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この世の霊を見分けるものみの塔 1964 | 2月15日
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17 黙示録 17章1-18節は,大いなるバビロンの支配をどのように描いていますか。
17 「『さあ,きなさい。多くの水の上にすわっている大淫婦に対するさばきを,見せよう。地の王たちはこの女と姦淫を行い,地に住む人々はこの女の姦淫のぶどう酒に酔いしれている。』その額には,一つの名がしるされていた。それは奥義であって,『大いなるバビロン,淫婦どもと地の憎むべきものらとの母』というのであった。』……『あなたの見た水,すなわち,淫婦のすわっている所は,あらゆる民族,群衆,国民,国語である。あなたの見たかの女は,地の王たちを支配する大いなる都のことである」― 黙示 17:1,2,5,15,18,新口。
18 何時そしてどのように,大いなるバビロンはキリスト教国を含むようになりましたか。
18 西暦4世紀に大いなるバビロンはキリスト教国を含むようになりました。キリスト教国の司教の公会議がはじめて召集されたのは325年のことで,その場所はローマのバチカン丘ではなくてアジアのニケアでした。これを召集したのは,バプテスマをまだ受けていなかったローマ皇帝コンスタンチン大帝でした。コンスタンチン大帝はクリスチャンに似つかわしくない最高僧院長の職についていました。こうしてニケア会議を司会したコンスタンチン大帝は三位一体すなわち父なる神,子なる神,聖霊なる神の三者が一つの神を成すという教えを公認しました。これはバビロン的です。キリスト教国の根本的な教えと行いをよく調べると,たとえ聖書の名を冠していても,実質はバビロン的であることがわかります。従ってキリスト教国に「この世の霊」がみちていても,驚くにはあたりません。キリスト教国は今や大いなるバビロンの有力な成員です。
血を飲んで酔いしれる
19 古代バビロンはエホバの民に対してどんな行いをしましたか。黙示録は大いなるバビロンが同じ精神を抱いていることを,どのように示していますか。
19 古代バビロンはエホバ神とその民に敵対しました。世界強国となったバビロンがエホバ神の選民を迫害したことは,聖書にくわしくしるされています。同じく大いなるバビロンも,神の民に何時も敵対してきました。使徒ヨハネに与えられた幻はこの事実を指摘しています。この幻の中で大いなるバビロンの悪が示されています。「わたしは,この女が聖徒の血とイエスの証人の血に酔いしれているのを見た」。大いなるバビロンが滅ぼされるべき理由はここにあるのです。エホバの天使は使徒ヨハネに次のことを告げました,「預言者や聖徒の血,さらに,地上で殺されたすべての者の血が,この都で流されたからである」。(黙示 17:6; 18:24,新口)大いなるバビロンは,古代バビロンを建設し,「エホバの前に権力ある猟夫」となったニムロデと同じく血にうえた精神を発揮してきました。しかし大いなるバビロンは,だれの血で酔いしれていますか。
20 使徒ヨハネ自身の場合にも示されているように,大いなるバビロンが酔っていることは,だれに敵対していることを示していますか。
20 大いなるバビロンは「預言者や聖徒の血」で酔いしれていると,明白に述べられています。すなわちエホバ神の預言者および聖徒の血です。エホバ神はバビロン的宗教の世界帝国に臨む裁きを示すため,使徒ヨハネに幻を送りました。ヨハネは,すなわち大いなるバビロンが「聖徒の血とイエスの証人の血に酔いしれているのを見た」と述べています。エホバ神はこのイエスを用いて黙示録の幻をヨハネに与えたのです。「イエスの証人」について言えば,ヨハネは自分が「神の言とイエス・キリストのあかし……をあかしした」ことを述べています。(黙示 1:1,2,新口)それで使徒ヨハネは「イエスの証人」の一人でした。そしてイエス・キリストを通して神からの黙示を与えられたとき,ヨハネは最高僧院長であるローマ皇帝から迫害されていました。それで大いなるバビロンは西暦紀元前のエホバの民に敵対しただけでなく,キリストの真の追随者,キリストの真の証人にも敵対しました。
21 酔っていることに関して,キリスト教国は大いなるバビロンの「娘」であることをどのように証明しましたか。
21 「イエスの証人の血」に酔いしれていることにおいて,キリスト教国は大いなるバビロンの真実の「娘」であることを証明しました。キリスト教国はその領域においてキリスト教を実践していると主張しますが,その成立以来今日に至るまで1600年の間,キリスト教国はキリスト教を奉じていない国々にもまさって多くの真のクリスチャンの血を流してきました。その宗教的迫害,異端審問所,「異教徒」に対する十字軍,宗教戦争は,いわゆる異教国が殺したよりも多くのクリスチャンを殺しました。この20世紀における二つの世界大戦についてはどうですか。それは共にキリスト教国の諸国家によって始められ,全世界にわたってぼう大な人命の損失を招きました。黙示録 18章24節にある天使の言葉は,「地上で殺されたすべての者の血」が大いなるバビロンで流されたと述べていますが,たしかにキリスト教国はこの言葉の成就に大きくあずかってきました。
22 キリスト教国はどなたの前に流血の罪がありますか。それはどのように拭い去られますか。
22 キリスト教国はバビロン的宗教の世界帝国を成す大いなるバビロンの一部であって,神の前に重い流血の罪を負っています。エホバ神の正義の律法に従えば,生命には生命,魂には魂をもってつぐなわなければなりません。それで大いなるバビロンの流血の罪は,キリスト教国もろとも大いなるバビロンが滅びることによって,拭い去られねばなりません。
23 大いなるバビロンはその精神によって,自分の神がだれであることを示していますか。
23 大いなるバビロンの精神は,その崇拝する神がだれであるかを示しています。それは,イエス・キリストが「この世の支配者」と呼んだもの,すなわち堕落してエホバ神の大敵対者となった天使サタン悪魔の精神にほかなりません。―ヨハネ 12:31,新口。
24 (イ)大いなるバビロンの神は,どのように人々を盲目にしていますか。(ロ)大いなるバビロンはどのように彼女の神を助けて,エホバの民に対しその精神を示していますか。
24 サタンは偽りの宗教によって人々の心を盲目にし,エホバと御子イエス・キリストに関する聖書の真理を受け入れさせないようにします。クリスチャン使徒パウロはそのことを述べました。「もしわたしたちの福音がおおわれているなら,滅びる者どもにとっておおわれているのである。彼らの場合,この世の神が不信の者たちの思いをくらませて,神のかたちであるキリストの栄光の福音の輝きを,見えなくしているのである」。(コリント後 4:3,4,新口)大いなるバビロンは地にあるこの組織制度の一部であって,この世の神をあがめ,その精神にあずかっています。大いなるバビロン自身がこの世の神に欺かれていると同時に,地に住む大多数の人を欺くためにこの世の神に用いられているのです。この神は「悪魔とか,サタンとか呼ばれ,全世界を惑わす」ものであり,最高至上の神エホバに属する者を迫害します。そして「神の戒めを守り,イエスのあかしを持っている者たち」に対して戦いをいどみます。(黙示 12:9,13,17,新口)大いなるバビロンはあかしを持っているこれらの者に対して,同じ迫害の精神を示します。
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体裁が心配ものみの塔 1964 | 2月15日
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体裁が心配
● ニューヨークの牧師ハロルド・A・ボスレイの言葉が,1962年7月19日付マイアミ・ヘラルド紙に引用された。「この国の教会は間違いを恐れて何も言わなくなった。我々の保つ体裁の故に,我々の影を恐れるようになった。……かつてのアメリカの教会は社会道徳の管理者であり,いかなる者ともすすんで剣をまじえた。しかし,今日ではその役割を臆病にも投げ出している。米国全国教会会議の副議長シンシア・ウエデル氏の同様な言葉もヒューストンポスト紙に引用された。(1961年10月1日付),「なにか異論のある問題に教会が巻き込まれれば,教会の人気を失い,人が教会を去り,あるいは教会に来なくなるのではないかと恐れるようになった」。
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