ヱホバの証者の『神の御心』国際大会
ヱホバの民は,神の御心により,1958年7月27日から8月3日にかけて,神の御名に関する画期的な証言を行うため,ニューヨーク市における神の御心国際大会に集まることができたことを深く感謝しています。
いまだかつてこのように大きく,深い感銘を与えたクリスチャンの集まりが行われたでしようか。ニーヨーク市でいちばん大きい二つの野球場 ― ヤンキー野球場とポロ野球場 ― に集まつた,123ヵ国を代表する大群衆は,この大会が多くの点で比較できないほど祝福されていることを確かに感じました。
エホバの証者の神の御心国際大会は,最初の日から記録的な出席者数をみました。第一日目の午後の集会に出席した人々は実に18万291人という大群衆で,ヤンキー野球場とポロ野球場を埋めつくし,球場の近くに張つてあつた予備テントにまであふれ出ました。この大聴衆が,出席者の数を聞いた時は,全く驚いてしまいました。それも無理ではありません。というのは,その出席者数は,ヱホバの証者が,1953年にヤンキー野球場で開催した先回の国際大会の最高の出席者数を遙かに超えていたからです。
最初の日に,ヤンキー野球場とポロ野球場につめかけた出席者たちは,両野球場で行われる事がらを記入した,美しい装幀の32頁のプログラムを受け取つて胸を踊らせました。2,3の例を除いては,同じ講演者が両方の野球場で話し,プログラムは2回くりかえされました。出席者たちは,この極めて興味深いプログラムをめくつて行く中に,それぞれの日に主題がつけられていることに気づきました。たとえば開幕日の7月27日の主題は『忠実の日』というぐあいです。何とぴつたりあてはまつた主題でしよう!
日曜日の朝9時15分,大会は音楽と歌とその日の聖句と共に始まりました。歓迎の言葉というものは,いつでも喜びの中に待たれるものです。司会者M・G・ヘンシャルの歓迎の言葉は,出席者の心を鼓吹しました。『真のクリスチャンの最大の大会が今日開催されるため,ヱホバが私たちと共にいまし,私たちがここに集まつたことはヱホバの御心によるものであることを確信します』と彼は宣言しました。
やがて午後1時20分。音楽と歌で午後の集会が始まりました。ノア会長は,ヤンキー野球場の走路に集まつていた,過去31クラスのギレアデ卒業生1461人に,聴衆の注意を向けさせて,聴衆をたいえん感動させました。
そして,演壇の前の方に着席していた卒業生は,まことに色とりどりで,あざやかな光景でした! 各自,自国の服装で正装した65の国から来た103人の卒業生は他の出席者と共に,キレアデ学校の教訓者の,激励に満ちた話に耳を傾けました。その次には副校長の話がありました。F・W・フランズは,『支配しつつある神の御国の宣教者』という題で,真のキリスト教宣教者について説明し,次のように宣言しました。『キリスト教宣教者の使命は,未開発諸国または不利な条件に悩む国々に対する経済援助計画ではありません。私たちの使命は,それよりもつと重要な宗教上の援助計画であります。』
卒業式は,『これらの事がらを固守せよ』という講話と,校長N・H・ノアの卒業証書授与に至つて最高潮に達しました。ノアは,この最大のキレアデ卒業式場で,忠実という主題を適切に強調し,『神の御旨を行い,それを固守することだけが,価値あるわざです』と,宣言しました。
伝道のわざを忠実に行つたため,多くの国で大きな増加が見られたとノアは話しました。どの国が世界で第3番目に多くのヱホバの証者を有しているかをノアが説明した時,万雷のような拍手がわき起りました。なんとそれは共産主義の国ポーランドなのです! そして拍手がなかなか鳴りやまなかつたのは,大会出席者たちがポーランドの兄弟たちに対して,大きな尊敬をいだいているというしるしでした。
いつの間にか雨が降りはじめました。しかし卒業生たちは,卒業証書を受け取るためにかさをさして美しいステージにのぼつて行きました。ノアは,ひとりひとりの卒業生が,どこに派遣されるか,いつ献身したか,神の真理を学ぶ前にどんな宗教を持つていたかを出席者たちにつげて,彼らの心を喜びで満たしました。こうして卒業式は雨にふられたまま終了しましたが,その上にそそがれたゆたかな祝福は,その雨をはるかにしのぐものでした。
全き献身の日
月曜日全体を通じて全き献身という主題が,支持されました。4日の間,朝の9時半から11時半まで,英語の外に20ヵ国語で,講演が行われました。また多くの人々が野外奉仕を行いました。午後は,11の異なつた国を代表する兄弟たちが『北アメリカと中央アメリカにおける全き献身の成果』について話しました。またこの日には,30分間にわたる対談が5つ行われました。地域の僕H・L・ブリセット兄弟は『新世社会の関心事に対する専心』という題で講演しました。
同兄弟についで私たちの愛するマックミラン兄弟が立ちました。マックミラン兄弟は,『小さな事に忠実であれ』という話の中で,小さな事がらに忠実であるということは,日々の聖句を読んでそれを熟考し,注解を述べ,集会において自分の意見を発表し,戸別伝道の記録をつけることも含まれていることを指摘しました。同兄弟の話は,いく度となく愛情のこもつた拍手で中断されました。
N・H・ノアはその午後,15万1003人の出席者に,『終りの時のしるしと不思議』という題で主眼となる講演を行いました。その話は,エホバ神が,イスラエルの国民に対する一つのしるしおよび不思議としてイザヤを用いられた方法に基づいていました。
神の御国の良いたよりが,残れるものや彼らの仲間によつて,あらゆる場所で伝道されているという事実は,『神の御国が宇宙の首都として立てられた』しるしであり,『また,この世の諸国民が今終りに直面していて,神の御心によると,私たちの伝道が終ると同時に滅びるということを警告するしるしである。』とノアは話しました。
宣教を拡大するの日
火曜日の午後はやくから,『宣教を拡大するの日』の祝福を受ける為,大群衆が野球場につめかけました。彼らは拡大に関するなんというすばらしいニュースを聞たいことでしよう。南アメリカの11の国々からの報告は,5年間に,御国のわざがどのようにして100パーセント拡大されたかを示しました。たとえばブラジルは100パーセントを突破して,106パーセントの増加を見,またコロンビヤはそれをうわまわつて150パーセントという驚くべき増加を示しました。
次に拡大をさらに促進する新しい助けが発表されました。N・H・ノアの演題は,『スペイン語を話す人々が読み書きを学ぶ本』でした。そしてそこにいた何千人という人は,『読み書きを学びましよう』というスペイン語の小冊子をたいへんな喜びの中に受け取りました。ヨーロッパ地帯の地帯の僕,F・S・ホフマンは,『あなたの霊的食欲はいかがですか』という話をしました。規則正しく食事をすることがよい健康を保つために重要であると同じく,霊的食物を定期的にとることが肝要であることを彼は力強い話し方で聴衆の心にうつたえました。
この日の顕著な点は,ものみの塔協会の副会長F・W・フランズの講演で,彼は『神の愛に満ちた御親切と御国』という題で話しました。フランズが,心をとらえずにはおかない方法で,イザヤ書 55章から4節の『なんじら渇ける者ことごとく水に来れ,金なき者も来るべし,汝らきたりてかい求めてくらえ,きたれ金なく価なくしてぶどう酒と乳とをかえ』という言葉を叫んだ時,14万7135人の人々は全く感動させられました。彼はつづけて後の3つの聖句を引用し,『ヱホバ神が』いかに『渇ける者,空腹な者に呼びかけ,招待していられたか』を説明しました。さらに『飲んで渇をいやし,食べて空腹を満すべき何ものがあつたのでしようか。それは,ヱホバ神がダビデ王と結ばれた契約の成就による正義の王,公正な政府でありました。』と話しました。彼の力強い話は,御国契約を中心にして行われました。
火曜日の晩のブログラムは,宣教を拡大するように,すべての人々の心をふるい立たせました。地帯の僕H・W・アルノットは,正しい決定を行うには,ゆたかな霊的識別力が必要であるということについて話しました。ブルックリン・ベテルのD・サイドリックは,『神の働き人として奮闘せよ』という題のもとに,すべての神の奉仕者は,働き人であつて,自分の仕事の質に関心をもたなければならないことを指摘し,『もし私たちがまずい仕事をするならば,私たちは人々の救われる機会を弱めているのである』と話しました。韓国の支部の僕D・L・スティールは,『何が洗礼を受けるのをはばむか』という題で講演しこう断言しました。『もしあなたが,献身し洗礼を受けるべきことを知つていてそれを行わないならばあなたは洗礼を受けたと同じく,ヱホバの御前に責任をもつています。』次は,南アフリカの支部の僕G・R・フイリップスの『円熟はすべての奉仕者の目標』に関する話でした。そして円熟はどのように表われるか』と質問を起し,御国奉仕に定期的であることによつて表わされることを指摘しました。(この報告は次号につづきます)
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ヤンキー野球場の講演台
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1958年7月27日–8月3日,ヱホバの証者の神の御心国際大会,出席者数253,922名
ヤンキー野球場
ポロ野球場
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わが神よ,我は聖意にしたがうことを楽しむ。なんじの法は,わが心の中にありと,われ大なる会にて義をつげしめせり。神よ,われ口唇を閉じずヱホバよなんじこれを知りたもう。われなんじの義をわが心の中に秘めおかずなんじの真実となんじの救いとを宣べ伝えたり。我なんじの仁慈となんじの真理とを大いなる会にかくさざりき。詩 40:8-10。