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目に見えない神をなぜ信じるのですかものみの塔 1977 | 10月15日
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れ,風の力で海が波立つのを見ています。わたしたちは,風の及ぼす影響を見ているので,風の存在を信じるのです。
電気は目に見えません。しかし,電気は驚くべき事柄を成し遂げます。電気は明かりをともし,家を暖め,大きな機械を動かし,台所用具の動力源となります。正気な人であれば,目に見えないからと言って,電気の存在を疑ったりはしないはずです。
ラジオ,テレビ,そしてレーダーなどの電波は空間を通して送信されます。これも目には見えません。それでも,電波が音や映像を作り出すので,電波の存在を知ることができます。
引力を見ることができますか。いいえ,見ることはできません。しかし引力がなければ,人間をはじめ,地球にしっかりと固定されていないものすべては,宇宙空間へ漂い出てしまうでしょう。引力と似た力に,磁気があります。磁石は鉄を引き寄せますが,磁場は人間の目に見えません。
原子核は,目に見えない強大な力によって一つに結び付けられています。しかし,わたしたちはその見えない力が実際に存在していることを知っています。核爆発の際に原子が“分裂”すると,驚くべき量のエネルギーが放出されるからです。
X線は目に見えませんが,それは体を透過し,人間の骨格の写真を撮ることができます。もし,X線は目に見えないから,X線など存在しないと医師に言ったなら,医師はあなたに何と言うでしょうか。
わたしたちはにおいを見ることができません。しかし,鼻がにおいをかぎ付けます。警察犬は,目に見えないにおいを頼りに,人を追跡することさえできます。また,音波を見ることはできませんが,耳はそれを聞き取ります。こうして,音が実際に存在していることが分かります。
このように,わたしたちは目に見えない多くのものの存在を信じてはいますが,それは証拠,すなわち各々の働きの結果を見ているからです。同様にわたしたちは,証拠,すなわち神のみ手の業の結果を見ているので,目に見えない創造者の存在しておられることが分かるのです。聖書はこう述べています。「というのは,神の見えない特質,実に,その力と神性とは,造られた物を通して認められるので,世界の創造以来明らかに見えるから(です)」― ローマ 1:20。
創造者のみ手の業
家を見たら,そのことからどんな結論を出しますか。木やコンクリートや金属が偶然に組み合わさり,数々の部屋,暖房装置,配管,電気の配線,そして家具などすべてのそろった家が出来上がったのだ,という結論に達しますか。いいえ,むしろ家には造り手がいることを認めるでしょう。箱や鉛筆など比較的に単純なものでさえ,製作者なしに存在するようにはなりません。
しかし,箱や鉛筆なども,原子,材木,人体,惑星,太陽,星雲,そして宇宙などと比べれば,取るに足りない存在です。もし単純なものが製作者なしに存在するはずがないとすれば,それよりもずっと精巧で複雑な物体についてはどうでしょうか。
物理学者G・E・デービスは,「自らを造り出すことのできる物質は存在しない」と語っています。同様に,聖書も論理的にこう述べています。「言うまでもなく,家はすべてだれかによって造られるのであり,すべてのものを造られたのは神です」― ヘブライ 3:4。
また,一国の憲法のような法典を見れば,どんなことが分かりますか。街角に立っている,「止まれ」という簡単な標識でさえ,どんなことを示していますか。法律は立法者の存在を示しています。
宇宙にはそれよりもはるかに優れた法則が見られます。重力,運動,そして加速度の,正確で信頼のおける法則,および地球と月の軌道を支配する法則を考慮に入れ,それに頼らなければ宇宙飛行士は月着陸を果たせなかったことでしょう。それらの優れた法則は,優れた法律制定者,すなわち目に見えない創造者の存在を暗示しています。
ですから,創造者の存在を証明する豊富な証拠を無視したり否定したりする人々について,「彼らは言いわけができません」と聖書が述べている理由は,容易に理解できます。―ローマ 1:20。
しかし,どうして神は人間の目に見えないのでしょうか。では,太陽まで無事に行って帰って来られると思いますか。いいえ,太陽に行き着くまでもなく,人間は燃え尽きてしまうでしょう。神は太陽を創造された方です。ですから,神は,肉眼で見るには強大すぎる方なのです。それゆえ,神はみ言葉の中で,「わたしを見て,なお生きている人はいない」と述べておられるのです。―出エジプト 33:20,口。
しかし,生物は無生物から進化したとか,人間の先祖は猿に似た獣だなどと述べる科学者たちの主張はどうなるのでしょうか。
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後退する進化論ものみの塔 1977 | 10月15日
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後退する進化論
すべての生命は進化したと,多くの科学者が1世紀以上にわたって唱えてきました。その言うところによると,生命はひとりでに発生し,植物と動物の段階に進み,更に類人猿のような獣を経て人間にまで進歩したとされています。
この間ずっとこれらの科学者は,このような主張を裏づける証拠を捜し求め,自信をもってそうしてきました。その証拠が創造の神に対する信仰を打ち砕くことを期待した人は,科学者をはじめ他の人々の間にも決して少なくありません。
ところが近年において明らかになった証拠は,それとは正反対の結果をもたらしたのです。進化論を信ずる基礎は打ち砕かれてしまい,そのため何人もの科学者を含む多くの公正な人々はもはやこの論を受け入れていません。相変らず進化論を推し進める人々は,長年の間信じられてきた事柄のあるものから後退を余儀なくされています。
この事態を論評してニューヨーク・タイムズ紙は次のように報じています。「進化論の研究は過去10年間に主要な変化を遂げた。ダーウィンおよび他の人々が据えた進化論の原理は疑われ,新しい理論が提出されつつある。この分野は騒然としている」。
証拠を調べる
最近多くの研究者が公平な立場で証拠を検討してきました。そして発見した事柄に対する驚きを表明しています。
ハーバード大学出の弁護士ノーマン・マクベスは,法廷における弁論の要領でこの問題を取り上げました。彼は進化論を支持する証拠と,それに反論する証拠を集めたのです。長年にわたる徹底的な研究の結果,彼の達した結論によれば,進化論の反論となる証拠は非常に強力なので,彼の言葉で言うと「現在の理論よりもましな理論は出ないであろう」ということです。
マクベスは更に次のように述べました。「進化論の分野における大抵の説明は不満足なものだ。事実上,それらは説明などと言えるものではない。それは思いつき,直感,空想であって,仮説と呼ぶには到底値しない」。進化論を支持する典型的な本のあるものに対して,彼はこう反発して
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