者とならず,神の憐を蒙る者となれるならば,我々は何と有難いことでしよう。これは,我々がエホバの讃美を歌い,エホバが憐みをもつて備え給うた救を得る為に,重要な個人的教訓です。『私たちの救主である神の仁慈と博愛とがあらわれた時に,神は私たちのなした義による行いからではなく,その憐みにより………私たちを救つて下さつた。』― テトス 3:4,5,口語。

9 神の限りない偉大さは,我々に価値あるどんな教訓を教えますか?

9 第三の教訓は,特に最後に述べた原則に基いて居るものです。即ち,すべての物の根源であり,我々が絶対的に依り頼み得る神御自身にこそ,すべての誉とすべての讃美が与えられるべきであるという事を認識することです。言葉をかえて言うならばそれは謙譲の教えであります。嘗てパウロが,自分自身と他の兄弟について語つた通りです。『私が植え,アポロが水をそゝいだ。しかし成長させて下さつたのは神である。それならば,植える者もなければ水をそそぐ者もないのだ,成長させ給う神だけがあるのである。』(コリント前 3:6,7,口語)この光景と,この見方とを絶えず心にとめておきましよう。これはエホバに正しい立場をあたえ,我々にも正しい立場を維持させます。これは我々が創造主と調を合わせて,正しく造主の讃美を歌うようにしてくれます。それによつて,我々は深い謙譲と感謝の念を保ち得るのです。そして,これこそエホバの讃美を正しく歌う唯一の,安全な,正しい態度です。

10 我々は,モーセやダビデと対照的に,自分について如何に感ずるでしょう? この点に関し,神の御言葉は如何に我らの助けとなりますか?

10 モーセやダビデや他の忠実な僕達がエホバの御名と御目的を宣明した有様は,屢々劇的であり,集中光線<スポツトライト>が直接彼らにそそがれました。これと対照に,あなた方は家庭の主婦として,また工場その他の働き人としての単調な限りある生活を正しく意識して居る様に感ずることでしよう。あなた方は誘われてこう言うかも知れません ―「私が何処に入りこめると言うのですか? 私が受けるただ一つの歌の課業は,早朝の目覚時計からだけです。私は余りにも小さく価値のない者だと思います。」我々は大いにあなた方に同意します。確かにあなた方は,小さく価値のない者です。然し,これこそその素晴しい役割なのです。即ち,神のお悦びを誰に授けるかに関して,絶対的な権利を持つ神御自身が,あなたを撰び給うたのです。そしてあなた方が,入り来て,同様に小さく価値のない他の人々と共に大いなる特権に与かれるようにして下さつたのです。即ち,神の制度シオンの指導を直接に受けて,直接御国奉仕に参加できる様にして下さつたのです。エホバ御自身が,御自分の偉大さと我々の小さい事に関するそれら二つの対照的な原則を合せ給う事より,我々は何と大きな力と慰めを獲得出来るのでしよう!『至高く至上なる永遠にすめるもの聖者となずくるもの如此言い給う,我はたかき所,きよき所にすみ,亦心くだけてへりくだる者と共にすみ,謙だる者の霊をいかし,砕けたる者の心をいかす。』― イザヤ 57:15。

11 正しい見地をもって,我々は御国奉仕に与ることを如何に見るべきですか?

11 これは,あなた方の歌の教訓の,実際的面に関して,次の事を意味するのです。即ち,エホバの讃美を歌う為に,劇的な環境を待ち望む必要は,毛頭ないという事です。寧ろ,最小さく,見た所無意味と思われるものでも,御国に関して語る機会を軽蔑してはなりません。あなた方は,エホバの御名を『全地に宣べ伝える為に,家を離れて,ギレアデ聖書学校を卒業する必要はありません。まこと,あなた方は本当にそれに参与して歓びを得,エホバの祝福を受けることが出来るのです。しかも,『日課である普通の仕事』の様な訪問を定期的にすることによつて,それが可能なのです。即ち近所の農場に人々を訪ねたり,宅地やあなた方の住む町のバラック式の裏通を訪ねたりしてそれが可能なのです。

12 我々がエホバの業を為すにあたって,自分の容貌に注意することは何故必要ですか?

12 もう一つ実際的な点があります。即ち次の事を忘れないで下さい。効果的に歌う為には,ただに聞かれる事柄に対してばかりでなく,見られるべき事柄に対しても,充分注意を払わなければならないという事です。このうち後者の意味する所は,あなた方の個人的容貌,つまり着物類,礼儀作法,特に顔や眼にあらわれる表現について注意しなさいという事です。あなたの有様が如何に謙虚であつても,あなた方は清らかな美しさを保ち得ます。特に,あなた方は自分の顔と微笑とをもつて,御国の音信の御霊そのものを歓びと平和と希望のうちに輝かし,反射さすことが出来るのです。(コリント後 3:18)音楽的な言葉をかりれば,それは『言葉無き歌』です。勿論我々は次の事を認識して居ます。即ち我々の音信は,我々の容貌よりも遥に重要であるという事です。然し,少くとも最初は聴衆がそれを認識して居ないという事を銘記しなければなりません。

13 効果的な奉仕をする為に,我々は歌の譬〔説明〕から何を学ぶことが出来ますか?

13 我々は誇張された事や偽りの事はすべて避けましよう。普通の説明でも分る通り,最も効果的な歌手は,絶えず声を震わせて歌つたり体を大げさに揺ぶつたり,その他の癖をあらわす人ではありません。その様な人は技術的に優れて居ると思われるかも知れませんが,最も効果的な歌手ではありません。寧ろ,次の様な人が最も効果的な歌手なのです。即ち,簡単な直接的方法をもつて歌の本当の音信を伝える人,言いかえれば心の底から歌い,自分の感情と感傷とを誠実に表現し,自ら歌の中にとけ込んで歌う人こそ最も効果的な歌手です。それ故,御国の音信を歌うあらゆる機会をとらえる我々個々についても全く同様です。その御国の音信こそ,エホバが御自分の証として,我々の国に授けたものであります。―申命 31:19。

14 謙譲と感謝とは,調和と一致を保つ為,如何に役立ちますか?

14 あなた方の注意をうながしたいもう一つの教訓があります。謙譲と感謝の二つの物は,我々が御国の奉仕をする時,互に調を合わせる為に必要欠くべからざるものです。その奉仕は讃美の奉仕であります。パウロは,自分もアポロも神に比較する時全く無価値であり,神のみが聴衆の心に植えられた真理の種を生かし成長さすことが出来ると言つてから,次の様につけ加えました。『それで植える者も水をそそぐ者も同じである。』(コリント前 3:8,口語)これは実際的には次の事を意味します。即ち,若し我々が己個人に関する限り自分の小さく無価値なことを心にとめておくならば,たとえ我々が会の誰かに悪く待遇されたり,不親切に話されても,我々は不当に感じ易くなつたり,心を乱したりせずにすむでしよう。反つて,絶えずエホバに感謝し,エホバの偉大さを憶えて,我々は自分の近隣に余す所なく御名を宣名しつづけようとひたすら願うのです。勿論,我々はエホバの小さき者の誰に対しても,決して失礼のない様に注意し,不調和な音がおこらない様にします。イエスの申された所によれば,完全な調和と一致とをもつて御国の音信を宣べ歌うことは,世に与えられる徴の一つであつて,それにより,すべての人々は,誰が本当の弟子であり,神に選ばれて神の代表者となり,全地に於いて神の証者となる者が誰であるかを知り得るのです。―ヨハネ 17:23。

15,16 それら二つの性質は更にどんな役に立ちますか? それはどんな結果をもたらしますか?

15 それから亦,あなた方が此の世に於いてどうしても交らなければならない人達 ― 例えばあなた方の家族,或は雇主,或は職務上の同僚達から迫害や艱難を受けた時,それがどんなに烈しいものであろうとなかろうと,それらの苦しみに耐える為にも,謙譲と感謝とは大いに役立ちます。クリスチャンとして苦しむことは真に大きな特権であり,イエスが彼の追従者は彼と同様に迫害されると言つた事を憶えるならば,あなた方はそれ程気にかけないでしよう。(ヨハネ 15:20。ペテロ前 2:21)反つて,屈せず感謝の念を保つことにより,たとえ最も不運な逆境にのぞんでも,油断なくエホバの讃美を歌い,恐らくサタンの攻撃をかえて善用することが出来ましよう。

16 それ故,立派な歌手は絶えず実際的であらねばなりませんから,あなた方も以上の価値ある教訓を実際に適用して下さい。そうすれば,あなた方は常に物事に負けず一日々々の終りには感謝の気持をもつてエホバの前にぬかづき,心に歌うたうことが必ず出来ると信じます。

訓練と装備

17 我々は,どんな方法によって聖なる奉仕の為に訓練されますか? 我々の装備は何ですか?

17 歌うたう偉大なる主エホバは我らの需要を完全に満たす為に,あらゆる訓練と装備とを御準備して下さいました。エホバは,我々を個々の生徒として別々に教えることはしませんが,音楽の学校を経営して居られます。その音楽学校とは彼の制度,シオンです。これは彼の御子の指揮下にあります。御子は天の父の讃美の歌を指揮します。それはパウロが示して居る通り,詩篇 22篇22節の予言的言葉の成就です。『私は御名を私の兄弟たちに宣べよう。その集の中〔会衆の中,新世〕で私はあなたを讃めたたえよう。』(ヘブル 2:12,口語)今日シオンにあるすべての人々の為に,エホバが備え給うた装備は,イザヤ書 59章21節に良くまとめられて居ります ―『なんじの上にあるわが霊なんじの口におきたる我がことばは,今よりのち永遠になんじの口より……はなれざるべし。』

18 イエスは弟子達を如何に訓練し,如何に装備しましたか? それはどんな結果をもたらしましたか?

18 神がその予言を如何に成就させて居られるかを,もつと詳しく理解出来る様にあの感動的な歌の教訓に注意をむけましよう。それは,キリストが,復活後間もなく,弟子達に与えた教訓です。二人の弟子がエマオという村に向かつて歩いていた時のこと,彼らの気づかぬうちにイエスが道連に加わつた時,彼らは悄然と途方にくれて居ました。会話が要点に達してから,聖書は何と記して居るでしよう?『イエスはモーセとすべての予言者たちから始めて,御自分について聖書の中に記してあるすべてのことを説明された。』それはどんな効果をもたらしたでしょう? 彼らが後になつて互に語り合つた通りです ―『彼が私たちに途中で話された時にも,…………私たちの心は私たちのうちに燃えたではないか。』それから,終に彼は彼らが見聞きした事柄の証者として遣わされることを話しました。然し,それは彼らが『上からの御力を身に着け』た後に於いて行われました。それ故,神は小規模な成就に於いて,御自分の証者の口に御言葉をさずけ,御霊による活動力と理解力とをさずけました。今日,大規模な成就に於いて,同様な事が世界的に生じて居ます。我らの歌の主な音は『み国のこのよい音信』であるからです。―ルカ 24:27,32,45,49。マタイ 24:14,口語。

19 我々は今日自分の為に,どんな実際的方法によってそれを適用できますか?

19 我々は,イエスのこの完全な範より益を得ましよう。そして,我々の主な仕事は,「心を完全に開いて聖書の意味を把握し」歌うことを学ばんと願う人々に援助することである,という事を良く認識しましよう。とにかく,我々の歌の本は御言葉であり,そして,若しこの仕事が正しく行われるならば,それは人々の心を彼らのうちに燃えたたすでしよう。例えば,若しあなたが公開講演をする特権を受けたならば,世の指導者達の言つた事柄の引用や,その註解などに余り長い時間を費さず,速かに聖書的論理にとりかかり,聖書の意味とその成就を明白に示して下さい。これこそ,パウロのとつた方法です。『彼は彼らと論じ,聖書より説明し,証明した』又アポロが正しい訓練と装備とにより,如何に益を得たかも考えて下さい。『彼は熱心に,〔霊に燃えて〕………イエスがキリストであることを,聖書により公けに表明したからである。』(使行 17:2,3; 18:25,28,新世)又,当協会のものみ塔や他の文書の定期的研究,及び実際的に助けられる神権宣教学校の課程等,今日の訓練と装備によつて益することも忘れないで下さい。

20 正しい心の状態は,何故そんなにも重要ですか? それは今日に於いて特にどんな祝福をもたらしますか?

20 然し,すべてに優つて,正しい心の状態の重要性を,決して見のがさないで下さい。イエスは,エマオへ向けて旅して居い二人に次の事を語りましたが,あなた方はそれと同じ事を主イエスに言わせることのない様にして下さい ―『ああ,愚かで心が鈍く,予言者たちの語つたすべてのことを信じ難い人たちよ。』(ルカ 24:25,口語)あなた方は,たとえ自分が或事柄を把握し自ら表現するのに鈍いと感じても,心配しないで下さい。若しあなたの心の準備が良く出来て居るならば,あなたは機智を誇る他の兄弟達よりも信頼できる効果的な歌手となり得るでしよう。シオンに住む人々が「心を尽くして」歌うからこそ,エホバ御自身の御心も喜びに溢れ,「あなた方の為に喜びて歌い給う」のであるという事を銘記して下さい。エホバ御自身の住み給う栄光あるその都に住むとは,何と素晴らしいお恵みでしよう。その都は歌で満れされて居ます。この歌は,専門家による教会の聖歌隊が礼拝堂の高壇で歌い響かせる聖歌の,最も明朗な金の調よりも,遙かに美わしいのです。―ゼパニヤ 3:14,17。詩 132:13,14。

21,22 予言的などんな劇が,歌と闘を密接に結合して居ますか,それはどんな特質を強調し,どんな結論へ通じますか?

21 簡単なむすびとして,我々はあの予言的な劇に与る特権を得た自分達について考えてみましよう。その予言的劇に於いては,歴代志略下の20章に記されて居る通り,歌うことと闘うこととが非常に密接に結合されました。その時,アモンとモアブとセイル山の連合軍が,ユダの王ヨシァパテを攻めました。それは,今日神の民を脅かし,攻撃して居る,サタンの世の連合軍勢をあらわして居ます。適切にも,ヨシァパテの軍勢はその戦に於いて,肉の武器を使う必要がありませんでした。だが,彼らが敵に向つて行つた隊伍に注目して下さい ― それは神権的指揮のもと,『聖き飾を着けて軍勢の前に進ましめ,』『エホバに感謝せよ,その恵みは世々かぎりなし』という主題歌を『エホバに向いてうたい,且これを讃美せしめ』たのです。又王ヨシヤパテが最初に言つた言葉にも注目して下さい ―『汝らの神エホバを信ぜよ,然ば汝ら堅くあらん,その予言者を信ぜよ,然ば汝ら利あらん。』(歴代下 20:20,21。ルカ 24:25,新世と比較せよ)その前に於いてさえ,ヤハジェルを通じてエホバの保証的音信がもたらされるや否や,その王の哀願に応えて,『レビ人立ちあがり,声を高くあげて,イスラエルの神エホバを讃美せり。』― 歴代下 20:19。

22 それ故我々は常に歌いつづけ闘いつづけましよう。そしてエホバ御自身が『戦人』として介入し,『エホバの強き腕』であるイエスキリストを通じて,その戦に大勝利をおさめ,『馬とその乗者を海になげうち給う』時までそうし続けましよう。(出埃 15:1,3。イザヤ 51:9)あなた方の隊形を固守し,全能者の教訓を常に守り,『きよき衣をつけてエホバを拝みまつれ!』。

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