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第七の使いがラッパを吹く『その時,神の秘義は終了する』
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れることにより明らかにされました。西暦1914年以来,そうした地的現象によって象徴される事柄が,エホバの見える組織,つまり,油そそがれた忠実な残りの者たちの働きを通して生じたのです。それら油そそがれたクリスチャンによって成し遂げられたこの驚異的な事柄は,神の驚くべき力をもってしか説明が付きません。壮観なこれらの事柄すべては,エホバが天のみ座から統治しておられることを立証するものなのです。
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天における神のメシア王国の誕生『その時,神の秘義は終了する』
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第21章
天における神のメシア王国の誕生
1 (イ)ヨハネの啓示の幻の中で,どんな女が初めて現われますか。(ロ)幻の中の彼女の出現は,どんな事態に引き続いて起こりますか。
パトモス島の使徒ヨハネに与えられた幻が進展するなかで,今度は「女」が初めて天に現われます。この秘義の人物は,地上のテアテラ会衆に関連して,先に啓示 2章20節で述べられた「かの女イゼベル」ではありません。これは是認された「女」です。誉れある結婚をしており,結婚のきずなを通して良い実を生み出そうとしています。彼女の実体に関する秘義は,使徒ヨハネがその女についてわたしたちに告げる事柄を基にして解くことができます。彼女について話す前に,ヨハネは第七の使いがラッパを吹き鳴らすのを聞きました。そして,「神の秘義」の終了したことが彼に示され,次いでヨハネは,全能の神エホバが天の神殿の聖所で統治しておられる証拠を見ました。その後,彼はこう告げています。「大きなしるしが天に見えた。それは太陽で身を装った女で,月がその足の下にあり,頭には十二の星の冠があって,彼女は妊娠していた。そして,苦痛と子を産むもだえのために叫ぶ」― 啓示 12:1,2。
2 (イ)妊娠した女の幻は,彼女がだれの妻であることを明らかにしていますか。(ロ)創造者は彼女の夫として,その女にどのように衣服,装飾品また導きを与えましたか。
2 この天的な「女」の実体を明らかにする助けとなる名前は,彼女に与えられていません。それはシオンと呼ばれてはいません。啓示 14章1-4節によると,シオンとは山の名で,その上に神の子羊が14万4,000人の忠実な追随者,つまり,彼の名と彼の父の名を額に書かれた者たちと立っているのが見られます。彼女はエルサレムとも新しいエルサレムとも呼ばれていません。それは,それら14万4,000人の追随者から成る,子羊の妻の名なのです。(啓示 21:2,9-14)しかし,この「女」の産む子を受け取るかたは,そうすることにより,自分がその夫であり,彼女が自分の妻であることを明らかにされます。そのかたは,彼女が自分の装いとしている象徴的な太陽,また,その足の下にある象徴的な月,そして頭の冠にしている十二の象徴的な星を創造されたかたです。夫は妻に衣服や装飾品,また,導きを与える責任がありますが,同様に創造者も,自分の「女」のために天の霊的な光を備えられました。彼女がそれを装い,日中はそれにより輝き,夜はそれによって歩み,それを冠として自分を美しくするためでした。
3 女が自分の冠にしている十二の星は何を表わしていますか。
3 星は夜輝きます。その女が自分の冠としている星の数が十二であったことは,この光が組織の光であることを示しています。十二という数は,組織の完全さ,また政府の完整さの象徴だからです。この意味は,霊的イスラエルが十二部族,さらに子羊の使徒が十二人であるという点にはっきり見られます。また,聖なる都市,新しいエルサレムには,四方に各三つ,合計十二の門があり,その都市は使徒の名の記された十二の土台の上に築かれています。(啓示 7:4-8; 21:12-14,19-21)地上にいる霊的イスラエルの「十二部族」の場合と同様,この天的な「女」にも組織の光があります。―ヤコブ 1:1。
4 (イ)女は何の「しるし」ですか。(ロ)エホバが「妻」を持っておられることを示すどんな預言が外にありますか。イエスがその預言を適用されたことは何を明らかにしていますか。
4 天のこの女は「しるし」となる女,つまり何かに関する「大きなしるし」また象徴です。何に関してですか。創造者の「女」つまり「妻」という意味での,啓発を受けた,創造者の天的組織に関する象徴です。神がそのような組織の「妻」を持たれるという考えは,別に新しいことではありません。なぜなら,使徒ヨハネに啓示が与えられた時より八世紀以上も前,預言者イザヤは女にも似た都市に向かって,霊感の下にこう記しているからです。「なんぢを造り給へる者はなんぢの夫なり その名は万軍のエホバ……又なんぢの子輩はみなエホバに教をうけ なんぢの子輩のやすきは大ならん」。(イザヤ 54:5,6,13)イエス・キリストご自身もこの言葉を引用され,ご自分の忠実な追随者たちに当てはめました。(ヨハネ 6:44,45)こうして,エホバ神の天的「女」が子つまり息子たちを持つことが示されたのです。忠実で聖なる天の使いたちが,その「しるし」の女を構成する成員たちです。
5 (イ)天の女が出産の痛みのために叫んだということは何を表わしていますか。(ロ)この天における出産は,天に住んでいる者たちにとってどんな意味を持ちますか。
5 エホバの「女」に不妊であるとの恥辱は当たりません。使徒ヨハネは,『彼女が妊娠していた』のを見ました。しかし,彼女が「苦痛と子を産むもだえのために叫ぶ」,と彼が述べているのはどういう意味ですか。(啓示 12:1,2)この組織の「女」は,自分が子を産む時が近いことを知っていました。苦痛ともだえがすでに自分に臨んでいたからです。人間は誕生の時を大抵前もって知ることができます。それは懐妊の時から九か月あるいは四十週だからです。同じく,神の天的な,女のような組織も,差し迫った出産のおおよその時を知っていました。天の敵たちでさえ,やはりその時を知っていたのです。天における誕生は,神の聖なる使いすべてにとって,また,独り子イエス・キリストにとってさえ,新しい事物の体制の始まりを意味しました。これは明らかに,天的な事物の管理に多大の変化を,また,天的な事物に関する組織の全般的な変革を意味しました。これは物事をかき立てることになります。
6 預言者サムエルの時代,王国への変化はイスラエルの十二部族にとって何を意味しましたか。
6 古代イスラエルにおいて,預言者サムエルの時代に,エホバ神の立てられた裁き人から,エホバ神の下にある見える地的な王へと管理体制に変革が生じた時,それはイスラエルの十二部族にとって徹底的な変化を意味しました。預言者サムエルは,その管理機関の変化により,国民が種々の拘束を受けることを事前に警告しました。変革を望み,かつ切望した民は,そうした変化を受け入れると同意したものの,現実にはサムエルの警告どおり,多くの国家的苦痛を経験したに違いありません。(サムエル前 8:7-22; 12:1から13:2)それからというもの,各人は自分の目に正しいと思えることをするだけではすまされず,王統政府に付き従わねばならなくなりました。―士師 21:25。
7 「諸国民の定められた時」の満了する正確な年が天で分かっているのなら,その時が近づくにつれて何が行なわれると考えられますか。天に住む者たちはどんな決定をしなければなりませんか。
7 天における管理形態の切り替えは,古代のこの描画と著しい類似を見せながら,物事の構成および運営に関し必要な変革を要求します。異邦人の時つまり「諸国民の定められた時」がいつ終わるかは,その終わりが何年かという点に至るまで,前から分かっていました。それは,神のみことばの研究と聖書の時間表とを基に,その幾十年も前から地上で知られていたのです。(ルカ 21:24)異邦人の時の終わりが近づくと,天および地における物事の管理に変革を導入するため,その切り替えに対する必要な準備が行なわれます。(エフェソス 1:8-11)その新しい管理の下に来る者たちは,その変革に服するか服さないかについての決定をしなければなりません。
8 (イ)天の新しい管理機関はどのように設置されますか。(ロ)天にいる者たちにとって,新管理機関の誕生に関する準備は,出産の痛みを経験する女の状態に似ています。どのようにですか。
8 新しい管理が,当然必要な事前の準備を経ずに,整然と運営を開始するとはとても考えられません。政治上の非常手段とか,野心に燃えた成り上がり者や権力に飢えた陰謀者団による政権奪略,奪位などあろうはずはありません。エホバは『無秩序の神ではない』ので,新しい管理機関の設置は正式かつ正当な準備を経て,正式に行なわれるはずです。それを設置する時は,神に油そそがれた,古代イスラエルの王が倒されたことによって始まった,異邦人の時の終わりにおいてです。ということは,神の油そそがれた王,すなわちキリストによる管理機関を元に復す,つまり再び設置することが要求されました。これはその影響を受ける者すべてを厳しく試みることになります。それゆえ,新しい管理機関の正式かつ公式な誕生に関する準備は,目に見えない,使いたちの天を大きくかき立てました。神の妻のような天的組織にとって,これは産みの苦しみにも似た経験でした。それは,新しい管理機関の誕生を完了し,物事を明確に定めるためのもだえだったのです。
「別のしるし」
9 ヨハネが次に幻の中で見たことから明らかなように,神の妻のような組織に属さない他のだれが,新しい管理機関の誕生をやはり期待していましたか。
9 これに付随するすべての状況から判断すると,天における神の妻のような組織に属さない他のだれかが,新しい管理機関の誕生およびそれが近いことを予知し,それを待ち受けていました。使徒ヨハネはその者を次のように描いています。「また,別のしるしが天に見えた。見よ,火のような色の大きな龍であって,七つの頭と十本の角があり,その頭には七つの王冠があった。その尾は天の星の三分の一を引きずって,それを地に投げ落とした。そして龍は,いまにも子を産もうとする女の前に立っていた。彼女が子を産んだ時に,その子どもを食い尽くすためであった」― 啓示 12:3,4。
10 火のような色をしたこのへびに似た龍は何の「しるし」ですか。
10 この恐ろしい形相をした生き物は,「しるし」としての龍であり,何かのしるし,また象徴です。それは奇怪な海のへびに似ています。(イザヤ 27:1)その態度自体,それが神の敵であることを物語っています。というのは,それは神の「女」の敵,また,まだ生まれてもいないその子の敵だからです。龍は,創世記 3章15節で,
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