神の復しゅうの日は近づいていますか
『エホバは復しゅうの日を持っておられる』― イザヤ 34:8,新。
1 ルカ 21章25,26節は現代に適用されますか。
イエス・キリストの予告によると,神が復しゅうを遂げられる時は,人間社会を揺り動かす問題ゆえに生じる「逃げ道を知らない諸国民の苦もん」によって見分けられます。イエスは,人々が『人の住む地に臨もうとする事がらへの恐れと予想から気を失う』とも話されました。(ルカ 21:25,26)1981年に入ったわたしたちは,こうした状況を見ているでしょうか。
そうです,確かに見ています
2 (イ)啓示 11章15,18節が1914年から成就していることを何が示していますか。(ロ)これらの出来事は何の準備段階ですか。
2 現在の世界危機は,諸国家が初めて全面戦争に巻き込まれた1914年以来,人類の上に積み重ねられてきた数々の苦難の当然の結果です。啓示 11章にある預言によれば,『諸国民が憤った』その年1914年は,「世の王国はわたしたちの主[エホバ]とそのキリストの王国となった」と正当に言い得る年でもありました。(啓示 11:15,18)このように,支配する権威をもってキリストが即位されたことは,神の復しゅうのための道を整える準備段階です。
3 キリスト教世界の教会は,復しゅうと慰めに関する神の音信に関してどんな立場にありますか。
3 今日,エホバの復しゅうの日をふれ告げ,嘆き悲しむ人すべてを慰める使命を神の霊によって与えられている人がだれかいるでしょうか。確かにいますが,それはキリスト教世界の教会ではありません。教会は真の慰めとなる音信を持っておらず,エホバを自分たちの神とすることも願っていません。エホバのみ名を避けて使わずにいるだけでなくエホバのみ名に敬意を払う真のクリスチャンを迫害します。
4 わたしたちには喜ぶべきどんな理由がありますか。
4 しかし,エホバの証人は,宇宙で最も偉大な神のみ名を担うことを喜びとしています。エホバの証人と呼ばれることに喜びを感じています。多難な年1914年に王国が設立されて以来,全地にわたって「エホバの復しゅうの日」を宣明する特権にあずかっていることを,心から喜んでいます。ミカ書 4章5節(新)にあるように,「わたしたちは,定めなく正に永久に,わたしたちの神エホバの名によって歩む」という決意を確かに抱いています。そして,幾百万もの嘆き悲しむ人々がその音信に耳を傾け,慰めを得,来たるべき神の王国の側に集められていることに喜びを感じています。
神の復しゅう ― それ相当の理由はあるか
5 (イ)この「危機の時代」は何が最終的に結んだ実ですか。(ロ)「終わりの日」に関するパウロの預言を成就するものとしてどんな状態がキリスト教世界に見られますか。
5 しかし,今の世界は神に復しゅうされなければならないほど本当に悪くなっているのでしょうか。使徒パウロの言葉に耳を傾けてみましょう。パウロは,「このことを知っておきなさい。すなわち,終わりの日には,対処しにくい危機の時代が来ます」と述べました。この危機の時代は,真理を宣べ伝える業に人々がこたえ応じなかったことの最終的な結末,究極の実なのです。(テモテ第二 2:23-26)キリスト教世界の領域においてさえ,今は,犯罪と暴力,破綻をきたした家庭,権威に対する不敬な態度,道徳心の欠如などが驚くほど増加している様子が見られます。それらすべての根底にあるのは,利己主義,貪欲,純粋な愛の欠如です。パウロは続けて,「人びとは自分を愛する者,金を愛する者,……善良さを愛さない者……神を愛するより快楽を愛する者……となる」と述べています。(テモテ第二 3:1-5)では,わたしたちはこの預言が今日世界中で成就しているのを見ていますか。確かに見ています。それは詳細な点に至るまで成就しています。
6 マタイ 24章12節の成就としてどんな状況が進展しましたか。
6 イエスご自身も「事物の体制の終結のしるし」を預言した時,「不法が増すために,大半の者の愛が冷えるでしょう」とおっしゃいました。(マタイ 24:3,12)これは今日の世界全体について言えるだけでなく,キリスト教世界についてさえ言えることです。毎年クリスマスの時期になると,キリスト教世界では愛や平和や人間の善意について多くのことが語られますが,諸国家はそれを実践するでしょうか。英国の首相が1979年のクリスマスのちょうど1週間前に語った言葉は意味深長です。この女性首相はこう述べました。「我々は新たな10年間に直面している。この期間を私は“危機の10年”と呼んだが,この期間に我々の安全と生活様式を脅かすものは,どちらかと言えば1970年代より深刻なものとなろう」。
7,8 (イ)世の終わりの日のどんな状態が現在見られますか。(ロ)エホバはどんな保証を与えておられますか。またこれらの事柄にはどのように「愛」と「復しゅう」が関係していますか。
7 このような脅威に諸国家はどのように反応しているでしょうか。その軍備を増強することによってです。考えてみてください。愛の欠けたこの世界は毎分100万㌦(約2億4,000万円)を軍事のために投じており,それは,1年にすると5,000億㌦(約120兆円)を上回ります。こうしたことはすべて,世の終わりの日の状態をますます深刻なものにしていますが,世界はその解決策を見いだすことができません。医師や科学者などから成る団体が1980年3月2日付のニューヨーク・タイムズ紙上で公表した情報によると,もし明日にでも核戦争が勃発したとすると,わずか1時間で地上の生命のほとんどが,つまり幾十億もの人類が死滅するとのことです。それにもかかわらず,諸国家はよりすさまじい超高性能兵器の製造に余念がありません。
8 ではわたしたちの愛の神,この美しい地球の創造者は,よこしまな諸国家が地球を燃えかすにしてしまうことを許されるでしょうか。断じて許されません! 神はそのみ言葉の中で次のことを率直に述べておられるからです。「エホバは天を創造したまえる者にしてすなわち神なり また地をもつくり成してこれを堅くしいたずらにこれを創造したまわず これを人の住みかにつくりたまえり エホバかくのたもう我はエホバなり我のほかに神あることなし」。エホバというその比類のないみ名は,この方が愛ある創造者また宇宙の主権者なる主として,わたしたちの地球を荒廃させることをお許しにならない保証となっています。神の愛は,この地球をないがしろにして人間という創造物を絶滅させようとする人々に復しゅうを遂げることを要求するのです。―イザヤ 45:18。エレミヤ 10:10-12。
9 諸国家が武器を捨てることを拒んだので,エホバは何を行なうことを意図しておられますか。なぜですか。
9 第一次世界大戦が始まった1914年以来,この地球は幾千万という罪のない人々の血で浸されてきました。第二次世界大戦だけでも5,500万の人命が奪われたのです。今や,核による大虐殺の可能性は一層の恐れをかき立てるものとなっています。したがって,諸国家が武器を捨てようとしないので,わたしたちの愛の神は,効果的でしかもその効果が永続する独自の方法によって,ほどなく彼らの武器を捨てさせると宣言しておられるのです。エホバはこう述べておられます。「あなた方は来て,エホバのみ業を見よ。神が地に驚くべき出来事を置かれたのを。神は地の果てに至るまで戦いをやめさせる」。(詩 46:8,9,新)そうです,諸国家が決して行なわないこと,つまり彼らの戦争用の装備すべてを粉々に砕き,彼らの核ミサイルすべての信管さえ除去することが,エホバの愛ある目的です。それは,「復しゅうはわたしのもの,わたしが返報する」というエホバの言葉と一致します。(ローマ 12:19。ゼパニヤ 3:8,9)復しゅうを遂げられるというわたしたちの愛の神の目的は,わたしたちを喜ばせるものではないでしょうか。そうであるべきです。
増し加わる不幸な事態
10 今世紀の戦争は,どんな衝撃的な結果をもたらしましたか。
10 1914年以降の幾つかの戦争は,恐ろしい結果を置き土産にしました。その一つは,平気で性的な欲望を満足させるようになったことです。それは結局,性病や不本意な妊娠が増え広がる事態を招きました。このような不本意な妊娠に伴って,堕胎が時代の潮流となりました。今は世界中で,毎年3,000万から4,000万ほどの胎児が堕胎によって殺されているものと推定されています。罪のない人々の殺害がこれほど大規模に行なわれたことは,世界でも類のないことです。それに比べれば,歴史上のどの戦争であれ,それらの最悪の年に出た死者もものの数ではありません。
11 どんな点で,『邪悪な者はいよいよ悪に進んで』いますか。
11 それに加え近ごろでは,麻薬常用癖,離婚,少年非行,あらゆる種類の不法行為などが驚くほど大規模に見られるようになりました。今日,同性愛者の社会は,米国だけでも2,000万人の同志がいると誇っています。最近でも,一人の同性愛者が,性的な暴行を加えた33人の青年を殺すという前代未聞の衝撃的な事件が起こりました。しかし同性愛は,キリスト教世界で,また全世界で広く見られる不道徳行為のほんの一面にすぎません。この「終わりの日」に関してテモテ第二 3章には,『邪悪な者はいよいよ悪に進みます』とありますが,正にその通りです。―13節。
12 このよこしまな世界が終わりに至ったことを示すどんなしるしがありますか。
12 周囲の不道徳な世界をながめる時,わたしたちは,ノアの時代やソドムとゴモラの時代に実によく似ている,堕落したカナン人や背教したイスラエル人にそっくりだ,と叫ばずにはいられません。今の世界が不道徳の泥沼にますます深く沈み込んでゆくにつれ,わたしたちの脳裏に浮かぶのは,「こうした事をならわしにする者は死に価する」という使徒パウロの警告の言葉です。(ローマ 1:18,26-32)そうです,愛の神はこの事物の体制の恐るべき悪をこれ以上許容されません。それどころか,ご自分の地球を汚している者たちに滅びをもたらされます。―啓示 11:18。
「名高い売春婦」を見分ける
13 『霊的な姦淫』とは何ですか。
13 一方,聖書は霊的な不道徳についても述べています。これにふけっているのは,清い崇拝を実践していると唱えながら地上のサタンの世の事柄に関係している人々です。聖書はこう述べています。「姦婦たちよ,あなたがたは世との交友が神との敵対であることを知らないのですか。したがって,だれでも世の友になろうとする者は,自分を神の敵としているのです」。(ヤコブ 4:4)神の僕であると唱える人々の側のこのような交友,霊的な姦淫は,エホバが復しゅうを遂げられる主要な理由の一つです。なぜそう言えるのでしょうか。
14 「名高い売春婦」,そして彼女が座っている「多くの水」とは何であるかを述べてください。
14 啓示 17章に述べられていることからそう言えるのです。そこには「多くの水の上に座る大娼婦」について書かれています。これはどういう意味でしょうか。この「多くの水」については,その15節から,「もろもろの民と群衆と国民と国語」を表わしていることがはっきりと分かります。では地上のもろもろの民に権力をふるうこの「大娼婦」とは何者ですか。カトリック訳であるエルサレム聖書ではこの女は「名高い売春婦」となっています。自分の名を高めるためにこの女は何をしたのでしょうか。啓示 17章5節は次のようなヒントを与えています。「そして,額には一つの名が書いてあった。それは秘義であって,『大いなるバビロン,娼婦たちと地の嫌悪すべきものとの母』というものであった」。
15 バビロンはどうなりましたか。しかしどんな遺産を彼女は残しましたか。
15 ですから「名高い売春婦」には,「大いなるバビロン」という名前があります。するとこの女はネブカデネザル王の時代の,古代史のバビロンと関係があることになります。歴史の示すところによると,このバビロンは堕落した性崇拝と腐敗で満ちていました。(ダニエル 4:28-30)現在ネブカデネザルのバビロンはもう存在していません。今のイラクにあるその場所は,「神に滅ぼされたソドム,ゴモラのように」荒地となっています。(イザヤ 13:19-22,口)しかし古代のバビロンは,確かに人類に遺産を残しました。それは何でしょうか。その国の偶像礼拝,つまり宗教です。
16 (イ)偽りの宗教の世界帝国はどのようにして形成されましたか。(ロ)神は大いなるバビロンにどんな判決を下されますか。なぜですか。
16 洪水後のごく早い時期から,バビロンは偽りの宗教と結び付いていました。人々がエホバに逆らって,頂が天に届くような宗教的な塔と町を建てたのもこの場所です。そしてエホバが彼らの言語を乱された時,このバビロンから人々は偽りの宗教を携えて全地に散って行きました。西暦4世紀には,背教したクリスチャンたちが自らの教理とバビロンの儀式上の習慣とを融合させ,一つの宗教組織を作り上げましたが,それは現代に至るまで,カトリックとプロテスタントの様々な教派の中に残っています。こうして,“クリスチャン”と非クリスチャンの宗教を包含する偽りの宗教の世界帝国,つまり「大いなるバビロン」が形成されてゆきました。「大いなるバビロン」は迫害や暴力行為,はては歴史上の世界戦争にまでかかわって来たため,神は彼女に判決を下し次のように述べておられます。「彼女の中には,預言者と聖なる者たちの血,そして地上でほふられたすべての者の血が見いだされた」― 啓示 17:5,6; 18:24。創世 10:8-10; 11:1-9。
17 「緋色の野獣」とは何ですか。それはどのように預言を成就しましたか。
17 大いなるバビロンと「世との[不義の]交友」はさらに深いところまで行きます。その交友には象徴的な「獣」を支配する関係も含まれています。彼女は啓示 17章3節で,『冒とく的な名で満ちた緋色の野獣の上に座っている』とも描かれているからです。聖書の中で「獣」はしばしば地上の政治国家を象徴するために用いられています。(ダニエル 7:2-8; 8:5-8,20,21。啓示 13:1-18)しかしこの預言に出てくるのは,「七つの頭と十本の角」を持つ異様な形をした複合的な「獣」です。現代史の示すところによると,「獣」は1920年に初めて登場しました。それは諸国家の連合体,つまり国際連盟でした。それは第二次世界大戦中に一時期無活動状態に陥りましたが,1945年に預言どおり国際連合として再登場しました。間もなくそれは,『去って滅びに至ります』。―啓示 17:8-11。
18 大いなるバビロンの,宗教と政治の親密な関係はどのように終わりを迎えますか。
18 偽りの宗教である「大いなるバビロン」は,国際連盟と国際連合の双方に指導の手を差し伸べようとしてきました。しかし神の言葉は,法王や他の宗教指導者によって作られた,宗教と政治のそのような親密な関係はすべて間もなく終わることを示しています。この「名高い売春婦」が万事うまくいっていると考えているその時に,神は「獣」である国際連合の象徴的な「十本の角」を動かし,その軍事力を彼女の方へ向けさせます。彼らは彼女を背中から落とし,荒れ廃れさせ,火によるかのように滅ぼし尽くしてしまいます。―啓示 17:16,17。
『わたしの民よ,彼女から出なさい』
19 神は今,信仰を持つあらゆる誠実な人々にどのように愛を示しておられますか。
19 そうした裁きの時が近づいているので,神はどのように愛を示しておられますか。次の方法によってです。つまり,カトリック教徒,プロテスタント信者,仏教徒,ヒンズー教徒などあらゆる偽りの宗教に属する誠実な人々で,神の民になることを願う人々に,神は啓示 18章4,5節に述べられている次のような緊急な招待を差し伸べておられるのです。「わたしの民よ,彼女の罪にあずかることを望まず,彼女の災厄をともに受けることを望まないなら,[大いなるバビロン]から出なさい。彼女の罪は重なり加わって天に達し,神は彼女の数々の不正な行為を思い出されたのである」。
20 今こそ,大いなるバビロンから首尾よく逃れるべき時であると言えるのはなぜですか。
20 神の裁きの執行は刻一刻と確実に迫っています。国連の内部ではすでに反宗教的な国々が強い力をふるっています。石油の必要な軍国主義的な国々は,イスラム世界や長い間キリスト教世界の宗教の防壁とみなされてきた国々を脅かしています。今こそ,真理と義を愛するすべての人が「名高い売春婦」から神の王国へと首尾よく逃れるべき時だ,と言えるのはそれが理由です。
21 ハルマゲドンとは何ですか。諸国民がハルマゲドンにいるのはいつですか。
21 偽りの宗教の世界帝国である「大いなるバビロン」の荒廃の後はどうなるでしょうか。聖書によれば,「獣」の十本の角は地上でエホバの証人が代表する真の宗教に攻撃の鉾先を向けます。しかしこの事が生じる時,これらの諸国家はハルマゲドンで神に敵対して戦うことになるのです。またハルマゲドンとはパレスチナの地の小区画のことではありません。ハルマゲドンとはむしろ「全能者なる神の大いなる日の戦争」,つまり全時代を通じて最大の戦いにおける,復しゅうを必要とする全世界的な情勢なのです。―啓示 16:14,16; 17:12-14。
22 聖書は,ハルマゲドンが義の戦いであることをどのように示していますか。
22 神は,「義をもって裁きまた戦う」べく天の軍勢を伴ったイエス・キリストを用いられる,と聖書には記されています。そうです,ハルマゲドンは義の戦いなのです。義ですか? なぜそう言えるのですか。あえて神を知ろうとせず,神の支配権に敵対する地上の国々や国民に当然の復しゅうをもたらすという意味においてハルマゲドンは義の戦いなのです。その滅びは無差別にもたらされるものではありません。邪悪な人々は滅ぼされるが,『わたしたちの主イエスについての良いたよりに従う』すべての人々には救いがもたらされる,と使徒パウロは述べています。こうしてハルマゲドンは,神の復しゅうと神の愛のつり合いを保つものとなります。―テサロニケ第二 1:8。詩 145:20。啓示 19:11-21。
23 (イ)詩篇 145篇17-21節にあるとおり,エホバはどんな神ですか。(ロ)では,『愛の神』が復しゅうを果たされるのはなぜですか。(ハ)近づきつつある「復しゅうの日」に関してどんな行動を取らなければなりませんか。
23 それで,『愛の神』が復しゅうの神でもなければならない理由が理解できるのではないでしょうか。それは,神が正義を愛し悪を憎んでおられるからです。それではわたしたちもそのようにしなければなりません。(詩 145:17-21)神の偉大なみ名と目的の正しさは,何としても立証される必要があります。過去幾千年にもわたって,神のこの美しい創造物を汚したあらゆる流血の罪・腐敗・不道徳からこの地球が清められることが本当に必要です。そうして初めてわたしたちの地球は,神が人類のためにもくろまれた全地球的な楽園へと変わってゆくのです。したがってまず最初に,比類のない『愛の神』は,神の敵に復しゅうを遂げられることによって,障害を除かなければなりません。神の復しゅうの日が今間近に迫っていることにわたしたちは喜びを感じないでしょうか。ではわたしたちも,エホバの愛ある次の招待を受け入れる人々の中に加わりましょう。「国々の民よ,彼の民と共に喜べ。[神は]その僕たちのために復しゅうなさるからである」― 申命 32:43,新。
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世界の物事の状態
「衝突寸前の世界。軍事費は驚異的に増大しつづけており……今では,10年前の額の2倍になっている。……世界が1966年に兵士一人当たりに費やした費用総額は,子供一人当たりの教育費に費やされた額の60倍であった」― トゥー・ザ・ポイント誌,1978年11月3日号
「……災難を予測するフランス人。将来に悩みと不安が生じるという気配が濃厚だ。経済の崩壊ないしは戦争,またはその両方が確実に起こるとまで口にする人がいる。そうした人々は,来たるべき災難には身を任せるほかに方法はないという見方で安心してしまっているようである」― 1979年11月17日付ニューヨーク・タイムズ紙
「ハルマゲドンにおびえる西ドイツの人々。国際情勢がいや応なしに制御不能の状態に陥りつつあるかに思えるため,戦争という妖怪が再度西ドイツに出没している。……最近の調査によれば,人口のほぼ6割が,今後3年間に戦争が起こりそうである,あるいは少なくとも起こる可能性があると信じている」― ロンドンの「ザ・タイムズ」誌,1980年4月23日号
「世界は毎年,軍事活動に5,000億㌦(約120兆円)以上,つまり1分に約100万㌦(約2億4,000万円)以上を費やしている。この膨大な額でも飽き足らないかのように,軍事費は急激な増加傾向にある」― ワールド・プレス・レビュー誌,1980年8月号
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「終わりの日」の実
「ロサンゼルスの警察局の報告によると,同市だけでも,17歳以下の少年2万5,000人が成人の男子に性を提供する同性愛者仲間に入れられていた。わずか12歳のある少年は,1日の売春行為で1,000㌦(約24万円)を得ていたと言われる」― 1979年6月17日付インディアナポリス・サンデー・スター紙
「昨年デンバーで逮捕された,売春に携わった者1,000人ほどのうち,400人は男性であった。今年,この記録はそれを上回るものとみられ,売春に携わった男子で逮捕される者の数は,初めて女性の数を超えるのではないかと見られている」― 1979年7月8日付ロッキー・マウンテン・ニューズ紙
「メソジスト連合教会の最高審理機関は,同性愛者であることを公言する者であっても……ニューヨーク市のワシントン・スクエア教会の僧職者としてとどまることができると決定した」― 1979年11月3日付,ニューヨーク・タイムズ紙
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国際連合と神の王国 ― そのどちらか
宗教は依然として国際連合の上に座り,その政策を牛耳っています。最近の動きですが,法王ヨハネ・パウロ2世は1979年10月2日,華やかな鳴り物入りで国連総会に姿を現わし,次のように言明しました。「今日私が調停の任にあずかる正式な理由となっているのは,間違いなく,ローマ・カトリック教会と国際連合を結びつけている特別な協力の絆である……私は国際連合が平和と公正の最高の座として,またより良い将来を切望する国民や個人の自由に関する権威ある座として,永久に存続することを希望してやまない」。しかし法王は,平和・公正・自由を確立するための神の機関,つまりイエスがみ父に対して祈られた「あなたの王国が来ますように。あなたのご意志が天におけると同じように,地上においても成されますように」という祈りの中に出て来る王国については,述べようとさえしませんでした。(マタイ 6:10。啓示 11:15)国連に反宗教的な強力な勢力が出現することは,『偽りの宗教の世界帝国』にとって幸先のよいことではありません。―啓示 17:16,17。
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新しい秩序に道を譲るため,古い皮はむき取らなければならない
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