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新しい世はなぜ確かですかものみの塔 1962 | 5月1日
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新しい世はなぜ確かですか
新しい世が人の手によるものであれば,その実現はおぼつかないものです。第一次世界大戦後にアメリカ・キリスト教会全国会議は,「義の住む新しい世界が勝利の中から生まれ出なければ,英雄の死をとげた人々は犬死したことになる」と声明しました。そして「古い文明の破壊の跡から新しい世が浮かび出るように」努力し,祈ることを,クリスチャンに要望したのです。しかし何メガトンにも及ぶ水爆の時代にはいったいま,人類は「新しい世」ではなくて,破滅にいっそう近づいています。
しかし新しい世は人の手によって来るのではなく,「義の住む新しい天と新しい地」を約束された全能の神の御手によって来るのです。神はその御目的を必ず成しとげます。神はご自分の御名によって書かれた御言葉を立証します。このような神の御約束のゆえに,私たちは新しい世の実現を確信できます。神は偽ることのあり得ないかたです。―ペテロ後 3:13。ヘブル 6:18,新口。
新しい世を実現させる神の力を疑う理由がありますか。過去における神の偉大なわざを考えれば,疑う理由は少しもありません。それは栄光に輝く新しい世をもたらす神の力を証明しています。ノアとその家族を大洪水後の清められた地に救い入れたことは,神のみわざのひとつです。神は「古い世界をそのままにしておかないで,その不信仰な世界に洪水をきたらせ,ただ,義の宣伝者ノアたち八人の者だけを保護された」と,使徒ペテロは述べています。(ペテロ後 2:5,新口)ゆえに「不信仰な世界は神が新しい世界を創造するのに少しも妨げとはなりませんでした。神はかつてこのような世界を消滅させました。そして神は同じことを再び行なうことができます。大洪水から約400年後,最高の神がアブラハムに次のことを言われたのも当然です。「ヱホバに豈為難き事あらんや」― 創世 18:14。
天体やこの地球の創造でさえ,神にとっては難しいことではありません。「もろもろの天はヱホバのみことばによりて成り,てんの萬軍はヱホバの口の気によりて造られたりそはヱホバ言ひ給へば成り,命せ給へば立てるがゆえなり」「主はその力をもって地を造り,その知恵をもって世界を建て,その悟りをもって天をのべられた」。(詩 33:6-9。エレミヤ 10:12,新口)ゆえに新しい世が不可能であると考えたり新しい世に関する神の御約束に信仰を置くのをためらう人はないはずです。「神には,なんでもできないことはありません」と天使は確言し,「人にはできない事も,神にはできる」とイエスは言われました。―ルカ 1:37; 18:27,新口。
はじめに神は正義の世界を創造されました。神はその世を再創造できるはずではありませんか。最初の正義の世は,神の一人の霊的な子とアダム,エバの反逆のために終りを告げました。しかし正義の世が永久に失われたままになるのではありません。イエス・キリストは使徒たちに次のことを言われました,「よく聞いておくがよい。世が改まって,人の子がその栄光の座につく時には,わたしに従ってきたあなたがたもまた,十二の位に座してイスラエルの十二の部族をさばくであろう」。―マタイ 19:28,新口。
この「世が改ま」るとはどんなことですか。ジョージ・ラムサが東方の古代写本から翻訳した聖書の中で,イエスの言葉は次のようになっています。「新しい世において,人の子が栄光の位につくとき……」。イエスは正義の世の再創造のことを言われたのです。それは神の約束された正義の新しい世です。イエスの言われたように,それはイエスが天の栄光の座について王となる時に,再創造されます,「新しい天」すなわちイエス・キリストの手にある神の御国は,その新しい世を治めます。
神がイエス・キリストによる御国を天に設立されたことは,今日とくに新しい世の保証となっています。預言者ダニエルはこの出来事を預言的に述べていました。「わたしはまた夜の幻のうちに見ていると,見よ,人の子のような者が,天の雲に乗ってきて,日の老いたる者のもとに来ると,その前に導かれた。彼に主権と光栄と国とを賜い,諸民,諸族,諸国語の者を彼に仕えさせた。その主権は永遠の主権であって,なくなることがなく,その国は滅びることがない」。(ダニエル 7:13,14,新口)この出来事は,神の約束を愛する人々にとって,正義の新しい世の創造を保証するものです。
「その主権はなくなることがなく」その国は「滅びることがない」ゆえに,神から任命された王イエス・キリストは,新しい世の約束を確実に成就させます。「なぜなら,神の約束はことごとく,彼〔イエス・キリスト〕において『しかり』となったからである」と使徒パウロは書きました。(コンリト後 1:20,新口)神の約束された事はすべて,たとえ人間の目には不可能と見える事でも,神の任命された王イエス・キリストによって「しかり」となるのです。それは何と心強い保証でしょう。
従って新しい世の約束には最大の保証があるのです。神は偽ることがないゆえに,「新しい天と新しい地」に関するその約束は確かです。神の力は無限であり,そのことは過去においてノアの時代の大洪水の時にも示されました。それゆえに神の御約束は確実です。また神にできない事はなく,人間に不可能なことも神には可能であることを最高至上の神御自身と御子イエス・キリストが保証されています。ゆえに神の御約束は信頼できます。さらに神の与え給うた新しい世の希望を絶対確実にしているのは,神の御国が支配しているという事実です。支配している王は,間もなくその約束を実現させて,新しい世を約束し給うた神に永遠の賛美を帰するでしょう。
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老いも若きもエホバをあがめるものみの塔 1962 | 5月1日
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老いも若きもエホバをあがめる
● 東ドイツからの避難民は多くの場合,一へやで満足しなければならず,子供たちはよその家によく遊びに行きます。あるエホバの証者の部屋にしばしば遊びに来た少女も,そのような子供たちの一人でした。しかしこの少女はエホバの証者の家で見なれない光景を見たのです ― それは食事の度毎にエホバにささげられる感謝の祈りでした。少女の家では父親が帰ると皆に「沢山お食べ」と言って皆いっせいに食べ始めるのが常でした。感謝の祈りを何回も聞いているうちに,この少女はどうしましたか。ある日,自分の家で食事を始めようとしたとき,少女は頭をさげ,口に出して次のお祈りをしたのです,「エホバ,私たちはこの食物に感謝します。アーメン」。両親が驚いたのは言うまでもありません。母親は早速,少女にむかって,どうしてこのお祈りを覚えたのかと尋ねました。そして少女はエホバの証者の家で見たり,聞いたりした事を話しました。その結果母親は証者の家族をたずねて,祈りのことやそのほか聖書について沢山の質問をしました。この事から家庭聖書研究が始められて,父親と母親それにこの少女が聖書を学び始め,ほどなくして3人はエホバの御心を行なう献身を表わすために,そろって洗礼を受けました。
● 最近のこと,フィリピンにおいても,神の正義の要求に従うことを望んだ1人の善意者は,エホバの証者の宣教者の家で,結婚式をあげてもらいました。この人は97歳で,花嫁は89歳です。二人は37年間,夫婦として一緒に暮らしてきましたが,いまでは結婚についての真理を教えられたので,聖書から見て正しい,ほまれのある立場を得て共に生活することを望んだのです。
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