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「メディア人ダリヨス」とはだれかものみの塔 1972 | 9月1日
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それら刻板の示す歴史は,さまざまの間げきや空白があって,非常に不完全なものです。また,(ヨセフスが引用しているように)史家ヘロドトス,クセノフォン,クテシアス,ベロッソスなどの記録は,クロスの治世およびバビロン倒壊前後のできごとに関しては,みなまちまちで,種々の点で互いに食い違っています。
ダリヨスに関する情報がこのように入手できないもう一つの強力な理由は,ダニエル書そのものの中に見られます。ダリヨスがダニエルを優遇し,その王国内の者すべてに「ダニエルの神を畏れ」るよう命じたことは,バビロニアの祭司たちの不満と憤りを買ったに違いありません。そして,書記たちはそれら祭司たちの指図のもとで歴史上のできごとを記録したのです。ですから,ダリヨスの治世は比較的に短かったにしても,その記録が後に書き変えられ,彼に関する証拠事実が抹殺されたとしても不思議ではありません。当時の歴史を見ると,ほかにも同様の処置の取られた例が知られています。現代でさえ,ある土地ではそのようなことが行なわれています。
もとよりメデア人ダリヨスの史実性は一般の歴史上の資料証拠の有無には依存していません。聖書の歴史的確実性は,追加される発見物によって再三立証されており,それは,しばしば矛盾する一般の歴史の記録とは著しい対照をなしています。アッシリア学者D・J・ワイズマンがダリヨスに関するダニエルの記録について述べたとおりです。「……その叙述はどうみても純粋の歴史的記述といえよう。この時期の歴史上の記録の多くが欠損していることからして,この史実を退ける理由はない」― 新聖書辞典,293ページ。
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読者からの質問ものみの塔 1972 | 9月1日
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読者からの質問
● 第一次世界大戦が,「諸国民の定められた時」の終わった10月の初めごろに時を同じくして始まらなかったのはどうしてでしょうか。
これまでしばしば当誌上で述べたとおり,諸国民を治める王権がキリスト・イエスに授与されたのは,「諸国民の定められた時」もしくは異邦人の時の満了した西暦1914年でした。(ルカ 21:24,新。ダニエル 4:16,17,31,32)この「定められた時」は2,520年前,つまり西暦前607年にエルサレムが滅亡し,ユダヤ人の総督ゲダリヤが暗殺されたのちに始まりました。チスリ(9月から10月にわたる)の月に(「第7の新月に」,バイイングストン訳)ゲダリヤが殺害されるや,ユダの地に残されていたユダヤ人は早々に逃亡しました。(エレミヤ 41:1,2; 43:2-7)恐れをいだいたユダヤ人は遅くともチスリの半ばまでにはエジプトに逃亡しており,その間に,聖書に述べられている,暗殺からその逃亡までの期間のできごとが十分生じえたに違いありません。(エレミヤ 41:4,10–42:7と比較してください。)このことから,異邦人の時は西暦前607年チスリの15日ころ始まったと考えられます。
異邦人の時が終わった西暦1914年チスリの15日ころ(10月4ないし5日),黙示録 11章15節〔新〕が成就しました。こうしるされています。「この世の〔王国〕は我らの主および其のキリストの〔王国〕となれり」。エホバ神はみ子イエス・キリストを王位につけることによって,人類の世を治める王としての支配権を執られました。大敵対者,悪魔サタンの支配はまさに終わることになりました。
確かにサタンは,神から離反した人類の「世の君」ですから,神の王国が地上の事がらすべてを掌握するのを見たいとは思いませんでした。(ヨハネ 12:31; 14:30; 16:11)それよりも19世紀余の昔,サタンは物事を動かし,ヘロデ大王をして幼子イエスを殺させようとしました。もし神が介入されなかったなら,サタンはそれに成功していたでしょう。(マタイ 2:13)同様に,天の王国の誕生以前でさえ,サタンは配下の悪霊とともに攻撃の用意をしました。このことは黙示録 12章3-5節に次のように象徴的に述べられています。「また天に他の徴見えたり。視よ,大なる赤き竜あり,これに七つの頭と十の角とありて頭には七つの冠冕あり。その尾は天の星の三分の一を引きて之を地に落せり。竜は子を産まんとする女の前に立ち,産むを待ちて其の子を食ひ尽さんと構へたり。女は男子を産めり,この子は鉄の杖もて諸種の国人を治めん。かれは神の許に,その御座の下に挙げられたり」。
したがって,第一次世界大戦が異邦人の時の終わる約2か月前,つまり象徴的な「子」すなわち天の王国の誕生する前に始まったのは驚くにはあたりません。悪魔サタンは,諸国民を動かして大規模な戦いを始めさせるのに,諸国民を治める王権がイエス・キリストの手に置かれるまで待つ必要はなかったのです。その血なまぐさい戦闘を開始させたのは,聖書預言の成就として天で起きた事がらに対して人びとを盲目にさせ,またあわよくば,神の王国が人類の世界を支配するのを妨げようとするサタンの企ての一部であったことは確かです。
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