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どこまで続くか
● 1970年にイタリアの議会は,民事離婚を認める歴史的な法律を成立させました。さて,今年の5月12日にこの法律を廃止すべきかどうかについて国民投票が行なわれました。そして2か月間,イタリアの司教および司祭や修道女19万人の大半が ― 全員ではなかったが ―,同法の廃止を支持する激しい運動を展開しました。キリスト教民主党もまた,その運動を支援しました。その投票はイタリアにおけるカトリック教会の将来にかかわる重要なものだけに,国際的関心を引き起こしました。結果はどうでしたか。
その運動は惨敗を喫しました。というのは,イタリアの人びとはほとんど三対二の割合で同離婚法を維持する立場を支持したからです。ローマ市の場合,市民の七割が離婚法廃止に対して反対投票をしました。教皇の出身地区であるブレーシアでさえ住民は同法の廃止に対して反対投票をしました。UP至急報はこのことを,「1870年,イタリア軍が教皇ピオ9世をバチカン市へ追い払い,俗事に対する教会の支配を終わらせて以来,イタリア政治史上,ローマ・カトリック教会にとって最悪の敗北」と評しました。
離婚法以上のはるかに重大な事がらが危機にひんしているようです。このことは,国民投票の結果がひとたび判明するや「反聖職者諸団体が,教会に特別の地位を与えている法律すべてに関して国民投票を行なうことを求めた請願に対する署名を集める全国的な運動を開始する旨宣言した」との至急報からもわかります。そうした法律の中には,「ローマ・カトリック使徒伝承の宗教は,国家の唯一の宗教である」と定めたものも入っています。そのほかにも教会関係の諸機関に課税免除や特別な恩典を与える法律があります。
当「ものみの塔」誌の読者は,こうした事態に接しても驚かされるものではありません。「禍の前兆」は聖書の預言の中に記されて,久しく現われていたからです。―啓示 17:15-18。
三番目の性病と口腔性愛
● 疱疹ビールスによる伝染病は目新しい病気ではありません。このビールスはとりわけ,口の中や周辺部に普通の“口唇疱疹”を起こします。しかし,1960年以来,疱疹伝染病は,非常に伝染しやすい性病として劇的な仕方で登場してきました。今や性病の分野では,外陰部疱疹はりん病(梅毒よりも約30倍も広くまん延している)の次に挙げられています。男性や女性の生殖器の周辺の疱疹は,痛みをともなう病巣を作ります。一時的とはいえ,それは重大な結果をもたらす恐れがあります。産道を通るさいに新生児は,この病気に感染する恐れがあり,四件につき一件の割合で,致命的な結果が生じています。赤ちゃんは生き延びても,脳障害を被る場合がしばしばあります。それだけではありません。外陰部疱疹と女性の子宮頸のガンや多分男性の前立腺のガンとの間にも関係があることを示す証拠があります。また,種々の研究は,妊娠時の流産の危険性がいっそう大きくなることを示しています。
「タイム」誌は,外陰部疱疹が「主に性的に乱脈な人びと」,特に若い人びとを悩ます傾向があると述べています。「メディカル・ワールド・ニュース」誌(1974年4月26日号)の中で,エルマー・G・ルッツ博士は,口腔交接について尋ねる患者に,このビールスが「口腔部から外陰部へ,またその逆に伝染する」可能性があることを何年間も指摘してきたと述べました。性に対するより厳格な態度からの解放は,「必ずしも自由に導くものではない。たとえ自由に導くとしても,それはほかの自由を犠牲にしたうえでのことである。クンニリングスやフェラチオ[口腔性愛の形式]は,寝床を共にするには危険な相手と言えよう」と彼は警告し,一方,「徳行は多くの場合健康をもたらすものである」と述べました。
このことは,ローマ 1章26,27節に述べられている真理を再び強調しています。「自然に反する」性行為にふけるものは結局,『自分たちの誤りに対して十分な返報を身に受けます』。
年を取っても衰えない知力
● 若さを強調する現代の風潮とは反対に,聖書はしばしば老齢と知恵を結びつけています。(ヨブ 12:12,20; 32:6,7)しかし,老齢は知的能力の低下をもたらすのではありませんか。中には年を取って,ぼける人がいます。とはいえ,デトロイトの「サンデー・ニュース」紙の最近の記事は,多くの精神科医や教育者そして老人病学者によれば,年を取るとともに自動的に知能が低下するという見方は今や“神話”とみなされていると述べました。ミシガン大学のハワード・Y・マクラスキー教授は,「もしも生活がしがいのあるものであり,人々が自分の才能を用い続けるなら,年齢にかかわりなく知力の面で成長し続けるものであることを示す十分の証拠がある」と述べました。このことと詩篇 92篇12-15節のすぐれた描写とを比較してみてください。