神の御国の来る時
あなたは神の御国を祈り求めますか。もし誠実な気持ちで祈り求めるなら,きっと神の御国の来る時を知りたいと思われるでしょう。第1世紀のイエスの弟子たちは,その時を知りたいと思いました。4人の弟子はオリブ山におられたイエスのところに来て,こうたずねました,「お話ししてください。これらのことはいつ起こるのですか。あなたの臨在とこの組織制度の終りのしるしは何ですか」。イエスは,彼の再臨と御国の設立をしるしづける,世界を揺るがすほどの出来事について語りました。弟子たちは非常な興味をもってイエスの話を聞いたにちがいありません!―マタイ 24:3。
今日,しばしば人々はこう言います,「もちろん私は御国を祈り求めるし,御国がいつの日か来ると信じている。だが,私の生きている中には来ないだろう」。びっくりすることに,たいてい,そんなことを言う人々は,末の日と御国の設立についての聖書の預言を一度もしらべたことがないのです。しかし,初期の弟子たちのようにイエスの再臨に大きな興味を持つあなたは,神の御国の来る時についてのイエスの答えをいっしょうけんめいしらべることでしょう。
イエスは,その地上の仕事を終えた後,多数のにせ者が起きて,将来の人々をあざむくことを知っていました。それで,彼は次のように警告しました,「だれからもまどわされないようによく気をつけなさい。多くの者は,私の名を名のって,『私はキリストである』と言い,多くの人をまどわすであろう」。―マタイ 24:4,5,新世。
イエスはまた,神の御国の来る以前の幾世紀ものあいだ人々がふつうの戦争をたくさんするということも知っていました。それで,彼はこう言葉をつづけたのです,「戦争のことや戦争の話を聞くであろう。恐れてはならない。これらのことは起こらねばならないが,しかし終りはまだ来ないのである」。(マタイ 24:6,新世)次にイエスは,彼の目に見えぬ再臨を示す大きな出来事を述べ始めました。現在の出来事と照らし合わせつつ,いま,イエスの述べられたことをしらべて見ましょう。イエスは,「これらの事が,ことごとく起るまでは,この時代は滅びることがない」と言われました。これらの事の中には「この組織制度の終り」もはいっているのです。この時代の者は,イエスの語っておられた時代の者であるかどうかしらべて見ましょう。(マタイ 24:34,3,新世)最初にイエスはこう言われました,
「国は国に敵対して立ち上がる」
この預言は成就しましたか。世界が戦争にまきこまれて,国民全部が以前の戦争とは全く異なる仕方で戦争に参加したことがありましたか。たしかにありました。この時代の中にあったのです。歴史家たちは,1914-1918年の戦争が,それ以前の戦争とはちがう事実を認めて,それを第一次世界大戦と呼んでいます。それは,その種の戦争のうち,最初のものでした。―マタイ 24:7,8。
第一次世界大戦のとき30以上の国々は戦争に加わり,約17億人がその戦争に巻きこまれました。それは地上に住む人々のうちの約93パーセントにあたります。ハーバード大学は,戦争についての研究を行ない,1945年9月29日号の「コリヤー」誌にその結果を発表しました。それによると,第一次世界大戦は以前の2400年間に戦われた901の大戦争全部を合わせたものより7倍も規模が大きかったのです。
第一次世界大戦により人間の歴史には大きな変化が生じました。1954年8月1日のニューヨーク・タイムス誌は,それについて次のように述べていました,「第一世界大戦は,歴史に大きな変化をもたらした。それは長い平和の時代を終わらせて,新しい暴力の時代を始めた。この暴力の時代において,第二次戦争は挿話にすぎない。一九一四年以来,世界は新しい性格を帯びた……それで第一次世界大戦は現代歴史を変化させた」。
この戦争とそれに付随する悲惨な事柄は「災難の苦しみの始め」であるとイエスは言われました。その言葉どおり,世界は間もなく次の戦争に突入しました。この第二次世界大戦には,2200万人が死亡し,3400万人がけがをし,1,300,000,000,000ドル(468,000,000,000,000円)の費用がかかったと推定されます。この戦争から見ると,第一次世界大戦は微々たるものに見えます。しかし,『国は国に敵対して立ちあがる』ことは,しるしの一部分に過ぎません。イエスは,彼の再臨が次のものでもしるしづけられると言われました。
「食糧不足」
イエスが預言された通り,第一次世界大戦の直後,人類の歴史上最悪の食糧不足が起こりました。第一次世界大戦後の飢饉のため,中国では毎日1万5000の人々が死にました。1922年2月,ロシアの16の郡では,1377万2613人は餓死にひんしていました。1919年6月7日の「ネイション」は,次のような報告をしていました,「インドでは疫病と飢饉が流行している。死が国土にみなぎり,人々の生命を奪っている。このような状態は,世界の歴史上かつてないことである」。
しかし,このことは,この時代の者が経験した空腹の苦しさの序の口です。第二次世界大戦の直後には,第一次世界大戦直後のときより,約2倍も多い人々が食糧不足で苦しみました。1946年6月11日号の「ルック」誌は,次のように述べていました,「世界人口の4分の1は,今日餓死状態に陥っている。明日は悪化するであろう。いま世界の大部分を襲っている飢饉は,我々の大部分が想像するよりもはるかにおそろしいものである。……いま,多くの人々は歴史上かつてないほどに,死にもの狂いになって食物を漁っている」。
ある人の考えとは反するかも知れませんが,飢饉はいまでも世界に存在しています。国際連合食糧農業機構の執行委員会の議長,ホスエ・デ・カストロ博士は「空腹の地理」(英文)という本の中で,極東,中東,そして特定な中央アメリカの国々では,「幾百万という人々が定期的にそして『当然』に餓死している」と述べていました。国際連合経済社会理事会の前会長レイモンド・シェイベンは,未開発の国々を旅行して後,1957年に次のような報告をしました,「空腹は不幸な行列の先頭に立っている。……世界人口の中栄養失調に苦しむ人々の数は,戦前の38.6パーセントから現在の59.5パーセントにも増加した」。
「食糧不足」についてのイエスの預言は,たしかに今日成就されています。しかし,このことだけでは,神の御国が来ていることは証明されません。それはしるしの一部に過ぎないのです。ルカ伝 21章11節に記録されているように,イエスは弟子たちの質問に対する答えの中で,彼の再臨はまた次のことでも特徴づけられると言われました。
「疫病」
第一次世界大戦が始まって後に,そのようなものはありましたか。たしかにありました! 戦争と食糧不足とともに,疫病が起きたのです。特に顕著なのは,スペイン風邪で,全世界の5億人がそれに感染し,その中2000万人は死亡しました。1959年9月26日の「サタデー・イブニング・ポスト」は,次のように述べていました,「一九一八-一九一九年の疫病による死者の数は,それ以前の疫病のときでもそれ以後のときでも,前例のない最高数である。この二年間に,世界の二千百万人は肺炎で死亡したものと推定される。その中約八十五万人はアメリカ合衆国内の人々である」。
その時以来,病気と疫病は猛威をふるっています。全世界で200万人の人々はガンのために毎年死んでいると推定されます。心臓まひのため,アメリカ合衆国で毎年約40万人が死んでいます。さらに大ぜいの人々は別の心臓病のために死んでいます。性病はいまでは疫病のようにひろまっています。小児まひ,コレラ,チフスの疫病は定期的に起こっており,「疫病」があると述べたイエスの言葉を,私たちは思い起こします。しかし,イエスは疫病の他に,次のものもあると言われました。
「あちこちに地震」
いまがイエスの再臨の時であるなら,特別な地震が起きなければなりません。地震は起きていますか。それについて疑問をさしはさむ余地はすこしもありません。最近,おそろしい大きな地震が世界のあちこちでひんぴんと起きています。大学の一地震学者は,次のように語りました,「制御不可能なものが,全地にみなぎっている。地球のはるか下の方では,大きな力が活動しており,いくつかの大陸では,土地が大きく動いている。いちばん最後の大地震からかなりの時間がたっているなら,われわれはそれだけ次の大地震に近づいているのである」。
1914年からいままでの期間中に起きた大地震の数は,いままでの歴史で,同じ期間内に起きた地震の数よりもずっと多いのです。現代の地震計の示すところによると,いちばん強い地震は1950年8月15日のアッサム地震でした。1957年12月,外モンゴルは「歴史上最大の地震のひとつ」を経験しました。一昨年には大地震がチリ,モロッコ,そしてペルシャのラースの町を襲いました。「サイエンティフイック・アメリカン」(英文)は,次のように述べていました,「大地震は一度にたくさん起きるのが常であった。つまり活動期の後には,休息期がつづいたのである。ところが一九四八年以来は新しい局面にはいっているようである。一年に約ひとつの大地震という割になっている」。
前例のない戦争,食糧不足,疫病,そして地震は,人々に非常な苦しみをもたらしました。そのような災害のために,全世界には恐怖がみなぎっています。しかし,イエスはその預言をして直後に,人々に恐怖を感じさせる特別のものがあると預言しました。ルカ伝 21章11節(新口)に記録されているごとく,次のものがあると彼は言われたからです,
「いろいろ恐ろしいことや天からの物すごい前兆」
イエスのこの言葉はいま成就されています。それを考慮する場合に次のことを忘れてはなりません。すなわち,現代の科学が発見した新しいものに,人々は注意を向けた結果,いまだかってないほどの恐れと心配になやまされているのです。外界の未知のところから出てくる,大きなエネルギーを持つ宇宙線は,多量に地球を襲っていることが分かりました。そのエネルギーは強力なものであるため,それは幾百フィートも深いところに貫通します。
さらに人々を恐れさせているものは,月に到着して,そこに軍事基地をつくろうという手段がとられていることです。なんとおそろしいことでしょう! 空中から発射される恐ろしい兵器は,地上のどの場所にも滅びをもたらすでしょう。人間は地球を滅ぼし,放射能のみちる荒廃の地にして文明を終わらせることができます。人間がそんな能力を持ったことは,歴史上いまだかつてないことです。イエスの再臨中に人類は恐ろしい将来に直面します。イエスはそのことを認めて,ルカ伝 21章26節で次のように言われました。
「人々は……不安で気絶するであろう」
恐怖の重い雲がいま世界に漂っており,この預言は成就しています。ノーベル賞を受けた原子科学者ハロルド・シー・ウレイ博士は,こう語りました,「われわれは恐怖を食べ,恐怖の中にねむり,恐怖の中に生き,恐怖の中に死ぬ」。この恐怖の結果,「心配による心臓病」が起きました。ジャクソン・エイ・スミス博士によると,心臓病の徴候について医者の診察を求める人々の半分以上は,それにかかっているとのことです。たしかに,今日の人々は「不安で気絶して」います。
イエスは,この終りの時の期間中,彼の弟子がなにを経験するかを言われました。彼らは
「わたしの名のゆえにすべての民に憎まれるであろう」
エホバの証者のクリスチャン活動を知っている人は,このイエスの言葉が彼らに成就されていることを認めるでしょう。(マタイ 24:9)エホバの証者の制度は,キリストに忠実に従って神の御国を伝道し,この世から分離してきました。そのため,最近では50以上の国々でその制度は禁ぜられており,彼らの持つ聖書や聖書文書は取りあげられました。彼らは全世界にわたり,暴徒に襲われたり,むち打たれたりしました。そして,逮捕されて獄に入れられたこともしばしばのことです。多くの場合,彼らは刑務所で拷問にかけられて殺されました。幾千人という証者たちはドイツで殉教の死をとげました。共産主義者の支配する国々にいる多数の証者たちは,いまでもその信仰のために殺されています。アメリカ合衆国内のエホバの証者も恐ろしい迫害を経験したので,最高裁判所の判事フランク・マーヒイは次のように語りました,「エホバの証者は次の事実を実証するものである,すなわち理想的な自由を持つと考えられるこの国でも,新しい仕方で宗教を実践する権利は,十分たしかなものでない。……彼らは残酷なむち打ちの刑をうけ,彼らの資産はこわされ,彼らはいつでも苦しめられた……」。
「多くのにせ預言者が起きて,多くの人を惑わすであろう」
イエスの言葉どおり,多くのいつわりの預言者たち ― 個人と制度 ― が起きて,大ぜいの人々をまどわし,彼らを神の御国から引き離して滅びに定められている代用物を支持させています。聖書の中で特に述べられているものは,二つの角を持つ「獣」,英米世界強国です。それは,「偽りの預言者」の働きをして,「獣の像」なる国際連合こそ,全人類が敬意を払わねばならぬ制度であると提唱しています。―マタイ 24:11。黙示 13:11,14,15; 19:20。
「不法がはびこる」
連邦検察局長ジェー・エドガー・フーバーは,昨年ワシントンD・C・で講演を行ないました。その講演の中で提出された事実から,イエスの預言のこの部分もたしかにいま成就されているということが分かります。(マタイ 24:12)彼は次のように語りました,「一九五〇年以来,犯罪は六十九パーセント増加した。それは増加している人口よりも四倍も早い増加率である。今日は,アメリカの歴史上最悪の不法の時代である」。「不法のはびこる」のは,アメリカ合衆国だけに限られているわけではありません。「日本は,歴史上最悪の犯罪の波に襲われている」と一新聞は報告しています。
インドからは,次のような赤裸々な報告が来ています,「六十歳代の人々は,犯罪にも休日があったむかしの時代をなつかしく思い出している」。しかし,その報告はさらにこう言葉を続けています,いま「〔ボンベイ〕をX線で調べてみると,それは泥酔,放縦,堕落,公然とした無関心,ギャング,脅迫,女街,そして略奪の溜り場になっている」。ヘルシンキ大学の総長は,全世界の状態を良く示す次の言葉を語りました,「二十年むかしではフィンランドで起こるなどとはとうてい考えられない恐ろしい暴力行為がいまこの国で行なわれている」。人間社会の道徳は堕落して,イエスの次の預言は成就しました。
「多くの人の愛が冷えるであろう」
不法の世界は,行為についての聖書の良い原則を拒絶します。その結果,キリストの足跡に従うと称するキリスト教国の諸国家は世界の他の国々と同じく悪化し不道徳になりました。多数の自称クリスチャンたちの行動を見ると,神,神の御言葉および仲間の者に対する彼らの愛が冷くなったことが分かります。
「この御国の福音は……宣べ伝えられるであろう」
神の設立された御国は,全世界で伝道されると預言されました。これは,他の時代のときに成就されず,今日成就されています。シー・エス・ブレイデンは,「これらの人も信ずる」(英文)という本の中で,「エホバの証者は,その証言でもって全地をおおった」と述べました。その言葉は,なんと真実でしょう! エホバの証者は,1165の言語で書かれた聖書と144の言語で書かれた聖書研究の手引きの文書を使用しつつ,181の国や海洋の島々で伝道します。彼らは,神の御国がすでに天で設立されていること,それは間もなく一切の悪をぬぐいさって,地上の人間にすばらしい祝福をもたらすという良いたよりをひろめるため,1年に1億3000万時間以上をついやします。1942年以来,彼らはこの良いたよりを宣べ伝える15億冊以上の雑誌と,幾億冊の本,冊子,およびパンフレットを印刷しました。―マタイ 24:14,新口。
イエスの述べられたしるしについて,いっしょに考えてください。そして,この時代こそ,神の御国の来ることについてイエスの預言した時代であることを確信してください。さらに,イエスは次のものの起こることをあらかじめ告げられました。
「荒す憎むべきもの」
イエスが王としてユダヤ人にささげられたとき,第1世紀の宗教的な祭司たちは彼を拒絶しました。彼らは,イエスの死をはかるため,政治支配者ポンテオ・ピラトに訴えて,こう叫びました,「もしこの人を許したなら,あなたはカイザルの味方ではありません。……わたしたちには,カイザル以外に王はありません」。(ヨハネ 19:12,15,新口)御子を殺したその宗教 ― 政治同盟は神の目から見ると,きわめて憎むべきものです! 同様な憎むべき陰謀は,イエスの再臨のときに見られるでしょう。その陰謀は現に存在しているのです。今日,神の御国に敵対する宗教政治の世界同盟は,牧師の祝福する国際連合のうちに最も強力に表わされています。どうしてそうですか。―マタイ 24:15。
第一次世界大戦中,キリストが御国の力を持って再臨している証拠がはっきり示されていたとき,キリスト教国の牧師は御国に背を向けました。そして,国際連合の前身,国際連盟をほめそやし,それを「地上における神の御国の政治的な表現」と言いました。実際のところ,彼らは『国際連盟以外には,王はない』と言っていたのです。今日にいたるまで,キリスト教国の牧師は国際連合と他の人間の政府を支持しています。また神の御国にいだく人々の信仰を強めようとはせず,むしろ人々をして別の物に確信を持たせようとしています。牧師の支持するこの同盟は,なんと憎むべきものでしょう! それは人々の注意を集め,神の御国の立つべきところに立っているのです。聖書の預言は,次のような患難のうちに,それが滅亡すると保証しています。
「世の初めから現在に至るまで,かつてなく今後もないような大きな患難」
1914年,キリストが悪魔とその御使たちと戦い,彼らをこの地近くに追い落としたとき,サタンの制度に対するこの患難は始まりました。(黙示 12:7-12)しかし,イエスが預言したとおり,それは一時のあいだ中止し,「縮め」られました。かくして真のクリスチャンは,正義の原則に従って,救われるようになりました。(マタイ 24:21,22)この患難はこの時代中に,急速に近づいているハルマゲドンの戦争のとき,再び始まるでしょう。その時,国際連合をふくむサタンの全制度は,まったく滅んでしまうでしょう。イエスは,その患難の日の後,次のことが起こると言われました。
「日は暗くなり,月はその光を放つことをやめ」
サタンの制度に臨んだ1914-1918年の患難のしるしの後に,自然現象の面でもしるしが表われました。それはルカ伝 21章11節にも述べられており,前述の一節の中で注解されています。―マタイ 24:29。
「ノアの時のよう」
イエスは弟子たちのために,はっきりした対照を示されました。彼はノアの日の洪水前の時を,御国の力を持って再臨する時に比較されました。その時,人々は食べたり,飲んだり,楽しく時を過ごすことに熱中していました。彼らは間近に来た滅びについてのノアの音信に「気がつかなかった」。彼らは無関心であって,もしエホバというものがいても,『彼は善もしなければ,悪もしないだろう』という態度を取りました。―マタイ 24:37-39。ペテロ後 2:5。ゼパニヤ 1:12。
私たちの時代は,ノアの日の大洪水前の状態にぴったり適合します! 人々はこの世の煩いに心がうばわれて,私たちがいまイエスの再臨の時に生活しているという証拠に気をつけません。エホバの証者が「この組織制度の終わり」についてもたらす音信に対して,人々は一般に無関心な態度を取っています。イエスの言葉どおり,神の御国がこの悪い組織制度をまったく滅ぼしてしまうとき,彼らも間もない中に滅ぼされてしまうでしょう。―ダニエル 2:44。
「忠実にしてさとい奴隷」
イエスは彼が来られるとき,,忠実な見張りがいて,霊的な食物を分け与えると預言しました。(マタイ 24:45-47)そのような「忠実にしてさとい奴隷」級はいて,人々に神の御国の来る年は1914年であると指摘していましたか。たしかにいました! 一流のニューヨークの一新聞「ザ・ワールド」は,1914年の8月30日号の中で,この群れにつき,こう述べていました,「ここ二十五年,『千年統治れい明派』として良く知られている『万国聖書研究生たち』は,伝道士や出版物を用いて,聖書に預言されている怒りの日は一九一四年に始まると世界に宣明していた。旅行をしている幾百人という福音伝道士たちは『一九一四年に気をつけよ!』と叫んでいた。この奇妙な信条を代表する彼らは,『神の御国は近づいた』という教理を宣明しながら,国内をあまねく歩きまわった」。
1914年以来イエスの足跡にしたがう油そそがれた追随者たちは,ものみの塔聖書冊子協会を彼らの合法出版機関として使用しつつ,この時代の重大な出来事の意味を人々に知らせて来ました。彼らは人々に次のことを示しています,すなわち,これらの出来事は聖書の預言を成就していること,したがってイエスは1914年に天で支配し始めたこと,また間もなくこの時代中にイエスはサタンの制度に患難をふたたびもたらし,ハルマゲドンの戦争でそれを全く滅ぼすということなどです。―黙示 16:14-16。
「羊とやぎとを分けるように,彼らをより分け」
イエスは4人の弟子との話をつづけて,こう語られました。すなわち彼が来られるとき「すべての国民をその前に集めて,羊飼が羊とやぎとを分けるように,彼らをより分け,羊を右に,やぎを左におくであろう」。(マタイ 25:32,33,新口)イエスは,1918年にさばきのわざをするために来て以来,人々をこのように分けて来ました。ある人々は彼の右に来て保護を受け,他の人々は左に来て滅びをうけます。このように分けることは,どのように行なわれますか。人が「羊」の群れにはいるか「やぎ」の群れにはいるかは,地上におけるイエスの弟子たちと,彼らの持つ御国の音信に対する態度如何によって,きめられることをイエスは示しました。このように分けるわざは,いま終りに近づいています。そしてすべての人は神の御国を支持するか,あるいは反対するかを示しているのです。
他の預言
イエスは,末の日についてのいろいろのしるし ― それらについては,ちょうど研究をすませました ― を述べました。それに加えて,霊感をうけた使徒パウロは別の預言を記録しました。その預言は,次のようです,「しかし,このことは知っておかねばならない。終りの時には,苦難の時代が来る。その時人々は自分を愛する者,金を愛する者,大言壮語する者,高慢な者,神をそしる者,親に逆らう者,恩を知らぬ者,神聖を汚す者,無情な者,融和しない者,そしる者,無節制な者,粗暴な者,善を好まない者,裏切り者,乱暴者,高言をする者,神よりも快楽を愛する者,信心深い様子をしながらその実を捨てる者となるであろう。こうした人々を避けなさい」。―テモテ後 3:1-5,新口。
ここに言われている状態は,いまどの場所にでも見られるものではありませんか。物質を生活の主要な目標にし,金を愛している幾百万という人々を見てごらんなさい! 青少年のなかに,不従順と堕落がかつてない程に増加しているのを見てごらんなさい。諸国家は会談ばかりをしても,いっこうに一致が得られないことに気をつけて下さい。人々の残忍さと節制の不足に気をつけて下さい。彼らは立身出世しようとつとめるため,善を愛する気持ちを失いました。快楽を愛する幾百万という人々を見てごらんなさい。神に対する彼らの愛は冷えてしまいました。彼らはクリスチャンの振をして,「信心深い様子をし」ます。しかし,キリストの弟子にふさわしい愛と正しい生活をしません。
このような絶対的な証拠にもかかわらず,ある人々は嘲りわらってこう言うでしょう,「状態はいままでの時代のときと同じである」。しかし,あざける者たちがそのようにあざけるということ自体,末の日についての聖書の預言を成就するものです。なぜなら,使徒パウロは次のように書きました,「次のことを知るべきである,終りの時にあざける者たちが,あざけりながら出てきて,自分の欲情のままに生活し,『主の来臨の約束はどうなったのか。先祖たちが眠りについてから,すべてのものは天地創造の初めからそのままであって,変ってはいない』と言うであろう」。―ペテロ後 3:3,4,新口。
今は神の御国が設立されている時です。この証拠を軽視してはなりません。聖書の年代表は,1914年こそキリストの来られた時で敵の只中で支配し始められた時とはっきり示しています。(詩 110:1,2)過去47年の出来事は,その年代表の証拠が正しいことを示しています。天の御国は現に設立されているのです! そして,間もない中に,この時代中に,それはサタンとその悪い制度をことごとく滅ぼしてしまうでしょう。天の御国の支配下にあって,この地は従順な人類の永遠の楽園の住居になるでしょう。それで,神の御国が来るようにというあなたの祈りと一致した行いをしてください。そして,幾十万というエホバの証者に加わって,『この御国の良いたよりを全地に伝道』してください。