忠実な創造主
「あわれみあり,恵みあり,怒ることおそく,いつくしみと,まこととの豊かなる神」―出エジプト 34:6,新口。
1,2 「神」に関する現代の考えには,どんなものがありますか。
だれかを,あるいは何かを崇拝したいという欲求は,すべての人に生まれつきそなわっています。しかし「神」については,多くの異なった考えがあって,私には「神」というものが分からないと言い,分かるために努力しようとしない人もあれば,神はいないという人もあります。しかしその人々は自分,スポーツ界の英雄,映画俳優その他を崇拝しているのです。また「神」を神秘的な三位一体,後光のさした聖徒,あるいは仏陀また高価な寺院と考えている人もあります。無邪気そうな顔をした「福の神」もあります。そのほかにも神社に祭られた軍神,一定の祭日に,家族の供える色々な飲食物を納めるために戻ってくると言われる先祖の霊などがあります。
2 この20世紀には,無数の新しい神々あるいは新しい名を冠した古い神々があります。最近アメリカの25人のカトリックおよびプロテスタント神学者は,これらの神々として「肉体的な力と慰安」「経済的な安定」「名声」「性」「科学」「社会的地位」「原子力」「衝動」と「戦争」をあげていました。a ソ連にも,マルクス,ひとりぼっちのレーニン,「要害の神」などの神々があります。―ダニエル 11:38,新口。
3 聖書は,忠実な神についてはっきり何と述べていますか。
3 世界は「神」のことについて混乱しています。それで「いつくしみと,まことの豊かな」,忠実な神である創造主のことを,聖書の中で読むのは大きな喜びです! 創造主は被造物である人間に対して忠実な愛を示し,人間を正義の道に導き,御自分の永遠の御目的に関する真理を人間に教えて下さいます。また真の神にして人類の創造主であるのみならず,信仰を持つ人の忠実な友であられます。(創世 5:22-24; 6:9。ヤコブ 2:23)この愛にみちる神の友になる人々は,神の御名を聞いて喜び,御名を負う者となることを喜びます。その御名は,愛ある御親切,忠実,真実という点においていつくしむべきすべてのものを伴なっているからです。
4,5 (イ)創造主御自身がその御名について,何を宣言されていますか。(ロ)創造主の恵みを受ける人々にとって,その御名にはどんな深い意味がありますか。
4 創造主である神の栄光の御名を知らせることができるかたは,忠実な創造主御自身をおいて他にはありません。神は御名を知らせています! 預言者モーセに告げられた神御自身の言葉を聞いてごらんなさい,「ヱホバすなはち彼の前を過て宣たまはくヱホバ ヱホバあはれみあり恩恵あり怒ることの遅く恩恵と真実の大なる神」。(出エジプト 34:6)神は御名を持たれるという事実を強く強調しています! その御名は,エホバが御自分の御心を確実になし遂げる,目的を持つ偉大な神であることを示しています。エホバ! エホバ! これこそすべての名の上にある名 ― 不変にして永遠の名,忠実な創造主御自身のたぐうことのできない個性を表わす名です。―イザヤ 55:8-11。
5 エホバが創造を目的とされた新しい世において,そのたぐうことの出来ない御名は,すべての天よりも高くあがめられるでしょう。地もまたエホバを賛美するための聖所となります。その栄光ある御目的は,そのとき成就されます,「見よ,神の幕屋が人と共にあり,神が人と共に住み,人は神の民となり,神自ら人と共にいまして,人の目から涙を全くぬぐいとって下さる」。(黙示 21:3,4,新口)神と人とのこの幸福な関係は,きわめて親しく,また愛ある御親切にみちているので,新しい世の生活は喜びと楽しみに満ちあふれたものとなるでしょう。(イザヤ 65:17,18)本当に忠実な友,創造主! あわれみと恵みに富み,その独自の,無比の偉大な御名エホバによって,腐敗したこの世の「神ならぬ者」すべての上にいます神!―詩 115:1-4。イザヤ 37:18-20。
その創造の栄光
6 (イ)エホバの忠実な創造に心を打たれて,私たちは何をすべきですか。(ロ)創造主の賛美は天でどのように歌われていますか。
6 創造の物語っているエホバの忠実さを考えてごらんなさい。それを知るとき,私たちはエホバの御言葉を学び,御心を行なうことに忠実でありたいと,願わずにはいられません。(詩 19:1,14)図り知れない昔から,天の軍勢はエホバの忠実な創造のゆえにエホバをほめたたえてきました。(ヨブ 38:4-7)今日に至るまで生ける被造物の忠節な制度は,「御座にいまし,かつ,世々限りなく生きておられるかたに,栄光とはまれとを帰し,また感謝をささげて」います。神の御子キリスト・イエスと共に天の御国を継ぐため,地からあがなわれた人々も,賛美の歌を歌います,「私たちの神なるエホバよ,あなたこそは,栄光とはまれと力とをうけるにふさわしい方です。あなたは万物を造られました。御旨によって万物は存在し,また造られたのです」― 黙示 4:9-11,新口と新世。
7 エホバの創造した地球には,どのように目的が見られますか。
7 エホバの創造は,すばらしい御目的にみちています。地的な創造は,天的な創造の栄光をわずかに反映しているに過ぎませんが,それでも地上の私たちは,神が人類のために設けられた豊かな御準備に驚嘆します。神は太陽と地球,月を置き,それぞれの間の正しい関係を定めました。それで地球は熱と光とエネルギーに浴し,昼と夜,季節と潮の干満があるのです。地球の自然の力は,偉大な創造主の意図に従って,すばらしい釣り合いを保ってきました。まことに「ヱホバのみわざは大なり,すべてそのみわざをしたふものは之をかんがえ究む。その行ひたまふところは栄光ありまた稜威あり,その公義はとこしへに失することなしヱホバはその奇しきみわざを人のこゝろにとめしめたまへり」― 詩 111:2-4。
8 地に関するどんな御準備に対して,人間は心から感謝と賛美を創造主にささげるべきですか。
8 これらのみわざはその知恵と規模において,驚嘆に値するものです。地中に埋蔵されている鉱物と石油は実に豊富であり,なくてならぬもの ― 水は無尽蔵にあります! エホバは人間の呼吸する空気を作り,それが新鮮さと清浄さを保つようにされました。感謝することを知らない人間は,スモッグと放射能降下物で大気を汚染し,この「終りの時」にあって神の御準備を悪く用いています。(テモテ後 3:1,2,新口)エホバは驚くほど変化に富んだ植物の世界を造り出しました。植物には光合成を行なう力があり,太陽の光を使って熱量に富んだ食物を作り出します。また神は人間を楽しませる,なんと多様な食物を準備して下さったのでしょう! そのうえ色彩の変化に富む魚,鳥,動物が創造されました。それはみな人間に役立ち,人間を楽しませるものです。たしかに,神がこの地球を造り,さまざまのものを備えて人間に与えられたことは,神の比類のない忠実さと愛ある御親切の表われです。神を恐れる人々は,神をあがめ,賛美する気持ちを当然,心に抱くでしょう!―詩 37:29。ヨブ 12:7-10。
9,10 エホバの創造の中でも,人間はどんな面で特にすぐれていますか。
9 エホバは人間を創造して,これに心とからだ,各種の器官,働く力と能力を与えました。これは物質の創造の中でも,最大の奇跡です。たとえば,神の賜物である話したり,聞いたり,書いたり,読んだりする能力を考えてごらんなさい。完全さを失ったと言っても,神の人は感嘆の言葉を述べることができます,「われなんぢに感謝す,われは畏るべく奇しくつくられたり,なんぢのみわざはことごとくくすし,わが霊魂はいとつばらに之をしれり」― 詩 139:14。
10 直立する人間のからだは,何とすばらしく造られているのでしょう! 釣合いのとれたからだのつくり,その機械的また化学的な働き,驚くべき神経の組織,心と感覚は,人間の科学のとうてい作り得ないものです。驚くほど巧みに造られた10本のてこ ― 指を考えてごらんなさい。どんなに優秀な科学者も,これほど万事に有用な美しいものを考え,作ることはできません。また人間がこの地上に作り出したものは,小さなトランジスターから巨大な船に至るまで,神の賜物である指を使わなければ作ることができません。―箴言 31:10-13。
11 生殖の奇跡は,どのように創造主の忠実さを示していますか。
11 人間に授けられている子孫を生み出す力も,忠実な創造主の愛の御準備です。「神は…男と女とに創造された。神は彼らを祝福して言われた,『生めよ,ふえよ,地に満ちよ,地を従わせよ』」。(創世 1:27,28,新口)物質の創造の中で,生殖の奇跡ほど,すばらしいものはありません。胎児が成長するにつれてどんな形をとるかを計画し決めた人はいません。受精した卵細胞は,ひとりでに分裂して増殖します。全知の創造主が定め,人間の世代から世代に受けつがれて行く奇跡的な過程をたどって,胎児は定まった型通りに発育し,頭,からだ,腕,足ができてきます。輝く目,強力な心臓,美しく見せると同時に保護の役をする柔かい毛髪,これらのものを造るために,外部から材料を持ち込む必要はないのです。そのすべては増殖する細胞から出来てきます。神の定めた過程の終に至って赤ん坊が生れます。それは成長をつづけて,やがては一人前の男また女に発育します。このように忠実な創造主の定めに従って生命を受けたことに対し,私たちはたしかに感謝と賛美をささげることができます。―詩 139:15-17。伝道之書 11:5。
12 神の備えられたものに対し,人間はどんな感謝の言葉を言い表わすべきですか。
12 エホバは完全な知恵を以て,人間のために地球を創造し,人間を地球のために創造しました。全人類は感謝してたたえるべきです,「わが霊魂よヱホバをほめまつれ,わが神ヱホバよなんぢは至大にして尊貴と稜威とを衣たまへりヱホバよなんぢのみわざはいかに多なる,これらは皆なんぢの智慧にてつくりたまへり」。弱小な人間は,神から授けられたからだ,能力,生命の力を,自分の神,創造主のほまれのために使わなければなりません。次のように言い表わすことは当然です,「ヱホバよ汝のあはれみは地にみちたり,願くはなんぢの律法をわれにをしへたまへなんぢの誠命はみな真実なり」― 詩 104:1,24; 119:64,86。
創造主に忠実
13 人間は神と神の御子のかたちに造られたことを,なぜ感謝できますか。
13 「なんぢの律法をわれにをしへたまへ」。この願いは全く正しいものです! 神から与えられた心を持つ人間は,忠実な創造主の愛ある御親切に動かされて,当然このように願います。心の働きは何とすばらしいのでしょう!「神はまた言われた,『われわれのかたちに,われわれにかたどって人を造り』」。この事に対して,感謝しなければなりません! このようにエホバは,弱小な人間に神の知性と属性を与えました。それはエホバ御自身またその愛される天の御子の持たれる性質です。人間は神の原則を理解し,それに従って生活できるように,はじめから造られました。人間は神の律法を与えられました。愛の心から従うとき,人間は地的な楽園とエホバから豊かに与えられたすべてのものに対して感謝を表わすことになります。―創世 1:26-31。
14,15 (イ)アダムはどのように失敗しましたか。人類にどんな結果が及びましたか。(ロ)地に関する御目的を成就するため,創造主は何をしましたか。
14 最初の人は,この委ねられた栄光のあるものに不忠実となり,そのため死が全人類を支配するようになりました。(ロマ 5:12-14)アダムは恩知らずでした! しかしエホバは変ることなく忠実であられ,地に対するその御目的は変っていません。全地が楽園となって神に栄光を帰するために,地球は創造されました。(イザヤ 45:18,19)人類一般に対する大きな愛のゆえに,エホバは忠実な創造主の御名を知らせ,神の御準備に信仰を持つ人々のための贖いとなるために,愛する御子を地に遣わしました。―ヨハネ 1:14; 3:16; 17:6。
15 御子イエス・キリストは,杭の上で苦しみの死を遂げるまで,エホバのことを忠実に証ししました。(黙示 1:5; 3:14)それゆえにエホバは御子を復活させ,見えない天における御自身の右にまで高めて,恵みを与えました。西暦1914年以来,御子は地に対する創造主の御目的を成就するため,権威を与えられ,神の御国において支配しています。御子は「忠実で真実な者」と呼ばれてきました。この事と一致して御子は,ハルマゲドンの正義の戦いに備えます。その戦いの目的は天と地から悪をことごとく拭い去ることです。―黙示 19:11-21,新口。
16 エホバはどんな新しい創造を造り出しましたか。従順な人類の前途には何がありますか。
16 御自身の目的に忠実なエホバは,いまや新しい創造を生み出しました,「だれでもキリストにあるならば,その人は新しく造られた者である。古いものは過ぎ去った,見よ,すべてが新しくなったのである」。(コリント後 5:17,新口)これら「キリストにある」人々は人類の中から「召された,選ばれた,忠実な者たち」であり,従順な人類を祝福するために,キリストと共に天の御国で王となって支配します。すでに「数えきれないほどの大ぜいの群衆」が地の185の国々,島々から集められ,この世の終りを生き残って御国の地的な領域で永遠の生命を得るために,いま準備しています。―黙示 17:14; 14:3; 7:4,9-17。(新口)マタイ 25:31-34。
17 創造主の新しい世にはいるすべての人には,何が要求されていますか。どんな手本にならうべきですか。
17 創造主の造る正義の新しい世にはいるには,だれでも忠実と忠節を持たねばなりません。エホバはその創造と働きにおいて忠実です。献身したクリスチャンは,忠実さをつちかわなければなりません。「主は岩であって,そのみわざは全く,その道はみな正しい。主は真実なる神であって,偽りなく,義であって,正である」。(申命 32:4,新口)キリスト・イエスも,神の御心を忠実に行なうという点できわ立っています。詩篇 40篇8節(新口)は,たしかにイエスに成就しました,「わが神よ,わたしはみこころを行うことを喜びます。あなたのおきてはわたしの心のうちにあります」。祈りをこめて神の言葉を学び,集まりと奉仕において神の民と常に交わり,この終りの時にエホバから是認されている「忠実な思慮深い僕」の制度の導きに,忠実に従うとき,私たちも神の律法を心のうちに持つことができます。―マタイ 24:14,45-47,新口。
神の原則に忠実
18 (イ)御国の事柄を支持する人は,何を祈りますか。(ロ)試練のとき,神はどのように忠実ですか。
18 今の悪い時代に私たちの祈りは,「エホバの言葉が……早く広まり,またあがめられる」ことです。私たちすべてが御国の事柄を忠実に支持するならば,今後もわざの大きな拡大にあずかることができます。更に忠実な創造主は,サタンの世の攻撃にも固く立ち得る力を私たちに与えて下さるでしょう。「主は真実なかたであるから,あなたがたを強め,悪しき者から守って下さるであろう」。(テサロニケ後 3:1-3,新世と新口)誘惑と迫害のときにも,神の次の御約束に力を得ることができます,「神は真実である。あなたがたを耐えられないような試錬に会わせることはないばかりか,試練と同時に,それに耐えられるように,のがれる道も備えて下さるのである」。(コリント前 10:13,新口)「だから,神の御旨に従って苦しみを受ける人人は,善をおこない,そして真実であられる創造者に,自分のたましいをゆだねるがよい」。(ペテロ前 4:19,新口)神のわざと神の定めた原則を忠実に支持するならば,「まことあるヱホバ」から豊かに報われることを常に確信できます。―イザヤ 49:7。
19 専心の献身に関して,真のクリスチャンはどんな原則を守りますか。どのように?
19 これらの原則にはどんなものがありますか。モーセが述べ,キリスト・イエスも地上に来られたときに繰り返した一つのおもな原則は,「我らの神ヱホバは唯一のヱホバなり」という原則です。(申命 6:4。マルコ 12:29)真の崇拝の基本的なこの原則に照らしてみるとき,バアル,三位一体の神,アラー,ブラマ,仏陀あるいは共産主義の赤い神々のいずれにしても,他の神々はことごとく除かれます。この原則に従うエホバの証者は妥協せず,たとえばキリスト教と仏教を折衷した葬式をとり行なうようなことをしません。また氏神を祭る宗教行事に参加して妥協することをしません。「あなたは,それらを拝んでもならないし,仕えてもならない。あなたの神である私エホバは,専心の献身を求める神である」。―出エジプト 20:5,新世。
20 エホバの証者は,なぜ信仰を異にする人との結婚を避けますか。
20 エホバの証者が,他の神を拝む人や無宗教の人と結婚せず,また息子や娘がそのような結婚をすることに同意しないのは,やはりこの原則を尊重するためです。これに危険がともなうことは,昔のイスラエルの時代と少しも変りません。エホバは周囲の国民について次のように警告されました,「また彼らと婚姻をなすべからず汝の女子を彼の男子に与ふべからず彼の女子を汝の男子に娶るべからずそは彼ら汝の男子を惑して我を離れしめ之をして他の神々に事へしむるありてヱホバこれがために汝らにむかひて怒を発しにはかに汝を滅したまふにいたるべければなり」(申命 7:3,4)ハルマゲドンを目前にしたいま,この警告にはいっそうの重みがあります。
21 悪鬼の崇拝に戻らないようにするため,予めどんな措置をとるのが賢明ですか。
21 かっては異教の宗教を信じていた家族が聖書の真理を知り,エホバに献身するかも知れません。そのとき,悪鬼崇拝の遺物である偶像,仏壇,先祖の位牌をどうすべきですか。これらの物が家の中にある限り,霊的に危険なものとなります。家のかしらが神の与え給うた原則を認識するならば,このような宗教的悪の名残りを一掃しなければなりません。それは家族が再び悪鬼崇拝に汚される危険を除くことになります。かっては神の原則を重んじていた賢明なソロモン王でさえ,その異教徒の妻たちが偶像をイスラエルに持ち込むのを許したために,堕落しました。―詩 106:36。列王上 11:1-13。
22 エホバの証者は,コリント後書 10章3節に述べられた原則をどのように尊重しますか。どんな結果になりますか。
22 コリント後書 10章3節(新口)には,クリスチャンの大切な原則が明記されています。「わたしたちは,肉にあって歩いてはいるが,肉に従って戦っているのではない」。サタンの世の分裂した諸国家は,国家の総力をあげて私たちを圧迫するかも知れません。しかし私たちはどんな事があっても,世界中のエホバの証者を一致させている愛の絆を破りません。第二次世界大戦のとき,人々の目を見はらせたエホバの証者の世界的な一致は,この原則を忠実に守ったからこそ得られたのです。このようにして,エホバの証者は,「つるぎを打ちかえて,すきとし,そのやりを打ちかえて,かまとし」という言葉に表わされている神の原則を真実に認識している,地上で唯一の民であることを示しました。またこれからも示すでしょう。(イザヤ 2:4,新口)共産主義者のおどしも,民主主義の国々における戦時の熱狂的な気分も,神の原則に対するエホバの証者の忠実を破ることはできません。
23 「新しい人」は神の御心に従ってどのように造られますか。
23 クリスチャン各人が,神の御心に忠実に従って生きるとき,使徒パウロの述べている「新しい人」を身に着けることができます,「心の深みまで新たにされて,真の義と聖とをそなえた神にかたどって造られた新しき人を着るべきである」。(エペソ 4:23,24,新口)神の御心を忠実に行なうため,クリスチャンは,滅びるサタンの世で近頃流行するもの,また最近のあがきとして作り出されたもので,クリスチャンの忠実と容れないものによって,汚されてはなりません。―テモテ前 4:7-10。
24,25 (イ)神の律法と原則を尊重する人は,いま広く行われている輸血をどのように見ますか。(ロ)輸血はどのように「新しい人」を害することがありますか。
24 現在世の中でむやみに行なわれている輸血は,そのひとつです。二つの世界大戦によって何百万人の血を流した世界から見れば,これは小さな事かも知れません。(創世 9:5,6)しかし血はエホバの御前で神聖であるとの神の原則に固くつき従う忠実なクリスチャンにとって,これは大切な問題です。「すべて肉の命はその血だからである」と忠実な創造主,生命の与え主御自身が言われます。(レビ 17:14,新口)血は神の目に尊いものであり,神は賢明にも血の使用に関する律法を定めました。それは人間にとって益のあるものです。創世記 9章4節(新口)においてノアに述べられた神の律法は,ノアの子孫である全人類に適用されます,「しかし肉を,その命である血のままで,食べてはならない」。この律法は,初期クリスチャン会衆の統治体が下した決定の中で再び述べられており,真のクリスチャンすべての従うべきものと定められています,「聖霊とわたしたちとは,次の必要事項のほかは,どんな負担をも,あなたがたに負わせないことに決めた。それは,偶像に供えたものと,血と,絞め殺したものと,不品行とを,避けるということである。これらのものから遠ざかっておれば,それでよろしい。以上」― 使行 15:28,29,新口。
25 偶像崇拝と淫行は,クリスチャンの人格に害を与えますか。その害は図り知れないほど大きなものです! 血を含む食品にしても輸血にしても,血を採り入れることは,それと同様です。クリスチャンの統治体は,他の二つの悪と一緒に血のことを述べているからです。そのうえ,最近の医学の研究によれば,輸血は人格に悪い影響を及ぼすことが実際に知られています。一権威者によれば,「人の血液は,実際にはその人自身である。血液にはその人の持つあらゆる特性が含まれている。それには遺伝による好ましくない性癖,病気にかかり易い体質,個人の生活に原因する毒,飲食の習慣が含まれる」bということです。ゆえに輸血は悪い人格を移し入れることになるかも知れません。犯罪者や社会の落伍者からも血液を得ている血液銀行の供給した血液には,大きな危険がひそんでいます! 人間の創造主は賢明に,また忠実さをもって,この危険から人間を守るために血を禁ずる律法を定めました。―レビ 17:11-14。
26 忠実な創造主の御心に忠節を守る人は,どんな報いを得ますか。
26 創造主の御心を忠実に行い,忠節を保つ人々が,その恵みと祝福に欠けることは決してありません。「ヱホバはたゞしき者にして義しきことを愛したまへばなり,直きものはその聖顔をあふぎみん」(詩 11:7)このような人々は,エホバが「あわれみあり,恵みあり,怒ることおそく,いつくしみと,まこととの豊かなる神」であることを,本当に知るでしょう。またこれからもその御名に喜び,間もなく,「之をにくむ者」の最後の世代にハルマゲドンの滅びが臨むときに保護されるでしょう。生き残るすべての人は,「汝の神ヱホバは神にましまし真実の神にましまして之を愛しその誠命を守る者には契約を保ち恩恵をほどこして千代にいたる」ことを知るでしょう。このようにして,すべての全き人々は象徴的な「千代」にいたるまで,楽園の地で永遠の生命の報いを得て,忠実な創造主に永遠のほまれを帰するでしょう。―申命 7:9-11。詩 98:1-3。
[脚注]
a プロテスタントの刊行物「今日のキリスト教」(英文)
b アロンゾ・ジェイ・ニレアドマン博士著「あなたの医者はだれで,なぜ?」(英文)