マゴグのゴグに対するヱホバの言葉
『ヱホバの言葉我にのぞみて言う。人の子よ……マゴグの地の王ゴグに汝の面を向け,之に向いて……言うべし,主ヱホバかく言いたもう。……ゴグよ,みよ我なんぢを罰せん。』― エゼキエル 38:1-3。
1 ヱホバ神に依存することができますか。
組織と秩序を守る神ヱホバは,御自分のすべての目的にたいする正しい時と定められた予定を持つておられます。『天が下の万の事には期あり,万の業には時あり……(神は)万の事と万の業に時あるなり。』(伝道之書 3:1,17)人はそれに頼ることができます。太陽の昇る時があれば,沈む時もあります。潮の満ちる時もあれば,潮の退く時もあります。実際,時と潮は人を待ちません。時と潮は人に頼つているのでなく,神により定められているからです。同じように,ヱホバの為されるすべてのこと,および為そうとヱホバが御目的を立てられているすべてのことは,人に依存しません。
2 ヱホバが聖書予言の著者,成就者,解釈者であることを説明しなさい。
2 実際に起る時よりもずっと以前に述べられている神の目的は,神の予言と呼ばれます。実際のところ,神の予言は前もつて書かれた歴史です。なぜなら,決して間ちがわない著者の言われておられるごとく,出来事は予定の時にかならず起るからです。『聖書の予言はすべて,自分勝手に解釈すべきでないことを,まず第一に知るべきである。なぜなら,予言は決して人間の意志から出たものではなく,人々が聖霊に感じ,神によつて語つたものだからである。』『聖書は,すべて神の霊感を受けて書かれた。』(ペテロ後 1:20,21。テモテ後 3:16,新口)全能の神は,御自分の目的の成就に十分の責任を取られる故に,予言の成就者と正しく言うことができます。予言の著者であり,かつ成就者であられる方は,予言を絶対正確に解釈する方であり,また啓示される方です。なぜなら,彼だけが初めより終を知つておられるからです。『解くことは神によるにあらずや。』― 創世 40:8。
3 ヱホバ神のみが将来の出来ごとを予言し得ることを裏書きするどんな言葉をダニエルは述べましたか。
3 神の予言者ダニエルは,これらの基礎的な真理を認めました。そして,次のように述べています,『永遠より永遠にいたるまでこの神の御名は賛まつるべきなり。知恵と力はこれがものなればなり。彼は時と期とを変じ王を廃し,王を立て……深妙秘密のことを顕わし,暗きにあるところのものを知り給う。また光彼の中にあり。』さらに,ダニエルがバビロンの大王の前に引出されて夢を解けと言われたとき,ダニエルはヱホバ神のみ予言的な秘密を知らせ得る,と告げました,『王の問たまう秘密は智者,法術士,博士,卜筮師などこれを王に奏上ぐることを得ず。されど天に一つの神ありて秘密をあらわし給う。彼後の日に起らんところの事の如何なれるかをネブカデネザル王に知らせ給うなり……我がこの示現をこうむれるは,すべての生る者にまさりて我に知恵あるに由にあらず,……神この後に起らんところの事を王に知らせ給えるなり。その夢は真にしてこの解明は確かなり。』(ダニエル 2:20-22,27,28,30,45)目的の神であられ,全智全能の永遠の神であられるヱホバは,御自分の大いなる目的を前もつて正しく述べ伝えることができます。そして,予定の時になつて,それらの予言が,成就されるか,または成就されようとする時には,そのような聖書予言を解釈することができます。
4 私たちは,いまどんな時にいますか。これはなぜ意味深いのですか。
4 過去40年の歴史的な出来事 ― 全世界的な戦争,地震,食糧不足,病気と悲しみ,犯罪と災,憎しみと福音伝道者の迫害,その他 ― は,サタンの支配するこの古い世の『終の日』に私たちが生活していることを絶対間ちがいなく証明しています。聖書の別のところでは,この古い世の『終の日』は『組織制度の終』と述べられています。(マタイ 24:3,新世。マルコ 13章,ルカ 21章。テモテ後 3:1-5)このことに関連して,聖書の予言の中で次のことを読むのは極めて意味深いものです,すなわち,現在の私たちの時代である『多くの日の後』『終の年に』『後の日に』ヱホバ神は,特別な言葉をマゴグのゴグに伝えると言われていることです。ヱホバの述べられたこの御目的は,2500年以上のむかしエゼキエル書の38章と39章に記録され,いま成就されつつあります。a
ゴグとその同盟
5 ゴグの正体を示すカギは何ですか。
5 このマゴグのゴグとは誰ですか。或る辞書編集家は,『ゴグ』という名前は『高い,山b』または大きな山の頂のように『高い,聳えるもの』という意味の言葉から来ているもので,象徴的には『巨大な大きなもの,力のある好戦的なもの』を指す,と考えています。c 一番最近の聖書の辞書編集家たちは,『ゴグ』という名前は『暗やみ』という意味のスメリア語ガグから来ている,と考えています。d この意見は,ゴグがサタン悪魔である,という事と良く一致しています。復活された後のキリスト・イエスは,タルソのサウロに次のごとく語りサタンの権威を暗やみに結びつけました。『あなたを彼らにつかわすが,それは,彼らの目を開き,彼らをやみから光へ,悪魔の支配から神のみもとへ帰らせるためである。』使徒パウロになつたこのタルソのサウロも,サタンの支配を『やみの力』と述べています。―使行 26:17,18。コロサイ 1:13,新口。
6 特に西暦1919年以来,サタン悪魔はなぜ『マゴグのゴク』と言われるのですか。
6 すべての関係している事実から,秘密の名前である『ゴク』は,ヱホバ神の大敵対者,すなわち西暦1914年の後,天から追い落されたサタン悪魔を指していることが分ります。このことにつき,聖書にはこう言かれています。『さて,天では戦いが起つた。ミカエルとその御使たちとが,龍と戦つたのである。龍もその使たちも応戦したが勝てなかつた。そして,もはや天には彼らの居る所がなくなつた。この巨大な龍,すなわち,悪魔とか,サタンとか呼ばれ,全世界を惑わす年を経た蛇は,地に投げ落され,その使たちも,もろともに投げ落された。』そのため『地と海よ,おまえたちはわざわいである。悪魔が,自分の時が短いのを知り,激しい怒りをもつて,おまえたちのところに下つてきたからである。』(黙示 12:7-9,12,新口)西暦1914年以来いまに至るまで「やみは地を覆い,暗やみは人々を覆つています。」現在,やみと絶望の神である悪魔は容易に地の人々を欺いています。悪魔が天から追出されてから,サタンの組織制度が全く終る時までは,『短い』のです。エゼキエルの予言の中では,この時が『マゴグの地のゴグ』にある暗と圧迫の支配の『後の年』『後の時』と述べられています。その予言の中の『マゴグの地』とは,むかしどの地方であつたか,はつきり分りません。しかし,このことから,地の近くの目に見えない卑められたところ,ということを良く示しています。いま天から追出されたサタンと悪鬼共は,神の監視を受けながら,そのところに抑制されているのです。
7 どんな要素は,ゴグの制度を構成しますか。
7 マゴグのゴグは,人間の目に見えない神であつて,現在の世界的な組織制度の悪しき支配者です。(ヨハネ 12:31; 16:11。コリント後 4:4。エペソ 2:2)見えない神であると共に,悪しき支配者であるマゴグのゴグは,地の近くに投落された見えざる悪しき霊たちと,目に見える地上の多くの仲間や同盟者たちで成立つ大きな制度の頭です。故に,高い権力を持つ地上の長たち,すなわち諸国民の目に見える支配者たちがこの世とその制度の神に全面的な支持と力を与えているのも,全く当然であります。
8 政治勢力や商業勢力が,マゴグのゴグの同盟者であることは,どのように示されますか。
8 政治家や為政家たちは,これらの事実には盲目かもしれません。しかし,彼らの国際会議,平和条約,条約の同意,誓約した同盟や連合によつて,彼らはゴグの側についており,ヱホバとそのキリストに敵対していることを示しています。商業や工業の大立物や,国際的な力と規模を持つ大投資者や銀行資本家たちも,同じくサタンの側について,マゴグのゴグとその制度に良く仕えています。『いかなればもろもろの国人はさわぎ立ち,民らは空しきことを謀るや。地のもろもろの王はたちかまえ,長らはともにはかり,ヱホバとその受膏者(イエス)とにさからいて言う。』― 詩 2:1,2。使行 4:25-30。
9 キリスト教国の牧師について言うならば,彼らもマゴグのゴグに同盟していますか。説明しなさい。
9 この世の支配者たちは,たしかに『ヱホバとその受膏者』に敵対しています。なぜなら,キリストは『私の国はこの世のものではない』と強く言われたからです。イエスの言葉によると,キリストの真の忠実な弟子たちは,『私が世のものでないように,…世のものではありません。』そのわけで,真のクリスチャンたちはキリストの支配するヱホバ神の御国の来るように祈れ,と教えられているのです。彼らは,ハルマゲドンで間もなく過ぎ去る現在の悪魔の世が永続するように祈れ,とは教えられていません。(ヨハネ 18:36; 17:16。マタイ 6:9,10,新口)しかし,キリスト教国の牧師たちは,キリストの命じた通りの祈をしていますか。いいえ,全然していません! 牧師たちは,この世の勢力と強い宗教 ― 政治同盟を結び,キリストの御国に反対している現在の組織制度を支持して是認しています。さらに,彼らはこの世の繁栄と成功をいつも祈つています。説教壇やラジオ放送を通して,牧師はこの世の指導者たちを賞賛しており,また国際連合制度のような反キリストの平和計画を祝福します。アメリカ合衆国のような国の立法機関が開会するときには,何時でも牧師が立会つて,神の祝福がその審議に注がれるよう祈ります。それで,この世の宗教指導者たちは,その交りを結ぶ仲間の者から判断して,姦淫を行う「この世の友」なることを示しています。彼らはヱホバ神の敵です。イエスはこれに似た宗教家の群にむかい,『あなたがたは自分の父,すなわち,悪魔から出てきた者であつて,その父の欲望どおりを行おうと思つている。』と語りました。―ヤコブ 4:4。ヨハネ 8:44,新口。
10,11 ゴグの支配と統治に従つていることを示すこの世の他の要素を言いなさい。
10 ほとんどすべての国にあるこの世の強力な軍事機関とか,また軍事戦略家たちは,無限と云える程の経済的な支持や,連隊に編成された兵力の後押しを受けていますが,マゴグのゴグによつて使用されていることは間ちがいありません。同じことは,科学的な発見や発明をする多くの知者たちについても言えます。多数の研究技術者や専門家を擁している彼らは,ゴグの戦争攻撃機関と守備機関の改良強化に躍起となつて働いています。この世のニュース機関や,宣伝機関には,巧みな言葉を書立てる人,雄弁家などがおり,また一般新聞,ラジオ,映画,テレビジョンなども含まれてます。そしてこの『現在の悪しき世』である現在の組織制度の価値をつねに誉めたたえています。それですから,それらのものもサタンの機関です。また,倫理,文化の多くの機関や,社会,教育,司法機関についても言うことができます。それらのものは,知つてか知らずか,ゴグの世界制度を積極的に助けて支持しています。大きな努力を払つていろいろの方法を行う彼らは,サタンの支配下にある諸国家の支配を設立して,改良し,そして永続させようと努めています。諸国家はみな,キリストの支配する神の御国に反対しているものです。『私の味方でない者は,私に反対するものであり,私と共に集めない者は,散らすものである。』とイエスは言われました。―マタイ 12:30,新口。
11 マゴグのゴグは,望んでいる者や望んでいない者をも合わせて,実に多くの仲間を地上に有しています。エゼキエルの予言が述べているように(38:3-6),ゴグの軍勢,同盟者たち,そして軍隊は数が多く,かつ強力なものです。さらに,『ロシ,メセリ,トバル……馬とその騎者を曳いだすべし。是みなその服粧に美を極め,大楯,小楯を持ち,すべて剣を執るものにして大軍なり。ペルシャ,エチオピアおよびフテこれとともにあり,みな楯とかぶとをもつ。ゴメルとそのすべての軍隊,北の極のトガルマの族とそのすべての軍隊など多くの民汝とともにあり。』古い昔のそのような者たちすべてに対して,ヱホバは言葉を伝えられました。そのことは,現在の終の日におけるゴグの近代制度の全軍勢に対して,ヱホバが類似の言葉をどのように述べるか,を予表していたものです。
ヱホバの言葉は何か
12 予表においても実体においても,ゴグに対するこの言葉の誉は誰が持ちますか。
12 これは,単なる人間の言葉ではなく,また人間の想像やあたまでつくられるものでありません。その予言を語つたエゼキエルは,自分自身の考えであるとは述べていません。エゼキエルは,言葉が神から来たものであり,大いにして全能のヱホバ神御自身から来たことを再三再四述べています。『ヱホバの言葉我にのぞみて言う。人の子よ……ゴグに汝の面をむけこれにむかいて予言し,言うべし。主ヱホバかく言いたもう。……ゴグよ,視よ我なんじを罰せん。』(エゼキエル 38:1-4)この同じ章の14節と17節でもその点が強調されており,また39章1,5,10,13節でも,これはヱホバの重大な言葉である,と予言者は述べています。同じく今日でも,マゴグのゴクに対して言葉を伝える責任と力は,正しくヱホバ神に属するのです。エゼキエルは神の用い給うた代弁者に過ぎませんでした。それで,今日でもヱホバの御名によつて言葉を伝える証者として語る特権を持つ人は,神の用い給う代弁者に過ぎません。
13 ヱホバがゴクとその同盟者に与える警告の大意は何ですか。
13 この言葉の内容は,ゴグとその同盟者に対する警告と亡びの言葉です。実際のところ,それは,さし迫つたハルマゲドンの亡びをサタンに告げ知らせる告知状です。ヱホバの言葉の大意は次のようです,「お前ゴグと,お前の支配下にある大軍勢よ,次のことを知れ ― お前たちのみじめな終は極く間近かになつている故,いまこそお前たちの全軍勢と資源を集める時である。私の証者たちがバビロンの捕われから解放されて集められているのをお前たちは見た。私の証者たちはいまや平和と一致の中に安全に住み,霊的な繁栄を十分に楽しんでいる。このことを見たお前たちは,一見すると石垣のない村のように思える無守備の会衆を攻撃せんと,その悪しき貧欲に充ちた心で考えている。だが,注意するが良い! お前たちが,私の忠実な民を亡ぼそうとして雲のごとくに降りるとき,私はお前たちの攻撃を中止させ,全地は私がヱホバなるを知るであろう。お前たち,ゴグとその支配下にいるすべての者に向つて私は警告する。程無くして私は怒り立ち,私の激しき怒のしつとの火はお前たちに降り注ぎ,全く亡しつくしてしまうであろう。全くのところ,神の報復は実に大きくて恐しいものである故,魚も鳥も地に飼う動物も,そして全人類も震えるであろう。想像して見よ! 大きな山々でさえもくずれ落ち,城壁を持つ要塞も覆えされてしまうであろう! 恐れは,お前の同盟者たちの心に充ちるため,彼らはお互いに殺人の破壊武器を用い合うことであろう。私は,間ちがいなく,お前とお前を支持している者たちに,あられや硫黄の火を溢れるばかりに注ぎ,お前たちを亡すであろう。逃れることができる,などという考えは全く愚かである! 全地と上の天に住むすべての者は,私がヱホバであることを知るであろう!」―エゼキエル 38と39章。
14 この警告の言葉を与えるとき,ヱホバは御自分の無比の力と至上性をどのように示しますか。
14 勝利を得るために,こそこそした卑怯な攻撃を加え,敵なるゴグの虚をつくことは,ヱホバにとつて必要ではありません。ヱホバの力は全く大きなものです。故にヱホバは時とところを定め,敵に最終の戦を準備するようすすめられ,そして最終の結果が何であるかをずつと以前にくわしく予言されています。『もろもろの国に宣つたえよ。戦の準備を為し,勇士をはげまし,軍人をことごとくちかより来らしめよ。なんじらの鋤を剣に打かえ,汝らの鎌を鎗に打かえよ。弱き者も我は強しと言え。国々の民よ起て上り,ヨシヤパテの谷(裁きの谷,モハット訳)に至れ。かしこに我座をしめて,まわりの国々の民をことごとく裁かん。鎌をいれよ,穀物は熟せり。来り踏めよ,酒槽は充ち,かめは溢る。彼らの悪大なればなりと。かまびすしきかな,無数の民裁きの谷にありてかまびすし。ヱホバの日裁きの谷に近づくが故なり。』― ヨエル 3:9-14。
15 聖書の予言と照し合わせるとき,ゴグの同盟者がハルマゲドンを生残ると考えるのは正しいですか。
15 徹底的な亡びがなされる故,死人は,糞土が畠を覆うように,地を覆うでしよう,『彼らにこのすべての言葉を予言して言うべし。ヱホバ高きところより呼わり,……叫び地の極まで聞ゆ。そはヱホバ国々と争い,万民を裁き,悪人を剣に付せば也とヱホバ言たまえり。その日ヱホバの殺し給う者は,地のこの極より地の彼の極に及ばん。彼らは悲まれず,集められず,葬られずして地の面に糞土とならん。牧者よ,なげき叫べ。群の長たちよ,汝ら灰の中に転ぶべし。そは汝らの屠らるる日充つればなり。我なんぢらを散すべければ汝らは貴き器のごとく落つべし。』― エレミヤ 35:30,31,33-35。
16 ゴグに対するヱホバの言葉の中には,どんな特別な招待がありますか。
16 ハルマゲドンの殺戮の後に,ヱホバは殺された多くの人の肉を食べよ,と鳥や獣にすすめられます。もしこのことが行われないなら,腐つた死体から病気や疫病が出てきて,ハルマゲドン生残者たちを苦しめ悩ますでしよう。ヱホバはこう言われています,『もろもろの類の鳥と野のもろもろの獣に言うべし。なんじら集いきたり,我が汝らのために殺せるところの犠牲に四方より集まれ。……なんじら勇士の肉を食い,地の君たちの血を飲め。』この聖句は,ゴグの制度内にいる傲慢で威張りかえつている者たちに対するヱホバの侮蔑を確かに示しています。ヱホバは,それらの者たちを無価値な腐肉のごとくに見なして,野獣や食肉鳥の食物になさせるからです!―エゼキエル 39:17,18。
17 ハルマゲドン生残者は,将来どんな幸福な仕事をしますか。しかし,先ず何をしなければなりませんか。
17 そのようなすばらしい勝利の御馳走が終ると,地上のいたるところに,埋めなければならぬ骨だけが残ります。生残者たちは,ゴグの軍勢の証跡を跡方なく地から清めねばなりません。それはなんとたいへんな仕事なのでしよう! ヱホバの御言葉によると,たとえ良く組織された仕事を行うにしても,骨を埋めるのに7ヵ月かかるのです。全時間の仕事をする偵察隊は地をくまなく調べ,もし骨が見つかるならば,しるしを立てます。すると,鋤や鍬を持つてその後に来る者たちは,それらを埋めます。(エゼキエル 39:14,15)その清めの仕事という特権を頂く人は,その仕事を不愉快で胸のむかつくような仕事だなどと見なすべきでありません。むしろ,長期間にわたつたゴグの圧迫の支配が終つて,悪しき者がもはやいなくなつた時でも,生命を持ち得ていることによろこぶでしよう。ハルマゲドン生残者たちは,幸福です。そして,王キリスト・イエスの統治を受けつつ地を全世界的な美と完全なパラダイスにする仕事によろこんで参加します。しかし,先ずその幸福な日の来る前に,ゴグに対するこの言葉は洩なく伝えられねばなりません。
誰が言葉を伝えるか
18 ゴグとその同盟者に対するヱホバの言葉を伝える特権は誰が持つていますか。エゼキエルは,これらの者たちをどのように良く予表しましたか。
18 マゴグのゴグに対する言葉は,神のつくり給うものです。しかし,ヱホバは献身をなして任命をうけた使者として人間を用いられ,それらの人間がヱホバの御名と権威をもつて,語るのを許しています。それで,これらの者たちは『ヱホバの証者』と正しく呼ばれます。昔の予言者たちは,証を伝えた使者であつたため,今日のヱホバの証者を予表していました。ヱホバはエゼキエルを御自分の代弁者に任命して,こう述べられています。『人の子よ,イスラエルの家に行きて我言葉を之につげよ。……わが汝に言うところのすべての言葉をなんじの心におさめ,汝の耳にきけよ。往てかのとらえ移されたる汝の民の子孫にいたり,これに語りて主ヱホバかく言たもうと言え。彼ら聴も拒むも汝然すべし』― エゼキエル 3:4,10,11。
19 (イ)ヱホバの証者のひとりであるエレミヤに,どんな権威が与えられましたか。(ロ)ヱホバの言葉を伝えるために,彼は誰のところにつかわされましたか。
19 神の忠実な証者のひとりであるエレミヤについては,次のように書かれています,『ヱホバの言葉我にのぞみて言う……汝をたてて万国の予言者となせりと。我こたえけるは,ああ主ヱホバよ,視よ我は幼少により語ることを知らず,ヱホバ我にいい給いけるは,汝われは幼少と言うなかれ。すべて我汝をつかわすところに行き,我汝に命ずるすべてのことを語るべし。なんじ彼らの面を恐るるなかれ,そわ我汝とともにありて汝を救うべければなりとヱホバ言い給えり。ヱホバ遂にその手をのべて我口につけ,ヱホバ我に言い給いけるは,視よわれ我言葉を汝の口にいれたり。みよ,我今日なんじを万民の上と万国の上にたて,……汝腰に帯して起ち,わが汝に命ずるすべてのことを彼らにつげよ。その面を畏るるなかれ。しからざれば,我かれらの前に汝を辱かしめん。みよ,我今日この全国とユダの王とその牧伯とその祭司と其地の民の前に,汝をかたき城,鉄の柱,銅の垣となせり。彼らなんじと戦わんとするも汝に勝ざるべし。そわ,われ汝と共にありて汝を救うべければなり,とヱホバ言いたまえり。』― エレミヤ 1:4-10,17-19。
20 どんな特別の点で,イザヤは音信を伝える今日のヱホバの証者を正しく予表していましたか。
20 イザヤも,現代のヱホバの証者を予表していました。予言者は,宮における主ヱホバのまぼろしを与えられたとき,こう叫びました,『わざわいなるかな我,ほろびなん。我は,けがれたる唇の民の中に住みてけがれたるくちびるの者なるに我が眠万軍のヱホバにまします王を見まつればなり。』西暦1918年に,主なるヱホバは裁きをするために実体の宮に来られました。そのとき,神の証者の残れる者は,活動しておらず,また現代のバビロンと妥協して束縛されていたため,イザヤの場合と同様に無活動のけがれた状態でした。しかし,イザヤの場合と同じことが現代にも生じました。恵みに充ちるヱホバは,御自分の民の悪を取除いて,その罪をゆるし,そしてより大きな奉仕の特権を与え給うたのです。『我またヱホバの声を聞く,曰く,我誰をつかわさん,誰か我らのために行くべきかと,そのとき我いいけるは,われここにあり,我をつかわしたまえ。ヱホバ言いたまわく,行きてこの民にかく告げよ……ここに我言いけるは,主よいつまでかくあらんか。主こたえたまわく,邑はあれすたれて住むものなく,家に人なく国ことごとく荒土とな……らん時まで』― イザヤ 6:5,8,9,11,12。
21 今日のヱホバの証者は,ヱホバの言葉を伝える正しい資格がありますか。そして,どのようにそうですか。
21 今日のヱホバの証者は,主の昔の証者と同じく最高の神の御前にあつて大きな責任を有しています,『神が私たちを通してすすめをなさるのであるから,私たちはキリストの使者なのである。』(コリント後 5:20,新口)キリストの使者である真のクリスチャンとして,ヱホバの証者はキリストの残した道と手本に従います。キリストはヱホバの使者または証者でしたが,自分自身で任命した者ではありません。(マラキ 2:7。ヨブ 33:23。黙示 1:5; 3:14)彼の言葉はヱホバの言葉でした。彼は自分自身の考えを語らなかつたのです。(ヨハネ 5:19,30; 7:28; 8:28,42)同じことは,20世紀のヱホバの証者についても言えます。彼らは自分自身で任命して神の証者になつたわけではありません。ヱホバがその任命をしました。その名前である『ヱホバの証者』も,彼らが選んだものではありません。神がその名前を選んだのです。(イザヤ 43:9-11; 44:8)彼らは,初めは『子供で』あつて,訓練もなければ,経験もありませんでした。しかし,ヱホバの啓示された言葉を熱心に研究し,また神の聖霊をいただき,その努力が祝福されることによつて,彼らは神の仕事を果すのに正しい資格を持つようになりました。『私たちの正しい資格は,私たち自身から来るのではない。私たちの正しい資格は,神から来る。神は私たちに奉仕者の資格を正しく与えておられる。』― コリント後 3:5,6,新世。
22 (イ)ヱホバの証者は,自分に与えられた仕事をどのように受入れましたか。(ロ)次の記事に答えられている興味深い質問のいくらかは何ですか。
22 それで,資格と権威を持つこれらのヱホバの使者は,国家のさかいとか言語の障害があるにもかかわらず,地の四すみまで急いで出かけて行きました。なにものも彼らの伝道活動を妨げるようには見えません。エレミヤの時と同じく,彼らはひどい迫害や憎しみに充ちた反対を受けました。しかし,そのようなものはヱホバの証者を阻止しなかつたのです。ヱホバの証者は,恐れの気持を抱いたためとか,また王や,君候や,独裁者や,法王や祭司たちの命令に服するため,ひきさがるようなことをしなかつたのです。任命された仕事を行つた彼らがどれ程繁栄したか,また彼らはどの程度までマゴグのゴグに対してヱホバの言葉を宣伝えたか,そしてその結果は何であつたかは,次の記事で研究します。
[脚注]
a この予言の詳細な研究は,1953年12月15日号の『ものみの塔』に出ています。
b ロバートヤング著『聖書の分析索引』(英文)
c マックリントクとストロング著『聖書,神学,教会文書の百科辞書』(英文)
d 1953年ハーグ,バイブルーレキシコン(ドイツ語)
[409ページの図版]
私は子供です