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「優れた婦人」が示す忠節な愛ものみの塔 1978 | 6月1日
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になることを進んで受け入れます。しかし彼女はエホバが自分に反対しておられると感じているようです。(ルツ 1:13。サムエル前 3:18と比較してください)多くの子供を産む胎は神の賜物であり,子供が産めないのはのろいである,と考えられている時代ですから,生きている子孫が一人もいないことは,女にとって屈辱であるにちがいありません。それにメシアの家系に寄与するどんな望みが今のナオミに持てるでしょうか。
謙そんな落穂拾いが恵みを受ける
18 落穂拾いにおいてルツは何をするでしょうか。そして「偶然に」だれの畑に降り立ちますか。
18 ナオミとルツは,「大麦の収穫の始まる」,春の初めにベツレヘムに来ました。(ルツ 1:22)勤勉でよく仕えるルツはナオミの許しを得て出て行き,穀物畑で働く刈り入れ人たちのうしろで落穂拾いをはじめました。落穂拾いは,貧しく苦しんでいる者,外国人居住者,父親のいない子ややもめなどのために,エホバがもうけてくださった愛情のこもった定めであることを,ルツは知っています。イスラエルでは,こうした人々は,刈り入れ人がうっかりして,あるいは意識的にあとに残していく収穫物をいくらでも集めること,または拾うことを許されているのです。(レビ 19:9,10。申命 24:19-21)ルツには落ち穂を拾う権利がありましたが,ある畑で謙そんに頼んでその許しを得ました。しかしこのことに神のみ手が働いていたことは明らかです。というのは,「偶然にも」彼女は「ボアズに属する一続きの畑に降り立った」からです。―ルツ 2:3,新。
19,20 (イ)ボアズとはだれですか。(ロ)なぜルツは増長したわがままな女などではないと言えますか。
19 ご覧なさい! ボアズがやって来ます。ボアズは「大きな富を持つ」者で,サルモンとラハブの子です。そうです,ボアズはユダ人です。ボアズは働き人たちに大いに尊敬されている,思いやりのある主人であるばかりではありません。刈る者たちに,「エホバが共におられるよう」とあいさつし,それに対して彼らが「エホバが祝福されますように」とこたえるところをみると,真の神の敬虔な崇拝者でもあります。―ルツ 2:1-4,新。
20 刈る者たちの世話をしている若者から聞いてボアズは,ルツが最近ナオミと一緒にベツレヘムに来たモアブの女であることを知ります。許しをもらったあと彼女は,朝の涼しい時から陽が高くなるまで,暑くても不平も言わず,まじめに落穂を拾いつづけて,今しがた家の中に入り,といってもそれは刈る者たちの小屋にすぎませんが,しばらく腰をおろしているところでした。ルツは確かに増長したわがままな女ではありません。―ルツ 2:5-7。
21 ルツのどんなところにボアズは心を打たれましたか。クリスチャンの婦人はこれからなんらかの結論を引き出せますか。
21 のちほどボアズはルツに,よその畑で落穂を拾わずに,わたしのところの若い女たちのそばにいつもいなさい,と勧めました。女たちは刈る者たちの後ろにいて,麦を束ねていったのでしょう。ボアズは若者たちに,彼女に触れてはならない,と命じました。また彼女は,若者たちが満たす水がめの水を飲むことも自由でした。そのことを深く感謝したルツは謙そんにひれ伏し,地に身をかがめて言います。「わたくしのような者があなた様の目に恵みを得,気に掛けて頂くとは,どうしたことでございましょう。わたしは異国の者でございますのに」。ボアズは年を取った男の気まぐれな好みから,彼女の愛情を得ようとしているのではありません。ルツが老いたしゅうとめから離れず,父母や生まれた国を後にしたことをボアズは聞いていたのです。ルツの忠節な愛と謙そんさに心を打たれたことは明らかで,彼はこのように言いました。「エホバがあなたの行ないに報いてくださるように。あなたに対する十分な報礼がイスラエルの神エホバのもとからもたらされるように。その[保護の]翼の下にあなたは避け所を求めて来たのです」。ルツが認めたように,ボアズは確かに彼女を慰め,彼女を元気づけるように話しました。―ルツ 2:8-13。詩 91:2,4。
22,23 (イ)ボアズはルツをどのように寛大に扱いますか。(ロ)ルツの勤勉さと利己的でない態度とはどんなことに現われますか。
22 刈る者たちが食事をする時になって,ボアズはルツに言います。「こちらに寄って,このパンを食べ,あなたのパン切れをこの酢[「すいぶどう酒」]に浸しなさい」。暑い時刻にこれはまたなんとすがすがしい薬味でしょう! ボアズはルツに煎った穀物を差し出し,彼女はそれを満足のいくまで食べましたが,まだいくらか残りました。 ― ルツ 2:14。新英語聖書と比較してください。
23 また仕事に戻ります。ボアズは寛大な精神から,自分のところの若者たちに,ルツには「切り取った穂の間でも拾わせなさい」と告げます。『束の中から幾らかを引き抜いて』後に残しておき,彼女が拾えるようにしなさい,という指示さえ与えます。夕方になります。それでもまだルツは拾い集めたものを『打ち』ます,つまり脱穀するのです。地面の上で穀物を棒またはからざおで打つと,大麦は茎ともみ殻から離れます。ルツが一日に拾い集めた穂は,なんと大麦13キロ以上になりました! これをルツはベツレヘムの家に持ち帰ります。利己的でないルツは,昼間食事のときに残しておいた食物も取り出し,貧しいしゅうとめに与えます。―ルツ 2:14-18,新。
24 (イ)人々がルツを「優れた婦人」と見るのはなぜ当然ですか。(ロ)なぜルツは,神を敬う婦人すべての優れた模範ですか。
24 ここでもルツはナオミに対して忠節な愛を示しています。そのうえにこの若い女性はエホバを愛し,勤勉で謙そんですから,人々が彼女を「優れた婦人」と見るのも当然です。(ルツ 3:11,新)確かにルツは「怠りのかて」を食べることをせず,骨おって働くために,困っている人に分け与えられる分さえあります。(箴 31:27,31。エフェソス 4:28)年を取り,やもめになったしゅうとめに対する責任を果たしていますから,このモアブの女は,与えることから来る幸せを知っているにちがいありません。(使徒 20:35。テモテ第一 5:3-8)ルツは確かに,神を敬う婦人すべての立派な模範です。
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エホバは「十分な報礼」をお与えになるものみの塔 1978 | 6月1日
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エホバは「十分な報礼」をお与えになる
「エホバがあなたの行ないに報いてくださるように。あなたに対する十分な報礼がイスラエルの神エホバのもとからもたらされるように。その翼の下にあなたは避け所を求めて来たのです」― ルツ 2:12,新。
1-3 (イ)ナオミとルツの会話は,愛情深い家族における意思の交流について何を示唆しますか。(ロ)ルツがその日の落穂拾いの仕事のことをナオミに話したとき,どんな驚きが生じましたか。それでだれの導きのあることが明白になりましたか。
『あなたに対する十分な報礼がエホバのもとからもたらされるように』。初老のボアズはモアブの女ルツにそう言っていました。それは,イスラエルの神の翼の下に保護を求めて来たこの優れた若い婦人に対する,彼の心からの願いでした。(ルツ 2:12,新)しかしその願いは実現するでしょうか。実現するとすればどんな方法で? それはやがて分かるでしょう。
2 愛情の深い家族の場合,年上の者は若い者たちの活動に関心を持ちます。家族全員が自分の考えを述べ,その日のいろいろな活動について話す機会を歓迎します。ベツレヘムの粗末な家でもそのことは変わりません。夜の間ナオミとルツは楽し
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