-
「神の秘義」に対する地上の敵『その時,神の秘義は終了する』
-
-
は地表の四分の一および地球人口の四分の一を支配するに至り,さらに海洋をも制はすることになりました。合衆国の好意ある態度と協力は,同帝国に力を添えました。こうして,二本の角を持つ地の獣は,「第一の野獣のすべての権威をその前で行使する」のです。
48 「第一の野獣」の崇拝には何が含まれますか。この点に関しクリスチャンはどんな立場を取りますか。
48 この地の獣は,実際には「第一の野獣」に属し,その象徴的な第七の「頭」なのですから,それが次の預言的な描画を成就するのは当然のことと言えます。それは,「地とそこに住む者たちに,致命的な打ち傷のいえた第一の野獣を崇拝させる」。(啓示 13:12)「第一の野獣」を崇拝することは,龍つまり悪魔サタンの世界的な政治組織を崇拝することを意味します。それには,「第一の野獣」の第七の「頭」,すなわち,二つの角を持つ第二の獣によっても表わされている第七世界強国,つまり英米二重世界強国を崇拝することが含まれます。政治機関の崇拝という問題に関し,イエス・キリストは,当時第六世界強国であったローマ帝国に敵対する政治活動に全く関与されませんでした。また,今日に至るまでの彼の忠実な追随者たちも,第六世界強国および第七世界強国の政治に干渉したことはありません。彼らは神の王国を第一に求めているのです。―マタイ 6:33。ヨハネ 17:14,16。
49,50 (イ)「人類の前で火を天から地に下らせる」古代の例を一つ挙げなさい。(ロ)それを行なったエリヤの目的は何でしたか。(ハ)二つの角を持つ獣はどのように,またどんな目的で象徴的な火を天から地に下らせましたか。
49 それにしても,二つの角を持つ地の獣はどのように「大いなるしるしを行なって,人類の前で火を天から地に下らせることさえ」したのですか。(啓示 13:13)天から火が下るよう祈り求めることは,西暦前10世紀の預言者エリヤを思い出させます。カルメル山におけるバアルの預言者450人との争いのさい,預言者エリヤは,バアルの預言者たちが不名誉な敗北を被った後,真の神エホバに祭壇を築き,祈りをささげました。その祈りにこたえて天から火が下り,ずぶぬれになった祭壇の上の犠牲を焼き尽くしました。その後,十部族から成るイスラエル王国の新しい王が,自分の死を予告したエリヤを捕らえるため兵士の群を遣わした時,エリヤは天から下ってきた火により,二度にわたり「神の人」として保護されました。その火は各51人から成る二軍の兵士を焼き尽くしたのです。―列王上 18:17-40。列王下 1:2-12。
50 エリヤはこうした目覚ましい業により,エホバが唯一の生けるまことの神であるということのみならず,自分が真に「神の人」,エホバ神の真の預言者であることを実証しました。それに対応する理由をもって,二本の角を持つ地の獣は象徴的な火を天から地に下らせ人びとが自分に対して尊敬を払うよう命じました。特に,それが装う預言的な役割,および偶像礼拝を促進させることによって果たす祭司的な役割に対する尊敬です。世の観点から見る限り,この二重世界強国は天からの是認と支持を受けている証拠を提出しました。さもなければ,どうして地上の政治および軍事上最高の地位にのしあがることができたでしょうか。その驚くべき拡大と,最高の地位を維持するための陸海両域における勝利は,地上のその地位の正当性を支持する,超人的な天からの火のようでした。その上,この英米二重世界強国は,「地」から上って来たその出現当初から,クリスチャンであると主張してきました。大英帝国の君主は,神の恩寵によって支配すると主張し,英国国教会の宗教上の最高首長を務めています。
51 二本の角を持つ象徴的な獣は,子羊のような姿をしていましたが,龍のように語りました。どのように。
51 ですから,二本の角のあるこの象徴的な地の獣は,「子羊のような二本の角」を持ち,神の子羊イエス・キリストの政治的代表者であるかのような振りをしました。それは,子羊のように無害で,攻撃も侵略もせず,だれをも傷つけたり詐取したりする意図はないかのように装いました。しかし現実には,「龍のごとくに話しはじめた」のです。「大いなる龍」悪魔サタンがエホバ神にいどみ,全人類を支配する権利を要求したのと同じく,二本の角を持つ地の野獣も,帝国の力および陸海両軍の力の権により,全地と七つの海を支配する権利を要求しました。龍のように地とその諸民の多くを飲み込み,営利的な詐取と海軍基地の建設を目的としてそれを植民地化したのです。「日の没することのない大英帝国」と言われるようになったのも,もっともなことです。それに加えて,北アメリカ合衆国は南北アメリカ全土を支配するようになりました。このように,地的「野獣」の,羊のような二本の角が与えた印象は,全くの偽りでした。
52 この非常に強力な二重世界強国を出現させたサタンの目的は,明らかに何であったと考えられますか。
52 「大いなる龍」の,王冠を頂いた第七の頭は,七つの世界強国すべての中で最強のこの二重世界強国を,目に見えない様で統御していました。しかもそれは,明らかに,「神の秘義」の敵として最強の世界強国を龍が必要とする,その時においてだったのです。
-
-
「野獣の像」『その時,神の秘義は終了する』
-
-
第23章
「野獣の像」
1,2 啓示の幻に示されているように,「第一の野獣」は何を使って自分に対する崇拝を要求しますか。
像は長い間,偶像礼拝のために用いられてきました。「第一の野獣」すなわち,サタンの世界的な政治組織は,偶像化されることを好み,人びとが像を用いて自分を偶像化するよう促します。いえ,実際にはそうすることを要求するのです。それも,第七の頭
-