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人間は地球に住むようにつくられているものみの塔 1972 | 8月15日
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状態です。無重力状態は循環系統に影響してその働きを弱めるので,地球の通常の重力のもとにもどるさいに,人間は死ぬおそれがあります。ですから,人間が宇宙空間にいるときには,血流を制御する特別の装置が必要です。地上では必要としないそれらの手段も,宇宙探検においては完全に成功するとは限らないのです。
たとえば1970年,ソ連の宇宙飛行士二人が,ソューズ9号で記録的な飛行を終えて地球に帰還し,飛行は『完全な成功』であったと言われていたとき,あるニュース記事は,彼らが地球の重力に対するからだの再調整に困難を感じていたことを報じました。飛行中は体重と筋緊張が減少するのがふつうでしたが,そればかりでなく,帰還後十日間ほどは,「心臓血管系が少し不安定で,睡眠も困難で」した。目の共同調和作用がうまくゆかなくて,色を正しく見分けることができなかったのも,長時間無重力状態の中にいたためとされました。
すみかである地球にいるかぎり,健康な人間には普通このような問題はありません。しかしそれよりもさらに重要なことがあります。つまり,人間はほんとうに地球から出たいと思っているか,ということです。宇宙空間を旅行してきた人たちのことを考えてごらんなさい。彼らは直接間接に,地球こそ人間のすみかである,ということを強力に示すことばを述べています。
アメリカのアポロ8号のスペース・チームは,月面から110㌔のところを回ったとき,月面のことを,「広くて,淋しくて,近づきがたい感じのする空虚な広がりで」「住んだり働いたりしたいとはとても思えない場所」と評しました。その3人組の乗組員は,聖書の創世記を読み,聖書が地球のことを『善し』と述べている点を強調しました。
1970年に宇宙旅行をしたソ連の二人の宇宙飛行士は,「『地上の食物』が食べたくてたまらなくなるという経験をした」といわれています。また昨年の6月,ソユーズ11号で地球への帰還途上にあったベテラン宇宙飛行士V・N・ボルコフは,他の二人の宇宙飛行士とともに死亡する何時間か前に,地球を見て,「下を見おろすとホームシックになる。太陽の光を浴び,新鮮な空気を吸い,森の中を歩き回りたいと思う」と放送しました。彼もまた,地球こそ人間のすみかであることを知っていました。
そうです,人間は,細部にいたるまで地球のものです。そして,地球はあらゆる面で人間の生存に完全に適しています。科学上の発見もその事実を裏づけています。聖書は何千年も前からそのことを述べてきました。ですから,この地球をまもなく楽園にするという神の約束について述べている聖書は信頼できるのではないでしょうか。―マタイ 6:9,10。ルカ 23:43。黙示 21:4,5。
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オムリ,イスラエルの強力な王ものみの塔 1972 | 8月15日
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オムリ,イスラエルの強力な王
● アハブ王の父,イスラエルの王オムリについての聖書の記述は非常に簡潔である。聖書は彼が12年間統治し,サマリアの都市を建設したことを説明している。(列王上 16:16-28)オムリがどれほど強力な王であったかを示す,他の資料が見いだされている。アッシリヤの記録の中でパレスチナはビトーフムリア,すなわち,オムリの家と呼ばれている。また今日よく知られている,1868年に発見されたモアブの石碑はオムリ王がモアブの王メシャを服従させ,ある期間モアブに対して力をふるったことを説明している。
モアブの石碑からのこの資料は,列王紀略下 3章4,5節の聖書の句の意味をさらに明らかにしている。
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