「神のすばらしいわざ」に注意を払いなさい
「これを聞け……じっと立って,神のすばらしいわざに注意を払え…」。―ヨブ 37:14,新世。
1 なぜすべての者はエホバの創造をたたえるべきですか。
全人類は大いなる神エホバのすばらしい創造のみわざをたたえるべきであります。すべての人は,威厳にみちるこの宇宙の創造者,エホバが地上にたくさんのものを一致調和の中につくり出されたことをたたえるべきであります。(詩 104:24; 150:1-6)創造の規模と美は,息の根をもとめる程すばらしいではありませんか。天界の巨大な島宇宙から,もっとも微妙な花や,人間に知られているいちばん小さな組織体にいたるまで,全く原子の複雑な構造にいたるまでエホバの御わざはみな英知と秩序をすばらしく反映しています。変化はなんと多種多様なのでしょう! なんとすばらしい一致と調和があるのでしょう! たしかにエホバ「の為し給ふ所は皆その時に適ひてうるはしかり」。―伝道 3:11。
2 エホバとそのわざについての詩篇記者の言葉は何でしたか。
2 いつの時代でも,神と正義を愛する人々は,エホバの無比のみわざをたたえました。たとえば,詩篇記者の書いた次の賛歌に耳を傾けてごらんなさい,「ただイスラエルの神のみくすしきみわざをなしたまへり,神ヱホバはほむべきかなその栄光の名は世々にほむべきかな,全地はその栄光にて満つべし」。(詩 72:18,19)同様に,詩篇 136篇はエホバを「もろもろの神の神」「もろもろの主の主」「ただひとりおほいなる奇跡をなしたまふもの」「智慧をもてもろもろの天をつくりたまへるもの」そして「地を水のうへに布き給へる者」とたたえています。彼のみわざはみな愛にみちる御親切です。そして「そのあはれみはとこしへに絶ゆることなければなり」。(詩 136:1-5)エホバのつくられたすべてのものの中に,愛ある御親切,知恵そして識別が見られます。―箴言 3:19。
3 科学者は,神の御わざをどのように認めましたか。
3 著名な科学者たちは,エホバをほめたたえないでしょう。しかし,彼らはしばしばエホバの御手のわざを認めざるを得ません。重力の法則を初めて説明したアイザック・ニュートン卿は太陽系についてこう語りました,「太陽,遊星,および慧星のこの最も美しい組織は,英知と力を持たれる御方の助言と支配から来るのみである」。アルバート・アインシュタインは,「宇宙のすばらしい構成」が最高の「英知」によるものであると考えました。最近の1961年2月11日,世界最大のラジオ望遠鏡を使用している英国の科学者たちは,「宇宙は,聖書の述べる通り始まり」があった,という「結論」を発表しました。
4 神のどんな御わざは,宇宙時代の科学者のわざよりもどれほどすぐれていますか。
4 ソビエトの人々は最初の宇宙人を空高く打ちあげて大得意になり,彼を「不滅者」― 神とほめそやしました。しかし,宇宙時代の科学者のうち,だれがこの地球と同じ大きさの宇宙船をつくって,軌道に送り出すことができますか。また,その宇宙船上に生命の奇跡をつくり出し,生命がつぎつぎと幾千年もつづく美しい植物,鳥,魚そして動物でよそうことができますか。科学者のうち,だれがすばらしい完全な人間をつくることができるでしょうか。(詩 10:3。139:14)私たちの創造者なる神のすばらしい御わざは,人間のわざよりずっとすぐれているものです。神は『地を物なきところの上にかけ』られ,地上を幾十億という完全な人間でみたすことを目的とされているのです。彼らは,幸福な環境の中で生活し,永久のよろこびを持つでしょう。―ヨブ 26:7。イザヤ 45:18。
5,6 (イ)科学者は,どの程度まで神のみわざを探り知ることができましたか。(ロ)今日正義を愛する人は何に気をつけるべきですか。
5 神を認めぬ科学者たちは,最近の地球観測年の時のように,一時的に和睦して,研究調査に一致結合するかもしれません。しかし,せいぜいのところ,彼らは宇宙の秘密をすこし知るに過ぎません。科学者たちは,『水を雲の中に包む』仕方を知らず,「雲」をしてさわやかな雨を地上に降らせることができません。彼らのうちひとりとして,「海をさわぎ立たせる」エホバの力を測り知ることができず,また「天そのものをみがき給う」強烈な風をつくり出すことができません。彼らはエホバの創造のはしをさぐっても,創造者御自身を無視しているのです。忠実を守り通したヨブが叫んだ通りです,「みよこれらはただそのみわざのはしなるのみ,我らが聞くところのものはいかにもかすかなるささやきならずや」。―ヨブ 26:8,12-14。
6 宇宙時代の知者たちの中で,神についてのささやきはほとんど聞かれません。しかし,この物質主義的な20世紀においても,エホバの御力と栄光をあかしする証者たちはいます。ヨブ自身も現代のエホバの証者を預言的に示す人物でした。これらの証者たち,および全地で正義を愛するすべての者は,エホバを恐れて忠実を守ったヨブの例に注意を払うべきでしょう。―ヨブ 28:28。
「これを聞け」
7 サタンは,人間についてどんな挑戦をしましたか。その挑戦にはじめて応じたヨブは,だれを予表しましたか。どのように?
7 エホバの最高至上権に挑戦して大言を吐いた高慢なサタンは,試練の下に忠実をしっかり保てる人間はこの地上にいないと神をあなどりました。ヨブという名の忠実な神のしもべは,ヨブ記 1章に記録されている試練を乗り切ることにより,「人間キリスト・イエス」になられた神の御子を表わしています。キリスト・イエスは,サタンのもたらしたあらゆる試練や苦しみにもかかわらずこの地上で神の御こころを行ないました。―ヘブル 5:7-9。
8,9 (イ)ヨブは次の試練にどう応じましたか。それによって何が予表されていますか。(ロ)ヨブは何に失敗しましたか。これは何をあらかじめ示しましたか。
8 エホバはその後でもヨブに試練を課すことを許しました。(ヨブ記 第2章)同じく,エホバはキリストの足跡に従う弟子たちがそしりと苦しみをうけるのを許しました。(ペテロ前 2:19-23)つらい試練や迫害にもかかわらず,またキリスト教国の偽りの羊飼や「慰安者」からの多くの反対にもかかわらず,これらのエホバのクリスチャン証者たちは,ヨブのごとくこう公言することができます,「息の絶えるまで,私は忠実をけっして捨てない」。―ヨブ 27:5,新世。
9 ヨブはエホバをまったく信用してその忠実をしっかり保ちました。しかし,彼はその大論争を十分に認識していなかったので,すべての誉をエホバの御名にささげるかわりに自分自身を正当化しようとしました。この点において,ヨブは近代のエホバの証者を表わしました。彼らは西暦1918年の試練のとき,しばらくのあいだ,妥協せずに大胆に,証言することをためらい,エホバの大いなる御名を立証しなかったのです。そのどちらの場合にもエホバは矯正をしました。
10 (イ)ヨブを矯正したエホバの径路はだれでしたか。なぜ彼はそうすることに熱烈な気持ちを感じましたか。(ロ)その預言的な成就はなんですか。
10 ヨブに対する神の矯正の径路は,若者エリフでした。彼の名前は「神は彼である」という意味です。それで,彼は神の立証のために心をこめて熱心に語りました。「視よわれ口をひらき,舌を口の中に動かす,わが言ふ所は正義しき心より出づ,わが唇あきらかに其知識をのべん」(ヨブ 32:6。33:2,3)預言的な成就においてエリフは,今日の地上のエホバの新しい世の社会の統治体を表わしています。エホバはこの熱心な代弁者を通して,地上の証者たちに矯正とさとしを与えられ,正しい教理で彼らを建ておこし,敬虔ぶった宗教的な行いから彼らを清め,そして栄光にかがやくキリストの御国を宣明する彼らの責任を明白に示されました。―ヨブ 36:1-6,11,12。詩 145:10-13。
11 生命を愛する者たちには,いまどんな緊急の助言が与えられていますか。
11 神の御国が設立されている今日,生命を愛する者はみな,生存に対する神の要求に注意を払わねばなりません。宇宙時代の諸問題や核爆弾による全滅の危険が人類の上に臨んでいるいま,この時代に対するエホバの御心について神の代弁者は強い助言を与えています,「なんぢ神のみわざをほめたたふることを忘れざれ,これ世の人の歌ひあがむる所なり,神は大なる者にいましてわれらかれを知りたてまつらず」(ヨブ 36:24,26)いまこそ,証言すべき時であり,エホバの御名と御わざをあがめる時であります。昔の時から神の人々はエホバの大いなる立証の日を預言的に歌いました。その日はいまなのです。それでは,ヨブに告げたエリフの次の言葉に注意を払ってください,「これを聞け……じっと立って,神のすばらしいわざに注意を払え」。―ヨブ 37:14,新世。
12 神のどんなすばらしいわざが近く行なわれようとしていますか。それで,私たちは何をするべきですか。
12 これらのすばらしいわざは,いま神の創造された物質宇宙以上のものを含みます。とりわけ,エホバの立証の「異常なわざ」,すなわちハルマゲドンにおける悪しき者の絶滅をふくみます。そのことはこの時代に対して決定されているのです。(イザヤ 28:21,22。黙示 16:14-16)いまは神の新しい世の社会から独立して行動するときではありません。また,自分の名誉を求めたり,自分を正当化する時でもありません。いまはエホバのおそるべきわざを深く考える時であり,「労し,かつ苦心す」る時です。「そは我ら凡ての人,殊に信ずる者の救主なる活ける神に望を置けばなり」。―テモテ前 4:10。
13 なぜ人は神を恐れるべきですか。それはどんな結果たらしますか。
13 エホバが立証のわざを行なうために来られるさいのエホバのすばらしい栄光を見なさい!「北より黄金いできたる,神にはおそるべき威光あり,全能者はわれら測りきはむることを得ず,彼はちからおほいなる者にいまし審判をも公儀をも枉げ給はざるなり,この故に人々かれを畏る,彼はみづから心にかしこしとする者をかへりみたまはざるなり」。(ヨブ 37:22-24)神を恐れて神の御名を尊ぶ者たちは,永遠にわたって神のめぐみを楽しむために生きのこるでしょう。―詩 84:11,12。
神の他のみわざ
14 エホバは,どんな創造物によって宇宙を支配しますか。それについて考えをめぐらしたパウロは,なんと言いましたか。
14 エホバは,目に見える宇宙でも目に見えぬ宇宙でも,この広大な宇宙内に平衡と秩序を立てることを目的としています。エホバの御名が立証されると共に,これは永遠の調和となり,サタンの挑戦でかき乱されることはありません。この目的のためにエホバはキリスト・イエスと共に「新しい創造物」をつくり出されました。エホバは,正義の中に宇宙を支配するためそれを天的な政府にされます。「召されたるもの,選ばれたるもの,忠実なる者」である14万4000人がこの地からあがない出されて,小羊なるキリスト・イエスと支配を共にするとはなんとすばらしいことでしょう!(エペソ 2:10。黙示 17:14。14:1,3)西暦1914年以来,キリストがこの政府で王としてすでに支配していることは,すばらしいことです! パウロはこの天的な創造について深く思いをめぐらしつつ,次の言葉を発しました,「ああ神の智慧と知識との富は深いかな,そのさばきは測りがたく,その途はたずねがたし」。―ロマ 11:33。
15 今日,どんなすばらしいわざが進行していますか。どんな結果が生じていますか。
15 忠実を守るこの霊的な級の残れる者は,いま地上にわずかしかいません。しかし,エホバは彼らを通してさらにすばらしいわざを行ない,御自分の御名を立証せられています。それは世界をふるい動かす証言のわざであって,万国の人々をして神のすばらしいわざに注意を向けさせるわざです。「またわれ万国をふるはん,また万国の願ふところのもの来らん,又われ栄光をもてこの殿にみたさん万軍のヱホバこれを言ふ」。(ハガイ 2:7)地の柔和な人々は,神の御国の音信を聞いてからサタンの滅亡に定められた世界から自由に解放され,調和にみちるエホバの崇拝の家によろこんではいります。彼らは神の宮で昼も夜も神に仕えて,天的な御国の地的な住民になり,永遠の一致と平和のうちに住みます。―イザヤ 2:2-4。黙示 7:15-17。
16,17 (イ)「諸国民」は,どんな美をエホバの家にもたらしますか。(ロ)彼らは何をぬぐいさるのに注意しなければなりませんか。(ハ)彼らは注意ぶかいことをどのように示しますか。
16 エホバの目から見て願わしいこれらの者たちは,いまエホバの創造した宇宙の各部のように一致調和している制度の中にあって,ヨブ級と共に立っています。
多数の国家的な背景をもつ彼らには変化の美があります。そして,彼らはこの美を新しい世の社会内に持ちこみます。しかし,彼らはまた清い状態になるように注意を払い,諸国民にまつわる有害な習慣を取りのぞきます。油そそがれたクリスチャンのように,彼らは次のことを認識します,すなわち「過ぎ去った時代には,あなたがたは,異邦人の好みにまかせて,好色,欲情,酔酒,宴楽,暴飲,気ままな偶像礼拝などにふけってきたが,もうそれで十分であろう」。―ペテロ前 4:3,新口。
17 諸国民から来たエホバの願わしい者たちは,家族的な崇拝でも,社会的な崇拝でも,あらゆる形式の偶像崇拝を避けます。また,人間の独裁者や超愛国主義を偶像化するのを避けかつ国連のような「平和」のごまかし手段を支持するのを避けます。彼らはサタンの世界の貪欲な,けんか好きな精神をぬぎ捨てて,「愛,喜び,平和,寛容,慈愛,善意,忠実,柔和,自制」という神の御霊の実をそだてます。(ガラテヤ 5:22,23,新口)彼らはエホバを知ることをよろこび,啓発と力を与える御霊でますます満たされるようにつとめます。御霊は被造物すべてに見られるすばらしい調和と一致を支える霊と同じです。彼らは大いなる統一者エホバに献身する特権に注意をはらいます。―使行 10:34,35。
敬虔な献身をして注意を払いなさい
18,19 (イ)献身をどのように見なすべきですか。(ロ)エホバが宇宙を支配する面ではなにがすばらしいものですか。(ハ)どんな面で,人間はすべての創造されたものでいちばん特権にあずかっていますか。
18 献身 ― なんという特権でしょう! それは自発的になされる段階です。そして,エホバとそのすべてのめぐみに対する愛と感謝の念に満ちる心からなされるものです。(詩 34:8)エホバが私たちの住む宇宙をどのように支配しておられるかを考えてごらんなさい。エホバが創造のときに定められた法則に従い,巨大な天は完全な秩序と調和のうちに動きます。同様に神の法則はこの地上の生命の季節と周期を支配します。さらに,動物界では神の与え給うた本能の力が見られます。この本能の力により,理性のない獣もその寿命を全うする備えをすることができるのです。―詩 145:16; 147:9。
19 しかし,人間はすべての物質宇宙のうちで独特な創造物であります。人間だけが神のかたちとさまにつくられています。(創世 1:26)人間だけが理性の力を持っており,エホバとそのすばらしいわざについて正確な知識を得ることができます。人間だけがキリストを通してエホバに献身し,エホバの制度の平衡のとれた調和と一致にはいることができます。人間はその平衡を保つことにより,永遠の生命とよろこびの道を歩くことができます。―箴言 20:7; 28:26。
20 (イ)賢明な者たちは,献身をどのように見なしますか(ロ)エホバは,彼に献身する者たちを,どのように報われますか。(ハ)どんなことに私たちはイエスの足跡にしっかり従わねばなりませんか。
20 この献身およびエホバの新しい世の社会内で立場を保つことは,今日この地上に住むすべての人にとって,生きるか死ぬかの重要性を持つものです。霊感をうけた次の助言に注意を払う者たちは賢明です,「汝生命をえらぶべし然せば汝と汝の子孫生存らふることを得ん,即ち汝の神エホバを愛してその言を聴き且これに附従ふべし斯する時はなんぢ生命を得かつその日を永うすることを得……」(申命 30:19,20)私たちがエホバに献身して彼に従い,彼に愛を示すなら,エホバも私たちに大きな愛を示すでしょう。エホバは愛によってその大きな宇宙を支配します。それと同じく,エホバは愛の中に私たちをみちびきます。神の御子イエスは,エホバに献身して,エホバ神の御心を忠実に行なうことをよろこびました。イエスは私たちの「模範」であって,私たちは「御足の跡を踏み従う」ことができます。―詩 40:7-9。ペテロ前 2:21,新口。
神の指示に注意を払いなさい
21 (イ)こらしめに対する私たちの態度はどのようなものでなければなりませんか。(ロ)クリスチャンは,どのように落し穴を避けて,霊的な力を保つことができますか。
21 神を恐れる父親は,息子たちをこらしめます。それと同じく,天的な御父なるエホバはエホバに献身して仕える者たちをこらしめて,矯正します。(ヘブル 12:5-11)感謝の念をもって彼のこらしめをうけいれなさい。「子供らよ,父の教を聞き,悟りを得るために耳を傾けよ。わたしは,良い教訓を,あなたがたにさずける。わたしの教を捨ててはならない」。(箴言 4:1,2,新口)この良い教訓は,エホバの御言葉の正しい原則を含みます。今日のクリスチャンは,この教訓に注意を払うことにより,不安定なこの世の落し穴を避けることができます。そして,神の新しい世における生命を得るために道徳的な忠実を守ることができます。「若い人はどうしておのが道を清く保つことができるでしょうか。み言葉にしたがって,それを守るよりほかにありません」。(詩 119:9,新口)聖書の原則を研究すること,たえず復習すること,そして会衆の集会で発言することは,霊的な力を保つために欠かすことのできぬものです。―ヘブル 2:1-4; 10:23-25。
22,23 (イ)どんな労を惜しまぬ努力が必要ですか。そしてなぜ?(ロ)私たちは預言をどのように見なすべきですか。預言の正確さについては,何と言えますか。
22 敬虔な性質を発展させるため「力の限りをつく」す必要があると,ペテロは告げています。かくして,私たちは「わたしたちの主イエス・キリストを知る知識について」実をむすぶことができます。(ペテロ後 1:5-8,新口)彼は次の言葉をつけ加えています,「それだから,あなたがたはすでにこれらのことを知っており,また,いま持っている真理にかたく立ってはいるが,わたしは,これらのことをいつも,あなたがたに思い起させて,奮い立たせることが適当と思う」。(ペテロ後 1:12,新口)この正確な知識は,正しい原則と正しい教理をふくむだけでなく,強力な預言の言葉の知識をもふくみます。山上の変貌の時,ペテロは主イエス・キリストが神の御国に臨在して栄光にかがやく力を持たれるすばらしいまぼろしを,前もって見させていただきました。(マタイ 17:1-9)それで,彼はつよい確信をもって次のように語ることができました,「預言の言葉は,わたしたちにいっそう確実なものになった。あなたがたも……この預言の言葉を暗やみに輝くともしびとして,それに目をとめているがよい」。―ペテロ後,1:19,新口。
23 神の目に見える偉大な創造は,秩序と美にみちるものです。同様にエホバの預言的な言葉の解明も,その言葉を学ぶ者にとって秩序のあるもの,調和にみちるもの,そして建ておこすものです。「天が下のすべての事には季節があり,すべてのわざには時がある」。(伝道 3:1,新口)聖書の預言の成就は,このことを絶対的に証明するものです。ダニエルの預言は,幾世紀もずっと昔,キリストの初臨が(西暦)29年であり,天的な栄光のうちになされる彼の再臨は(西暦)1914年であると,正確に預言しました。またこれらの重要な出来事にまつわる時についての他のしるしをも多く述べました。ダニエル書 4,9,11と12章。
24,25 (イ)イエスはどんな強力な預言をしましたか。その成就は,私たちにどう影響するべきですか。(ロ)時代ということを考えるとき,私たちはそれ以外の何に注意を払わねばなりませんか。
24 キリストが御国の力をもって臨在することを表わし,かつ世の終りを表わす,「しるし」についてのキリスト自身の預言は,顕著なものです。この20世紀において,聖書のマタイ伝 24章,25章,マルコ伝 13章およびルカ伝 21章は力づよい成就をみました。この利口ぶった宇宙時代にますます「諸国民が悩み……人々は世界に起ろうとする事を思い,恐怖と不安で気絶するであろう」。しかし,預言を理解する者たちは,救いのたしかな希望をいだいて,頭をあげます。(ルカ 21:25-28,新口)エホバの立証と救いのすばらしい御わざは,直前に迫っています!
25 私たちは預言的な言葉に注意を払っていることを示すため,自分のコースをもたえずしらべねばなりません。それは,エホバへの忠実をしっかり保つためです。このサタンの世の終りをしめす「しるし」についての多くの特色を述べた後に,イエスは警告をつけ加えています。(ルカ 21:34-36,新口)いまこそ,目をさましていなければならぬ時であります!
26 私たちは注意を払っているエホバの見張の例にどのように注意することができますか。
26 神の戦争 ― ハルマゲドン ― の日が近づくにつれて,新しい世の社会内のあなたの立場を保ちなさい! 研究,神への奉仕,および神の民との交わりのあらゆる機会に注意を払いなさい。しっかりしていなさい。今日,地上にいるエホバの証者の忠実な見張級の指導に気をつけて従いなさい。忠実な見張級の者たちは,エホバの預言的な言葉の成就をだいたんに宣明しているのです。「耳をかたぶけてつまびらかにきくことをせしめよとかれ獅のごとくよばはりて曰けるはわが主よわれ終日やぐらに立ちよもすがら斥候の地にたつ」。エホバは目ざとい見張人にたいするむくいとして,その戦いとサタンのバビロン的な世界におよぶ結果を前もって知らせます。―イザヤ 21:7-9。
27 どんなおそろしいわざが近づいていますか。忠実を守る者たちは,どのように行動するべきですか。
27 まちがってはいけません! エホバのあらゆる御わざの中でも,もっともすばらしいもの,もっともおそるべきものは,この時代の人類の上にのぞもうとしているのです。エホバは滅亡の暴風を吹きおこす前に,新世社会内の忠実な者たちにこう告げておられます,「なんぢ腰ひきからげて丈夫の如くせよ」。おそれずに証言しつづけて,エホバの御名に誉を帰しなさい! ハルマゲドンが始まるとき,神ご自身は「奇しくも御声を放ちて鳴りわたり,われらの知ざる大なる事を行ない給ふ」。神の天の武器は猛然と活動を開始し,弾導弾よりもっと正確に的にあたるでしょう。悪い者たちを滅ぼすときに,エホバがどんな宇宙の力,あるいは他の力を用いるか,知る人はひとりもいないでしょう。(ヨブ 37:5; 38:1,3,22,23)ハルマゲドンの時まで私たちがみなエホバの新しい世の社会内で献身した立場を保つことができますように! そして,その戦いのすばらしい時を通り抜けることができますように!―コリント前 16:13。詩 46:1,2。
28 (イ)神がヨブにむくいを与えたことによって何が表わされますか。(ロ)エホバを賛美する注意深い者たちは,いま何を歌いますか。
28 ヨブは神のすばらしいみわざ,特にエホバの立証についてのエリフの音信に注意を払ったので豊かな報いをうけました。それと同じく今日のエホバの証者の残れる者は,すばらしい繁栄の状態にはいりました。彼らは数多くの「子供たち」を持つという祝福をうけています。その「子供たち」は,この地上で永久に生きることを期待しており,全世界で神に奉仕しているので,ほんとうに美しいものたちです。(ヨブ 42:12-15)すべての者は一致調和してエホバをたたえ,エホバの新しい世に生きのこる見込みによろこんでいます。彼らは幸福な気分でこう歌います,「エホバは大にましませば最もほむべきかなその大なることは尋ねしることかたし,この代はかの代にむかいてなんぢの事跡をほめたたへ,なんぢの大能のはたらきを宣べつたへん,われ汝のほまれの栄光あるみいづと,なんぢの奇しきみわざとを深く思はん」。(詩 145:3-5)すべての者は,神のすばらしいわざに注意を払いつつ,忠実をしっかり保ちます。